著者 : 円城塔
2030年、千葉県逃尾市に一体の未確認飛行生物が飛来する。「ジェットジャガー」と呼ばれる銀色のロボットと交戦の末、突然死を遂げたその怪鳥は「ラドン」と名付けられた。その後、逃尾市周辺でラドンの死骸が相次いで発見されて…!?紅塵に包まれる世界、謎の音声電波、超物質アーキタイプ、地下深くの研究所、次々に現れる巨大怪獣ーそして到来する「破局」。円城塔書き下ろしの小説版『ゴジラS.P“シンギュラポイント”』。
日本でもっとも愛されている作家、カート・ヴォネガット。彼が84年の生涯で著した、シニカルな笑いと温かな眼差しに満ちた全短篇を、8つのテーマに分類し集成。4分冊の第二巻には、「スロットル全開」「永遠への長い道」をはじめとする「女」「科学」「ロマンス」テーマの25篇を収録する。
「そろそろオリオン座が振り向くはずだ」僕らは毎夜、夜空を見上げて過ごす…世界の果てに近い町の青春、太陽系中の食通を唸らせる料理に隠された真実、主人公連続殺人事件。甘美で繊細、壮大でボンクラ、夢みる言葉、踊る文字、胸にしみる小理屈と抒情。円城塔世界が炸裂する、極上の作品集。
小説の書き手である「わたし」は物語を始めるにあたり、日本語の表記の範囲を定め、登場人物となる13氏族を制定し、世界を作り出す。しかしプログラムのバグというべき異常事態が起こり…。文学と言語とプログラミング、登場人物と話者が交叉する、著者初の「私小説」にして、SFと文学の可能性に挑んだ意欲作。
オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ、人類がこちら側へ退転してしばらく。特化採掘大隊の朝戸連と相棒の支援ロボット・アラクネは、OTCの構成物質を入手すべく、現実宇宙へ向かう。いっぽう、ふたつの宇宙で起こった関連性のない連続殺人事件の謎に直面した刑事クラビトは、背景に実存そのものを商品とする多宇宙間企業イグジステンス社の影を見る。宇宙と物語に何が起こっているのか?
宮部みゆき「星に願いを」-ありふれた日々を稲妻のように切り裂く、思いがけない出来事とは?飛浩隆「海の指」-SFの枠でしか描けないグロテスクで魅惑的なヴィジョン。木城ゆきと「霧界」-「海の指」が描くヴィジョンから、新たに魅惑的な光景を幻視する。宮内悠介「アニマとエーファ」-人間ならぬ存在はいったいどんな物語を紡ぐのか?円城塔「リアルタイムラジオ」-ワールドの外にはリアルタイムが存在し、そこからラジオが流れてくる…。神林長平「あなたがわからない」-“空気が読める”“他人の心がわかる”とはどういうことなのか。長谷敏司「震える犬」-類人猿を通して、人類自身の姿が浮き彫りになる。常識を震わせる、七つの風景。