著者 : 鈴木輝一郎
これは、のちの天下人たちが、まだくすぶっていた頃の物語ー光秀(45)人生後半戦にしていまだ牢人暮らし。このまま終わるのか?秀吉(24)こき使われても全く出世の目なし。信長を裏切る気満々。家康(19)若くしてすでに苦労人。今川軍の雇われ城主。信長(27)謀反、暗殺、隣の大大名今川義元の脅威で常にキレ気味。天を味方にし、運を引き寄せた鬼才たちの「青春」。痛快!戦国喜劇。名将たちの夜明け前。「四人」シリーズ第4弾。
時は関ヶ原の合戦。薬問屋の女主人「とき」は、傷だらけの落ち武者を介抱する。運命的な恋の行方は?キリシタンである落ち武者の正体とは?戦乱の凄まじさを背景に、許されぬ恋と純愛の形を哀切に描く感動の長篇大作。
口を開けば「親たるものの極意はだなあ“ほどよく長生き死ぬまで元気だ”」とうそぶいていた父親が遺書遺産も心もとなく要介護状態に。時をいつにして叔父の通夜、葬儀…これでもかとばかりに押し寄せる不測の事態。その度に鳴る携帯電話。「こうなればとことんつきあおうじゃないか」自らの体験をもとに書き上げた共感小説。
天下に覇権成り、朝鮮半島にまで領土的野心を拡げた太閤秀吉。その無謀ともいえる朝鮮出兵には、実は隠された意図があった!!秀吉のその狙いとは、朝鮮・李王朝に累代伝わる「子宝の神器」。その秘宝をめぐって、“はぐれ素破”石川五右衛門が秘術を尽くして戦い、哭き、叫ぶ時代活劇の新機軸。
この世の良識と教養を嗤い、血をわけた子を子と思わぬ、わが父、織田信長-。かくも大きな父に認められかくも大きな存在を越えようと、次男、信雄はひとり煩悶し、ひそかに伊賀忍びに戦いを挑み、初めて心を許せる大人に出会った。その名は明智光秀-。父と子であることの狂気と病、血と血が斬り結ぶ、相剋のドラマ。
新宿・職安前の託老所は、居場所のない老人たちを日中だけ預かる施設。そこでは入所者の首吊り自殺が立て続けに発生していた。警察はボケを苦にした自殺と断定するが、新入りの中村きんは疑念を抱く。果してボケた老人が自分で首を吊ったりできるだろうか?これは他殺ではないのか…。日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した表題作を含む、連作短編集。
時は寛永八年、徳川家光の時代である。対朝鮮外交を一手に握る対馬藩の家老、柳川調興が突然、所領の返還を申し出た。調興の訴えは幕府を揺るがす一大スキャンダルに発展していく。朝鮮王と徳川将軍の間で交わされた国書が対馬藩の中で偽造されたり改竄されたりしていたというのは本当か。そして調興の真意は一体何なのか。…史実を基に大胆な発想で描く時代法延ミステリー。
大物代議士綱川豊年は、突然の事故で息子と孫を同時に喪った。中央政界への夢を抱く岐阜県議会議長熊谷太一に、後継者の芽が…。千載一遇の機会を得た熊谷に、豊年はある土地の名を耳打ちした。その情報は確実に巨額な資金に化ける。土地を、秘かにしかも手を汚さずに入手するため、熊谷は、不動産業者石切と天才詐欺師『男』と組み、綿密な秘策を練りに練った。大胆にして巧妙な、息を呑む犯罪。最後のページまで目が離せない、逆転につぐ逆転。狐と狸の化かし合い-。色と欲をとことん追い続ける紳士たちを痛快に描く、期待の新鋭の書下ろし超娯楽小説の力作。
平成3年3月、多摩地区壊滅!ほんの一握りの「カビ」がコンピュータを“脳死”させた。人々はパニックに陥り、スーパーや銀行を略奪・破壊する。「カビ」は都心を狙いはじめ、内閣は崩壊寸前。ただ一人、危機に立ちむかうのは女性官房長官。類いまれな臨場感で読むものを圧倒する痛快エンターテイメント。