著者 : しずまよしのり
“禁書館”で下した悪魔“万里を掌握せし千眼の哨”の力で道の先を警戒し、北のノックス大聖堂へとたどり着いたゼロと教会騎士団一行。悪魔と天才魔女のおかげで行軍は順調に進み、隊長のジェマをはじめ、騎士団のゼロたちへの意識は変わりつつあった。ノックス大聖堂の主教様へのお目通りにジェマが向かう間、傭兵たちは混乱を招かぬよう街の外で待機することに。しかし、血相を変えて戻ってきたジェマが告げたのは、救うべき“代行様”に関する真実だった。つかの間の平穏を楽しむ傭兵に、魔女であることを思い悩んでいたゼロが告げたのはー。
遙か昔ー高度な文明を誇ったアトランティス大陸が海没したのち、遺民たちが多島海に散らばり、幾多の都市国家を形成していた時代。黒剣家の三男・フランは、亡命先のヤニア市で、母都市・コフによる二度の侵攻を防ぎ、父と長兄・トウメスの打倒に成功した。しかし、その直後、コフでは残された次兄のオウメスが権力を掌握し、フランのかつての親友・ウラミを側近に起用する。みたび戦争が起きることを予見するフランだが、二度の戦いを経て、ヤニアには和睦ムードが漂っていた。そして、迎撃の準備が整わぬなか、ヤニアは“惨劇の日”を迎えることとなった…。果たしてフランの叡智は、局面を打開できるのか?超巨弾ファンタジー、危急存亡の第二幕!
泥闇の魔女による悪魔召喚で、世界の半分が崩壊した。世界を救う決意をしたゼロ達は、教会騎士団とともに、北の地にあるという祭壇を目指す事に。しかし遠征部隊の隊長であるジェマは、“黒の死獣”に父を殺された過去を持っていた。しかもジェマの従卒は、傭兵の過去をよく知る男でー?“黒の死獣”の正体が傭兵であることを隠し、荒廃した世界を進軍するうち、教会騎士団は統率を失い始める。副隊長である老兵、レイラントに強く糾弾され、部隊との決別を余儀なくされるジェマ。兵の信頼を取り戻すため、ゼロ達はジェマとともに、悪魔が待ち受ける“禁書館”を目指すことになるがー。
ミャンマー奥地のキャンプ・ハキムで、三〇〇〇人の少年兵たちとともに中国人民解放軍との戦いを続ける元ニート・アラタ。ある日、彼のもとに奇妙な依頼が舞い込んだ。依頼主である人民解放軍の女将軍・新的が持ちかけてきたのは、アラタが密林を出て国際的な孤立を続ける北朝鮮に渡り、かの国の体制支援を行うことだった。新的はテストと称して密林を切り開く工事を開始し、アラタ離脱の危機に、オマルたち部下は激しく動揺する…。果たして、部隊はこのまま崩壊してしまうのか?舞台は密林から極東へー。新田家の血が、アラタを次なる戦場へと誘う。芝村裕吏×しずまよしのりが贈る大ヒットシリーズ、ここに再始動!
遙か昔ーー、高度な文明を誇ったアトランティス大陸が海没したのち、遺民たちが多島海に散らばり、数多の都市国家を形成していた時代。 都市国家・コフの貴族“黒剣(くろがね)家”に生まれたフランは、奴隷であった母を父に殺され、陰湿な次兄・オウメスからは虐待を受けながら、難民のみを友として不遇に育った。 しかし、勇猛な長兄・トウメスから命じられ、婚姻の使者として赴いた隣市・ヤニアで“小百合(さゆり)家”の二人の姫と出会ったことが、フランの境遇に大きな転機をもたらす。 姉で人馬のイルケと、美しさを謳われる妹のオルドネー。フランが彼女たちとともに歩むことを決めたとき、多島海の歴史は新たな道を辿り始める……。 いま、幾星霜を経て、失われた年代記が再び語られるーー。 『マージナル・オペレーション』『遙か凍土のカナン』のタッグが贈る、超巨弾ファンタジー、ここに開幕!
「これより、世界を破壊する」そうしてー。世界は一夜にして変化した。その夜、眩いばかりの満月を背に悠然と空を漂う魔女を多くの者が見たと言う。そして、その言葉をきっかけに、ありとあらゆる獣堕ちたちはー。魔法国家へと変貌を遂げたウェニアス王国で主席魔法使いとなったアルバスと再会を果たしたゼロたち。きな臭い空気が漂う中、彼らの前に現れたのは、教会と魔女を五百年ぶりの聖魔戦争へと焚きつけるようとする組織“不完全なる数字”の長、“あの方”だった。その正体が明らかになるとき、世界は破滅と再生へと舵を切る。そして、ゼロが流す涙の理由とは…!?
