1993年2月28日発売
植民惑星ミランダは変化の時を迎えていた。極地の氷が解け、陸の大半が水没する時季が近づいていたのだ。この星に星間政府の役人が派遣されてきた。グレゴリアンという男が禁制テクノロジーを使用し、水中生活の可能な改造人種を作りだしているとの報があったのだ。グレゴリアンの足跡を追ううち、役人は美しくも怪異なこの星の罠にからめとられていく…。科学と魔術を華麗に融合させ絶賛を浴びた珠玉のネビュラ賞受賞作。
〈辺境〉星域における反地球勢力〈同盟〉の中心地、惑星サイティーン。ここでは植民政策にともなう人員増強のため、徹底した遺伝子操作とテープ学習によって人間が“製造”されていた。この技術を管理する遺伝子工学研究所は、ひとりの老獪な女性科学者アリアンが全権を掌握している。才能と権力をほしいままにする彼女が極秘のうちにすすめる、きわめて危険な試みとは。ヒューゴー賞に輝く傑作SF巨篇、堂々の開幕。
都で1、2を争う腕を誇る美貌の剣士、リチャード・セント・ヴァイヤー。暗殺請け負いをなりわいにしている彼は、愛人の美青年アレクとともに気ままな暮らしを送っていた。そんなある日、政敵を追い落として権力を握ろうと図る大物貴族から仕事の依頼が舞いこんだ。そのときから、リチャードの運命はすこしずつ狂いはじめた…。剣に生きる男の恋と波乱の生涯を華麗に描く、アメリカ・ファンタジイ界期待の新鋭の傑作長篇。
航空機墜落調査班のメンバーである心理学者ノーマンは、召集を受け、南太平洋へ飛んだ。海底に沈んでから少なくとも三百年は経過している宇宙船が発見されたというのだ。ノーマンをはじめとする科学者チームは、海底居住施設を拠点にして、船内の調査をする。未知の生命体との遭遇に脅えながらも船内深く到達した彼らの前に、不思議な球体が出現した。『ジュラシック・パーク』の著者が放つ傑作エンターテイメント。
居住施設に戻った科学者チームの周囲では、奇妙な出来事が続発する。突如モニターテレビに謎の数字が並び、海底ではエビや発光するイカやクラゲが異常発生し、さらには狂暴なオオイカの触手が彼らを襲う。すべては謎の球体に関係があると考えたノーマンは、再び宇宙船へ乗り込み、球体とのコンタクトを試みるが…。ハイテク機器を用いた深海調査や、心理学、海洋学の豊富な知識を随所にちりばめた興奮の深海サスペンス。
この絶望的な胸の痛みをどうしたらわかってもらえるのだろう。何不自由ない生活を送っていながらも、どこか満たされないのだ。そんなある日、宅配業を営む友人が殺され、運んでいた書類が盗まれるという事件が起きた。書類にはいったいどんな秘密が隠されているのか?好奇心に駆られ調査を始めたわたしの前にやがて歴史上有名な冤罪裁判の存在が浮かび上がった。冒険への郷愁やまぬ中年男ドク・アダムズの新たな活躍。
名門の男子寄宿学校で、一人の生徒が首の骨を折って死んでいるのが見つかった。学校側は事故死として片づけたが、その直後、別の生徒がまたもや死体となって発見された。今度も首が不自然にねじれており、殺人と断定した警察は捜査を始める。だがまもなく、新たな犠牲者が…。残虐な手口で生徒を次々と狙う犯人の目的とは?外部から隔絶された寄宿学校で起きた連続殺人を、期待の新人が鮮烈に描きだす出色のサスペンス。
モンゴールに滅ぼされたパロが見事な復活をみせた頃、この大戦争のさなか北方諸国を旅していた、豹頭の戦士グイン、傭兵イシュトヴァーン、吟遊詩人マリウスの三人は、ようやく中原の大国ケイロニアにたどりついた。だが、そこで彼らを待ちうけていたのは、ケイロニア皇位をめぐる複雑怪奇な陰謀だった。美貌の剣士イリス、皇女シルヴィアなど、のちの本篇を彩るキャラクターたちが総登場する、第4部放浪篇。
