著者 : 南原幹雄
豊臣秀吉が死に、世は戦国に逆戻り。覇権争いは全国の大名を巻き込み、徳川家康率いる東軍、石田三成の西軍による「関ヶ原の戦い」へ。裏切る者がいれば、その裏を掻く者もいる、私利私欲が渦巻く戦場となった。徳川家康・秀忠、石田三成、島左近、直江兼続…彼らにとって関ヶ原とは何だったのか。超豪華作家陣が描く、傑作歴史時代アンソロジー!
本所の蕎麦屋に正月四日、毎年のように来る客。彼の腕にはある彫ものがー。(池波正太郎「正月四日の客」)新川の酒問屋で神棚から出火。火元の注連縄にはこよりに包んだ髪が隠されていた。そこに秘められた母子の悲しい思い出とはー。(宮部みゆき「鬼子母火」)他、松本清張「甲府在番」、南原幹雄「留場の五郎次」、宇江佐真理「出奔」、山本一力「永代橋帰帆」と人気作家がそろい踏み!冬を舞台にした、時代小説アンソロジー。
血風吹きやまぬ、戦国乱世。徳川家康の懐刀・石川数正が、突如、日の出の勢いの秀吉のもとに奔った!家康と苦楽をともにした知将の変節に、三河武士たちは憎しみの炎を燃やす。だが、漢は自らの天命を見据え、恐るべき計略を胸に動いたのであった。息子たちをも巻き込む数正の鬼謀が、天下人の座を狙う群雄の運命をかえてゆくー。謀将シリーズ、最高傑作をもって、堂々完結。
明治維新の百年前、京洛の闇の中で倒幕運動が始まった。公家や武家がそれぞれの思惑を秘め動き出す。そしてついに数百年も対立してきた二派の忍者、静原冠者と八瀬童子の決戦の火蓋が切られた。
賎ヶ岳の「七本槍」に乗り遅れ、豊臣政権の下で心ならずも官僚派武将の道を歩んでいた大谷刑部は、将来を嘱望されながら突然病に冒される。秀吉の死後、待っていたのは天下分け目の関ヶ原。大谷刑部は光を失った目で、西軍の一方の旗頭として家康の大軍と勝敗を決する戦場に赴いた。豊臣家への忠節、盟友・石田三成への義、そして自らの武断派への夢を賭けた最後の戦がついに幕を開ける。
この男とならもうどうなっても悔いはない。地獄の果てまで添い遂げて…。腕のいい友禅師に惚れぬき、足を洗って幸せをつかもうとした刹那、芸者かおるの前に現れた悪鬼の正体とは!?-表題作「柳橋かよい妻」をはじめ、市井に生きる妖艶かつしたたかな女たちが織りなす、美しくも哀しい恋の数々。情緒纒綿たるエロチシズムを秘めて、流麗な筆致で綴り上げられた大江戸色絵巻。著者会心の傑作時代小説。
血腥い風吹きやまぬ、戦国乱世。徳川家康股肱の臣が、突如、自らの城を捨て日の出の勢いの秀吉麾下に参じた!それはまさに、信じがたき変節-。家康に愚直な忠を捧げる三河武士どもが、憎しみの炎を燃やす。だが漢は、自らの星を睨み、恐るべき計略を胸に抱いて、動いたのだ。数正の鬼謀が、天下人の座をめぐる群雄の運命をかえてゆく…。
歌舞伎見物の客の世話をする芝居茶屋の主人・弁之助は、剣術も達者なら頭も切れるが、出来すぎの女房のせいで、暇をもてあまし気味。そんなところへ「中村座の御曹子が行方不明」という知らせが入って…。一日千両が動く芝居の町に巻き起こるさまざまな事件。ころし、誘拐、御家騒動ー。目明しの鶴吉、絵画きの友蔵、二人の友と悪に挑む痛快時代小説集。
敗亡した一族再興のため武田信玄に仕えた真田幸隆。六文銭を旗印に、信濃経略の野望に燃える信玄の謀将として頭角を表わす。その父の志を継いで、昌幸は戦国の争覇戦に乗り出し、真田家の独立を目指す。類いまれな軍略と奇謀。「不惜身命」の四文字を家訓に戦国乱世を生き抜いてゆく幸隆・昌幸父子を描く、渾身の大型歴史巨篇。
