著者 : 福澤徹三
1946年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京で飢えと貧困に苦しむ。放浪の果てにたどり着いた上野の地下道、そして闇市で、きょうを生き延びるためにもがき続ける。2020年、都内の私立高校に通う洲崎駿は、新型コロナウイルスの感染拡大によって自粛生活を強いられる。父の勤務先が倒産したのをきっかけに、平穏だった家族の日常は崩壊していく。ふたりの過酷な青春が74年の時を経て、鮮やかに交錯する。
食材偽装の告発にからみ、子会社へ左遷された50歳のサラリーマン、入矢悟。過酷な業務に耐えかねて本社への復帰を図ったが、冤罪での逮捕をきっかけに家庭は崩壊する。すべてを失った入矢は娘に助けを求められ、裏社会へ足を踏み入れる。現代社会の闇を疾駆するノンストップ・ノワール!
湿った畳の古い日本家屋、黒い口をぽっかり開ける隧道、新聞紙にくるまれたおかっぱ頭の市松人形ー四季の移ろいを背景に、日本人だからこそ感じる恐怖が迫る。これぞホラージャパネスク!これぞ極上の怪談文芸!
狛江は左遷先のQ支店から東京本社へ凱旋した。安堵したのも束の間、妻子とはぎくしゃくし、会社では部下たちの自己チューぶりに翻弄される。しかもCMに起用したアイドルのスキャンダルが報じられ、とうとう追い出し部屋へ!またもやリストラ寸前の崖っぷちに立たされる狛江。そして、あの男との恐怖の再会が待っていた!
特養老人ホーム「敬徳苑」で入所者が何者かに殺害された。第一発見者で介護員の清水穂香はストーカー被害に悩んでいた。現場に臨場した交番巡査の武藤大輔は穂香の相談に乗り、ストーカーの正体を暴こうとする。新米刑事の風間志郎は未解決事件の捜査をきっかけに、半グレ集団の罠に落ちる。錯綜する事件の果てに巨大な闇が三人を襲う!緻密な描写と予想を裏切る展開!異色の警察小説。
24歳のフリーター、湯原和斗は奥多摩のペンションでバイト中。宿泊客の今宮葉月は未解決の5億円強奪事件について調べているが、まわりは怪しい奴ばかり。そこに現れたのは、頬に傷持つあの男。男がふるまう絶品料理と目前に迫る時効。はたして事件は解決できるのか?こんどは何が食えるのか?文庫書き下ろし人気シリーズ第5作!
製薬会社のMR・友永孝は、電車内で見知らぬ男女に痴漢の疑いをかけられ駅から逃走、新人巡査の新田真人に逮捕された。友永は無罪を訴えるが、留置場に収監されてしまう。後日、真人はある出来事から友永の無実を確信し、老弁護士・五味陣介に協力を求めるがー。留置場から拘置所、そして法廷へ。仕組まれた冤罪との闘いを徹底した緻密さで描く異色の警察小説。
消費者金融で働く新米社員・諸星雄太が延滞者を訪ねると、男は行方不明になっていた。家には男の妻と娘が残されていたが、返済は待ってほしいと言うばかりだ。取り立てに通ううち、雄太は奇妙な色気を滲ませるその人妻に搦めとられてゆく。やがて周囲の人間が、一人、また一人と変死を遂げてゆき…。衝撃の結末に凍りつく、一気読み必至の傑作ホラーサスペンス!
藤堂旬一郎、28歳、国会議員秘書。あまりに多忙な日々に、青雲の志も忘れがち。そんな彼の心が安まるのは、永田町近くの立ち呑み酒屋で店主の小梅に逢うとき。だがある日、眼光鋭く、頬に傷を持つ“新店長”が現れた。この怪しい男のつくるつまみが滅法旨い!読めば読むほど腹が減る、文庫書き下ろしシリーズ第4作。
高校入学を控えた草食系男子の悠太は、アクシデントに見舞われ1979年にタイムスリップ。父の剛志郎として高校に入学するハメに。しかしそこはヤンキーどもが跋扈する、超底辺校だったー!コワくて愉快な仲間との出会い。ヤンキー女子の恋。70年代テイスト満載、あの時代を知る人も知らない人も爆笑感涙の青春小説。
渋川卓磨、27歳、ヤミ金業者店長。上層部から「やくざの組長宅を地上げせよ」という指令を受け組に潜入したが、なりゆきで行儀見習いとして住み込むはめに。そこに現れた頬に傷もつ中年男。客人なのに厨房に立ち、次々に絶品料理をつくっていく。一体何者?卓磨の地上げはどうなる?旨さ3倍増の文庫書き下ろし第3作!
真鍋順平、28歳、独身、情報サービス企業勤務。突然の“追い出し部屋”への配置転換にうろたえる順平は、ある日、ランチワゴンで実に旨い昼飯に出会う。店主は、頬に傷を持つ、どう見てもカタギではない男、柳刃ー。任侠×グルメという新ジャンルを切り拓き、大好評を博したシリーズ第2弾、登場!文庫書き下ろし作品。
製薬会社のMR・友永孝は見知らぬ男女から電車内での痴漢の疑いをかけられて駅から逃走、駅前交番の新人巡査・新田真人に逮捕された。友永は無実を訴えるが、聞き入れられず留置場へ。後日、真人は被害者の女子大生と目撃者の中年男に疑いを抱き、老弁護士・五味陣介に協力を求めるがー。三人は、想像以上に深い事件の闇へひきずりこれまていく。留置場から拘置所、そして法廷へ。仕組まれた冤罪との闘いを徹底した緻密さで描く、異色の警察小説!
県警捜査四課のエースだった片桐誠一は、情報漏洩の疑いで左遷された。十年後、濡れ衣を晴らす機会が訪れるが、上司から拳銃のやらせ捜査を命じられ、かつての捜査協力者だった暴力団幹部の刀根剛に協力を求める。しかし刀根は組を追われる寸前で、誠一の息子、遼平は職を失い多重債務に苦しんでいた。三人は巨大組織を相手に絶体絶命の窮地を脱出できるのか!?
女四人の同窓会。酔いから醒めると、全員が一室に閉じこめられていた。暗闇に潜む、恐るべき悪意とは?(表題作)縁日のお化け屋敷で消えた夫と娘。必死でふたりの行方を探す妻を、戦慄の結末が待ち受ける。(「お化け屋敷」)仕事に疲れた中年男が二十五年ぶりに帰郷した。再会した旧友たちが仕掛けたのは?(「昭和の夜」)一読忘れがたい印象を残す「奇妙な味」の小説集。
ネット上で2003年より毎夏開催され、大反響を巻き起こしている「ビーケーワン怪談大賞」の名作佳品が一冊に!大の怪談好きで知られる3人の編者が、腕によりをかけて選んだ100編に加え、文庫オリジナル書き下ろし作品8編も収録。
いまインターネットで話題騒然の「3分で読める800字の怪談」シリーズ第二弾。一度読んだら二度と忘れられない(!?)怖い話、不思議な話、奇妙な話、せつない話…三度の飯より怪談が大好物の書き手たちが腕を競った中から、特に評価の高かった作品ばかり全108編を一巻に厳選収録。
就職活動に悩む大学生・若水良太は、ヤクザどうしの銃撃戦に巻きこまれ、組長の柳刃竜一が部屋に居座ってしまう。居候の柳刃はお取寄せが趣味でキッチンを占領しては料理を作り、恐怖と美味に混乱する良太。そこに同級生たちも加わって事態は予想外の方向へ!まったく新しい任侠×グルメの異色料理小説。文庫書き下ろし作品。