「合衆国大統領を暗殺する」-取り締まりを強化するアメリカへの報復として、麻薬カルテルのボスたちは、強硬策に踏み切った。暗殺の依頼はカリブ海の小島で行なわれた。請け負ったのは、超一流のスナイパー、ジェリー・シンカヴェジ。高度のゲリラ戦術を身につけた元グリーンベレー隊員で、射撃の名手である。だが、小島を監視していたCIA麻薬対策センターの部員を通じ、暗殺計画はシークレット・サービスの大統領警護課長マグワイアーに知らされた。マグワイアーは即座に暗殺者の調査に乗り出す。そんな折り、元デルタ・フォース中佐ジャック・ギャノンは、旧友の女性が何者かに殺されたことを告げられた。怒りに燃える彼は、現場に残された写真を手がかりに捜査を開始、やがてマグワイアーから情報を受け、2人が同一の人物を追っていたことに気づく。そしてシンカヴェジが南米のテロリスト訓練キャンプにいることを知ると、ギャノンはデルタ・フォースの部隊と共に、奇襲を敢行することを決意した。グリーンベレーとデルタ・フォースの元隊員ジャック・ギャノンが、『復讐戦』に続いて登場。大胆にして細心な暗殺のプロに、マグワイヤーと共に立ち向かう。冒険小説の期待の星が放つ最新傑作。
ニューヨーク市警麻薬課を率いるレイモンド・ダグラスは、大量のコカインの押収に成功した。ところが、麻薬問題からの責任のがれを狙う市警本部長のさしがねで、麻薬取締局に手柄を奪われた上、コロンビアへ出向させられてしまう。失意のダグラスが異国の地でめぐりあったのは、やはりニューヨークから来た新聞社の特派員、ジェーン・フォックスだった。夫を残し、念願の海外特派員として、期待と不安にみちて赴任してきたのだった。麻薬カルテルによる非情なテロが横行する街で、捜査に、取材に奔走する二人は、やがて激しく惹かれあっていく…。
巨艦の群れは、よろばうように入港して来た。3隻の空母を除き、排水量1万トン以上の艦で、無傷のものは1隻もない。爆炎になでられ艦上構造物は完膚なきまでに破壊されている。マーシャル沖海戦で壮絶な戦死を遂げたキンメルに代わって米太平洋艦隊司令長官に就任したチェスター・ニミッツは、この無惨な帰還を復仇の炎に燃える眼で眺めていた。「黄色いならず者め!」日本の勝利は条約違反して18インチ砲戦艦を投入した卑劣な行為によるものだ。太平洋に敵影なし-日本は大勝の熱狂に酔っていたが…。傑作第2弾。
第4次十字軍による大略奪を受けたビザンツ帝国の都・コンスタンティノープルがギリシア人の掌に戻ったのは1261年。だが、黒海交易の覇者ヴェネチアとジェノアの敵対に宮廷内の権力闘争を加え、外にはトルコ帝国の脅威に晒されて帝国千年の都は朽ちゆく巨大な老木の運命を辿っていた…。ギリシアの貴族アレクシオスは背後に尾行者の影を感じながらも、帝国復興の野望に燃えるゲオルギウスから皇帝の補佐と政略結婚の密談をもちかけられた。戦乱と黒い謀略が渦巻く荒廃の帝国に巣喰う魔手が。
特別麻薬捜査官・八坂剛は、暴力団の大金を奪った非情な殺人者・中山を新宿高層ビルに追いつめながら、相棒を殺され逃亡を許してしまった。中山は米国の麻薬王ルーファスと接触し、独自のルートを築く腹だ。殺人者を追って米国へ飛んだ八坂は、シカゴ市警のタフガイ刑事、ジムとマイケルとともに型破りで凄絶な捜査を展開した。美貌のダンサー・奈々が市警に助けを求めてきた。ルーファスの秘密を握るマイクロフィルムを入手したため、命を狙われているという。バイオレンスの気鋭が日米刑事の破天荒な追跡を描く。
好美は入社したばかりの新人OL。彼女には、小遣い欲しさにAVに出演し、あらゆる性技を調教された過去があった。清楚なはずの新入社員の貌の裏に見え隠れする淫靡な匂いを敏感に嗅ぎつけた男たちに、若い躯を開く好美。だが彼女の躯を貪る男たちも、知らず自らの被虐の血を目覚めさせられるのだ…。
思いきり脚を開き、男を迎え入れる女体。紅潮した美しい顔、震えおののく麗しい身体、羞じらいつつも、ほとばしる嗚咽…。深夜、寝室での性宴を覗いた少年は、女が“母”だとはとても信じられなかった。それでも少年の股間は熱化し硬直し、“女”となった母を求めて疼きはじめる。寝室が凌辱の舞台に変わる時、薄幸の母、芳乃にまた新たな悲劇が…。