時に、一九一四年。最愛の妻・オレーナを失い、東シベリアの地でひたすら政務に邁進する新田良造に、世界大戦の激動が迫りつつあったー。物価は乱高下し、大規模な武器需要が東シベリアを急速に成長させるいっぽうで、ロシア帝国は揺らぎはじめる。そして、大樹のまさに倒れんとする時、歴戦の将軍たちが凍土に集い、遂に“新たなる国”が産声をあげる。だが、その前途には、元首のかつての祖国が、敵として待ち構えていた…。芝村裕吏×しずまよしのりが贈る『マージナル・オペレーション』前史にして、ユーラシアを股にかけた恋と冒険の旅路ーここに堂々完結!
ゼロと獣の傭兵の旅の物語は、始まりの地“ウェニアス王国”へー。“魔女”と“教会”を戦争へと導こうとする謎の組織“不完全なる数字”を追うゼロたち。一行は、ゼロの故郷である“弓月の森”を訪れるのだがー“十三番”の名前を口にした瞬間、闇に放り出されてしまう…。十三番の操る“強制召喚”によりゼロたちが導かれた場所、それは魔法国家へと変貌を遂げたウェニアス王国だった!国家主席魔法使いとなった詠月の魔女・アルバスとの邂逅を果たす一行だったが、国とアルバスを取り巻く環境はどこか不穏な空気に包まれていて…。
赤い日本による襲撃をかわしつつ、イランーかつてのペルシャを目指すアラタたち。国境を越え、アフガニスタンに入った一行が見たのは、無人機が遊弋する荒廃した戦場だったー。補給もままならぬ過酷な旅路に、子供たちは次々と病に倒れ、どこに行ってもシベリアによる監視の目が光る。果たして、砂漠の果てに安息の地はあるのか。そして、シベリアはなぜアラタに固執するのか…。芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る大ヒットシリーズ、“新田の血”が時空を繋ぐ番外編、ここに完結ー!
時に、一九〇七年冬。 身重の妻を救うため、中央アジアを再訪した新田良造を待ち受けていたのは、“赤毛の族長(ジニ・イスカンダル)”の銃口と、自らを愛した“天使(ジブリール)”の見る影もなくやつれ果てた姿だったーー。 大立ち回りの末にジブリールを強奪し、帰途についた良造だったが、チタで異常気象による大雪に見舞われ、シベリア鉄道が封鎖されてしまう。 それでも帰路を急ぐ良造は、自作の橇で一路プーチンスクを目指す。 懐かしい家で帰りを待つのは彼女ではなく、彼の心を凍てつかせる哀しき報せだとも知らずに……。 芝村裕吏×しずまよしのりが贈る『マージナル・オペレーション』前史、ついに佳境突入ーー!
“ゼロの書”の拡散を目論む謎の組織“不完全なる数字”の調査のため、海運国家テルゼムを訪れたゼロたち。しかし、そこにはゼロの名を騙り、村々を襲う銀髪の魔女の噂が駆け巡っていたー。ネズミの獣堕ちである少女リーリと出会い、その身をかくまわれつつ偽ゼロの影を追うゼロたち。そんな彼らの前に、“ゼロの討伐”を命じられた教会の裁定官が現れる。“背徳”の罪状を持つ裁定官。彼女は、美しき女性を墓に生き埋めにすることが趣味の“墓堀り人”なる異名を持つ人物で…。くすぶり続ける魔女と教会の不穏な争いが静かに加速する、話題の魔法書ファンタジー第5弾が登場!
村はアラタの指揮した戦闘で燃え、ジブリールたちは故郷を失った。子供たちを引き連れたアラタは、サマルカンドを経由し、イランーかつてのペルシャを目指す。途次、シベリア共和国によると思われる不可解な襲撃を受け、目減りする資金を睨みながらも、一行を乗せた中古のバスは砂漠をひた走る。日本篇までの空白の一年に何があったのか。いま、ジブリールの視点から、全てが明かされる。芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る大ヒットシリーズ、再び砂漠の地へー!
世界を破滅へ導く“ゼロの書の写本”を作り出し、世界へとばら撤いた謎の組織“不完全なる数字”。稀代の天才魔女ゼロと獣の傭兵は、その組織の情報を得るためゼロの故郷である“弓月の森”へと向かうのだが…その途中、2人が乗る貨物船は大海原の嵐にのまれてしまう。-命からがら辿り着いた地。そこは、神聖な竜が住まうと伝えられる“黒竜島”という名の火山島だった。“ゼロの書の写本”の回収を急ぐ中、思わぬ足止めをくらう2人だが、その島にはなぜか“魔法”が普及した国家が存在していて…。話題の傑作ファンタジー、第4弾!
老いた大国・ロシアの辺境ー凍土の地を舞台に、国作りが始まった。良造はサンクトペテルブルクに向かい、そこで集められた大量の人と物は、シベリア鉄道を通じて東方へと送り込まれる。五人と一匹から始まった国が、急激に成長していく一方、身重の妻・レナの身に異変が起きていた。見る影もなくやつれ果てた彼女の気鬱の理由は、中央アジアで夫に吐いた“嘘”にあった…。妻を救うため、良造は“危険な相棒”と共に、再び中央アジアへと旅立つー!芝村裕吏・しずまよしのりのタッグが贈る、大陸冒険浪漫譚ー絶好調の第五弾!