武田家が滅亡し、信長が本能寺に斃れた。天下の政情が激変するなか、真田昌幸は信州に自立し、領国経営に邁進してゆく。慶長五年、太閤秀吉の遺命により、打倒家康に起った昌幸は、石田三成、直江兼続と連携し、次男幸村とともに、徳川の大軍を上田城に拠って迎え撃つ。天下分け目の関ヶ原に奇謀を揮った知将の戦国魂を描く、雄渾の大型歴史巨篇。
徳川八代将軍をめぐり、御三家、尾張家と紀州家との間で繰り広げられた暗闘の数々。尾張藩は雑賀一族の再興を取り引き条件に、狙撃術に卓越した雑賀孫四郎を、吉宗の暗殺者に仕立てる。芝・増上寺で吉宗の命を狙う孫四郎の背後に忍び寄る影の正体は…。徳川家の血と血の争い、その中に否応なく巻き込まれた暗殺者に迫りくる父子宿命の闘い。
加賀藩の実権を掌握した黒羽織党の銭屋へのいわれなき報復はますますその悪辣さを増す。碇泊中の千石船への細工、女中頭への襲撃、銭屋の名を騙った金沢城下への付け火。さらに十五万両という莫大な御用金の供出を迫られる。絶体絶命、瀕死の銭屋が打って出た大博打とは?幕末の不穏な政情下、鴻池、住友、三井をも凌駕した海商、銭屋五兵衛の苦難の生涯。痛恨血涙の完結編。
加賀百万石。藩祖前田利家は没し、利長が家督を継いでいた。最大の大名勢力である前田家を陥れるための幕府の陰謀は秀忠の次女の輿入れで始まる。幕府はお付人という形で公然と五百名の手兵を加賀城下に送り込んだ。利長の居城が付け火に遭い、混乱に乗じて数名の剣客が利長を襲う。-ついに利長は立ち上がった。百万石に命を賭けて徳川の野望に立ち向かった男を描く時代長編。
六文銭の旗印を立てよ。敗亡した一族再興のため武田信玄に仕えた真田幸隆。六文銭を旗印に、信玄の謀将として活躍。その父幸隆の志を継いで、昌幸は真田家の自立と戦国の争覇戦に乗り出してゆく…。類いまれな軍略と奇謀で、戦国乱世を生き抜いた幸隆・昌幸父子を描く渾身の歴史巨篇。
打倒家康の策成る。武田家滅亡後、戦国大名として信州に自立した真田昌幸。慶長五年、太閤秀吉の遺命により、打倒家康に起った昌幸は、石田三成・直江兼続との連携のもと、徳川の大軍を上田城に拠って迎え撃つ…。天下分け目の関ケ原に奇謀を揮った知将の戦国魂を描く雄渾の歴史巨篇。
徳川吉宗は将軍職に就任するや、子飼いの忍びを紀州より参府させ、公儀御庭番として組織した。乱世の到来を虎視眈々と狙っていた伊賀甲賀の忍びが動き始めた。一人、また一人、御庭番が殺される。やがて御庭番は御三家筆頭尾張徳川家の不審な動きとその背後で暗躍する陰を察知する。かくて、忍び同士の秘術を尽くした死闘が始まった…。凄絶な忍者達の世界を描く連作伝奇長編。
慶長五年六月、徳川家康は天下統一の野望を抱き、上杉景勝討伐のため会津へ向かった。その隙をつき、反徳川派の石田三成が挙兵、諸大名は東軍と西軍に分け、関ヶ原で将来の浮沈を決する戦が始まった。だが、この戦いに自らの人生を賭けたのは武士ばかりではない。落城寸前の城に鉄砲を運ぶ鍛冶、祖父の仇を利用して名を上げようとする酒問屋…。もう一つの戦いがここにあった。
幕府直轄、長崎貿易会所の多額の赤字は薩摩の手による抜け荷が原因なのか。香取神刀流の達人、神楽八郎太、兵馬は公儀隠密として長崎に潜入した。薩摩の不審な帆船を追って山陰、北陸、松前と探査は進む。執拗に襲いかかる謎の暗殺剣。やがて、薩摩の陰に潜む強大な策謀を掴むのだが。幕末の日本海を舞台に伝奇、冒険、推理と小説の醍醐味をふんだんに盛り込んだ時代小説の決定版。