著者 : 福澤徹三
広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象の北九州支店。思わぬトラブルでヤクザに絡まれ、大借金のうえ身売りの大ピンチに。鉄拳の雨と禁断のレバ刺し、爆弾を抱えたダイ・ハードな日常。生き地獄に陥った男のI(=自分)ターンとは!?血圧急上昇、リーマン・ノワールの傑作。
初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。女子大生の“あたし”は真夏の山中で、われにかえった。見知らぬ車に見おぼえのない服。失われた記憶を求めて恐るべき真相にたどり着く「迷える羊」。平凡なOLが引っ越したマンションには、得体のしれない誰かが住んでいた。女の情念と狂気を描く「九月の視線」。四季を舞台に織りなす12篇の恐怖。
皮を剥ぎ、肉を削り、骨を砕く。独自の倫理観で悪人たちに残虐な拷問を加える連続殺人鬼、玄田道生。そして霊能力を持った女子高生、神山美咲。ふたりの魂が交錯するとき、恐るべき惨劇の幕があがるー。怪しい新任教師の目的は?謎の霊能者、樹坂麿宮の正体は?絶対絶命の窮地に陥った同級生たちを、美咲は救出できるのか!すべての謎が解き明かされる、ジェットコースター・ホラー、最恐のシリーズ完結編。
ツケを払わん奴は盗人や。ばんばん追い込みかけんかい!社長が吠えたその日からバーの名ばかりチーフのおれの災難は始まった。問題の客は明らかにその筋の匂いがし、お目当てのホステスはおれが密かに同棲している女ときた。そこへ現れた昔なじみが取り返しのつかない出来事に結びつくなんて、あの時は思いもしなかったー。北九州のネオン街を疾走する男たちの生き様を描く異色の青春小説。
ひょんなことからやくざの組事務所に出入りすることになった大学生の亮。そこは個性豊かな面々がとぐろをまく強烈な世界だった。就職先もなく、将来が見えないことに苛立ちを感じていた亮は、アウトローの男たちに少しずつ心ひかれていく。しかし、時代に取り残された昔ながらの組には、最大の危機が訪れようとしていた。人生をドロップアウトしかけた青年の一夏の熱くたぎる成長ドラマを描いた第10回大藪春彦賞受賞作。
ひきこもりの息子とその父親、認知症の妻の介護に疲れた夫、日常の虚しさにとりつかれた主婦、痴漢容疑を受けたサラリーマン、際限なきいじめに悩む中学生…。図らずも人生の陥穽に落ちた人々は、「死」の深淵に臨むが…!?生き抜くための出口を見失った人々の選ぶ道は…?鬼才が放つ、異色のサスペンス。現代社会のひずみを映し出す、珠玉の短編集。