銃火が止み、子供たちは惑う──。 銃を置き、日本の高校に進学したサキ。様々なギャップとアラタへの複雑な感情に悩む彼女に訪れた、三者面談の日を綴った「私のトリさん」。 元娼婦であり、アラタの語学の教師であり、現在は難しい立場でアラタに接するホリー。そんな彼女は、アラタの心を縛ることができるのか? 知られざる女の戦いが描かれた「新しい首輪」。 停戦後、変わりゆく生活に適応できず、懊悩するイブン。ただ純粋に父を規範とする少年に、自らの狭い世界を打ち破る日は訪れるのか?(「若きイヌワシの悩み」) そして、2014年秋の徳島マチ★アソビで行われたアナログゲーム「マージナル・オペレーション[R]」とつながる、もう一つの日本篇「子供使いの失踪」。 全てが本篇以降の時間軸に位置する、書き下ろし4篇を収録。待望の短編集第2弾!
ゼロが生み出した“魔法”の恐怖は、世界へと拡散する…。恐ろしい力を秘めた魔法の教本“ゼロの書”。その複写本が各地に流出したという噂を知ったゼロたちは、“神の奇跡”を操り民の病を次々に癒やすという、聖女フェーリアと出会う。“奇跡”の舞台である聖都アクディオスに潜入した彼らは、ついに聖都が隠し続けた闇の一面を目撃したのだった。真実を知ってしまったゼロと獣の傭兵。彼らは、聖女の暗殺未遂という事実無根の罪を着せられ、命からがら逃げ出すのだがー。“聖女”か“魔女”か。聖都の秘密が暴かれる、傑作ファンタジー第3弾!
新田良造元騎兵大尉とコサックの姫君・レナ、そしてユダヤ騎兵グレンは、足かけ一年にわたるユーラシア横断の旅路の末、遂にロシアの地に到達した。しかし、旅はまだ終わりではない。失脚将軍アレクセイ・クロパトキンの指南を受け、レナの“飼い主”ナボコフ氏に「挨拶」を済ませた良造たちは、シベリア鉄道に乗り、東へと向かう。長き鉄路の先に、楽土を築くために…。舞台はいよいよ、凍土の地へ。芝村裕吏・しずまよしのりのタッグが贈る大陸冒険浪漫譚ー建国篇、ここに開幕!
“ゼロの書”がもたらす魔法の恐怖は、まだ終わっていなかった…。人々が“魔法”の存在を知らない時代。世界を滅ぼしかねない魔法の指南書“ゼロの書”を生み出してしまった魔女ゼロ。その危険な魔法書に、複写本が存在する可能性を知った彼女は、獣の傭兵とともに魔法拡散を防ぐ旅へと出発する。大陸の噂と富が集まる海路の重要拠点・クレイオン共和国を訪れたゼロと傭兵。彼らは“神の奇跡”で民を病から救うという、美しき聖女の噂を耳にするのだった。きな臭い“神の奇跡”にゼロの魔法が関わっていると踏んだ2人は、市民に崇められる聖女を追い、広大な湖に浮かぶ聖都アクディオスを目指すのだがー。第20回電撃小説大賞・大賞受賞作、第2弾!
グレンとジニを加えた良造たち一行は、古代の交通路を踏破し、一路ウクライナを目指していた。その途上で発見された水源近くの嶺には、人生の大半を石室の中で暮らす、一人の女の姿があった。女は良造に名乗る。“天使”とー。出会いと別れ、そして度重なる諍いの果て、良造とオレーナの関係性にも変化の季節が訪れ、物語は新たなうねりを生み出していく…。芝村裕吏×しずまよしのりのタッグが贈る『マージナル・オペレーション』前史、第三弾にして、“帰国篇”堂々のフィナーレ!
ソフィアのために、タイに渡った梶田。彼は、ソフィアのために何か為すことはできたのか…。うまくいかない人生の一コマを切り取ったハードボイルド「マフィアの日」。“最初の二四人”の一人であるハサン。父・アラタとの出会いや、彼の目から見た父の姿が語られる独白録「父について」。ライトノベル作家と編集者が、総武線の車内で見かけた赤毛の少女。彼女に話しかけたことから、事態は思わぬ展開に…。『マージナル・オペレーション』誕生秘話「赤毛の君」。アメリカ人記者、イーヴァ・クロダ。“子供使い”新田良太にはじめて接触した西側ジャーナリストによる、貴重な取材記録「ミャンマー取材私記」。そして、安定したミャンマー戦線を離れ、バングラデシュに向かったアラタとジブリールの束の間の休息を描いた「チッタゴンにて」。あの大ヒットシリーズの未収録エピソードや、その後の物語を収めた待望の短編集が登場!