2001年11月発売
美か?ゲテモノか?妖怪か?幻のお宝を追って、九州の山里から、萩、ヨーロッパへと、三組の男女のさすらい旅…。モノ恋いか、人恋いか、美の蛙と道行きの切なくておかしい初の骨董小説。
銀行員・今田大六はいつか一発あててやるぞと、闘志だけは満々だが、うだつのあがらぬ毎日。ある日、大六に一千万円紛失の疑いが。退職に追い込まれた彼を、以前から不思議な縁のあったカリスマ相場師・根岸が拾う。彼の驚くべき仕事振りを目にして、大六の人生は大きく変わっていくー。異色の風刺小説“新装版”。
小藩の若者たちが集う私塾・観月舎。下級武士の子・才次郎はそこで、道理すら曲げてしまう身分というものの不条理を知る。「たとえ汚れた道でも踏み出さなければー」苦難の末に権力を手中に収めたその時、才次郎の胸に去来した想いとは。生きることの切なさを清冽な筆で描ききる表題作など全四編を収録。
こいつが全ヨーロッパを破滅させるキーなのか。核起爆装置の電子パーツをスペイン人名工から託されたギタリスト古城邦秋は天を仰いだ。謎あり。たぎる恋あり。壮絶な陰謀あり。フルコースの饗宴のあとに茫然自失の大終局と驚天動地のカタストロフィが待っている。虚実とりまぜた、これぞミステリ。
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。それこそ現代では「神」に最も近く在る道なのか。世紀末の虚無の中、神の子は暴走する。目指すは、僕の王国!第119回芥川賞を受賞した戦慄の問題作。
両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。しかしある日、近所で起きた心中事件に彼らが関係しているという疑惑を抱いた法子は、一見理想的な家族を前に疑心の闇にはまっていく。やがて暴かれる、呪われた家族の真実とは。
水商売業界に朗報!前代未聞「お水の高校」設立。平成XX年3月2日東京都教育局は、水商売(風俗営業)に関する専門教育を行うと立高校を歌舞伎町に設立すると発表。正称「東京都立水商高等学校」。同校は、ホステス科、ソープ科、ホスト科など七学科で発足する。またこの発表を行った3月2日を東京都では「お水の日」に指定した。
大地は、恩師の島野先生から失恋したことを聞かされ、愛しさに震えた。同級生の淳子とは陸上部の部室で結ばれる。東京の大学に進学するゆかりとは教室の中で燃え、お母さんとはモーテルでひとつになる。一人旅の女子大生には初めて“男”を教えるー『週刊現代』好評連載中の官能ロマン。
乱歩の未発表作品が発見された!?『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶー南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。
57年間連れ添った妻を失っても生き抜こうとするサム。そんな彼を心配する子供たち。サムにしか見えなかった白い犬はやがて…。あなたも大切なひとといっしょに白い犬をさがしてみませんか?130万部ベストセラーの愛蔵版。
暗い森に迷い込んだ11歳のハリーと妹は、夜の闇の中で何物とも知れぬ影に追い回される。ようやくたどり着いた河岸で二人が目にしたのは、全裸で、体じゅうを切り裂かれ、イバラの蔓と有刺鉄線で木の幹にくくりつけられた、無残な黒人女性の死体だった。地域の治安を預かる二人の父親は、ただちに犯人捜査を開始する。だが、事件はこの一件だけではなかった。姿なき殺人鬼が、森を、そして小さな町を渉猟しているのか?森に潜むと言われる伝説の怪物が犯人だと確信したハリーは、密かに事件を調べる決心をする-鬼才が恐怖の原風景を描き、最高の評価を得た傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
リンジ・チェン公安委員長による裁判の結果、惑星ターミナスにファウンデーションが設置されるのが確実となった。百科辞典編纂者である全銀河から選抜された10万人の最優秀な人々は、着々と移住の準備をすすめている。これまでセルダン計画を推し進めてきた天才数学者ハリ・セルダンは、その役目をすべておえ、人生の終末期を迎えていた。だが、そんな彼のまえに、ひとりの無名人が現われた。彼は、宇宙気流の分布と混沌世界の分布との一致を発見したと言うのだ。無聊の日々を過ごしていたハリ・セルダンは、それを証明する旅に同行することになる。だが、はじめはほんのささやかな冒険のつもりだったこの旅は、やがてキャルヴィン派とジスカール派のロボット間の抗争、精神感応者のみで構成された惑星ガイア計画。セルダン計画を破壊しかねない混沌世界の誕生など、全銀河の命運をかけた驚くべき冒険の旅へと変貌していった…。
高給をはみながら、国民銀行にたかり食いをする悪しき習慣、御身大切で、わかっていながら必要な金融施策を打ち出せず、保身に汲々とする幹部たち…中央銀行としての信頼感をすっかり失ってしまった日銀。このままでは日銀は本当にダメになる。広報課長の鷲見洋一は、行内改革のため今こそ立ち上がるべきだ、と同志を募った。まず、行内浄化、これが第一目標だ。鷲見たちは行動を開始した…。