著者 : ゆうきみすず
「あの方は、わたくしの運命の人。ぜったいに結婚してみせますわ!」野球場で見知らぬ人に、飛んできたボールから身を守ってもらったメグ。頭を打ったわけでもないのに、いきなりその人との結婚を宣言するなんて。メグには、タケル君っていうボーイフレンドが、いるじゃない。でも、私、ミキがなにを言おうと、よしのが脅しをかけようと、メグの決心は変わらない。ゆーさん、どうしよう。
国体に向けて、神奈川選抜チームの合宿が始まった。参加するメンバーは、県下の高校から集められた有力選手ばかり。もちろん、昴もその中の一人だ。久し振りのコートで、はりきる昴。だが監督の寺田は、なぜか彼に冷たい。そしてたった一度のテストだけで、昴をレギュラーからはずしてしまったのだ。呆然と立ちつくす昴をよそに、選手たちの練習は始まっていた…。
「みんな…俺のせいなんだ。」インターハイ予選敗退、チームリーダー・島津の緊急入院-。たて続けに青葉が丘バレー部を襲った衝撃に、昴の心は乱れる。すべての責任は自分に、と考えた彼は、バレーをやめようと決意。だが、バレーへの情熱を、簡単に消せるはずもない。やり場のない気持ちを抱え、昴の心はすさんでいく…。そんな彼を救おうと、バレー部顧問・醍醐は、ある計略をたてるが…。
「な〜んですって!このあたくしが、ブ、ブサイクとおっしゃいますの!」プライドを傷つけられて、プンプンのメグだけど、いまは怒ってる場合じゃないでしょ。私たち、コワーイ魔王のもとに、連れてかれようとしてるんだよっ。竜巻に運ばれて、見知らぬ世界に放り出された、ゆーさんと3人組。竜がしゃべって、メグの美貌が通用しない、ヘンテコリンな世界から、どーすれば帰れるの。
緑まぶしい季節。春高で活躍した昴たち青葉が丘バレー部には、たくさんの新入部員がやってきた。しかし、腕前はレギュラー級だが超生意気な1年・香月敏のおかげで、チームはガタガタ。退部続出の事態に昴もボーゼン。しかも、リーダー・島津が、選手生命の危機に。腰を痛めた彼を、母親がヒステリックにやめさせようとする。強豪・港南戦で、ついにダウン。セッター抜きでどう戦う。昴は不安そうに、ベンチの香月を見つめた-。
「鹿野さんに馬淵さん、あなたがたの評判が最近芳しくありませんよ。気をつけなさい!」聖マリアの美しい廊下に、誰もが恐怖する院長先生の声が響きわたった。あの猫かぶり上手のよしのとメグが叱られるなんて。これも、大ラーメン会社の生意気娘・熊谷利恵のせい。でもミキには、ミナトで助けてくれた“須磨のエリー”の姿が彼女とダブってしまう。ところがこんなときに利恵が誘拐されたから、たいへん!疑いの目が、あたしたちに。
よしのといえば身体は小さいけれど、鹿野家直伝の武術を身につけた頼もしいリーダー。ところが今回よしのったら、師匠役のおじいさまを裏切ってしまったの。鹿野家の家宝を隠しているという仇敵・石川家のギヤマン蔵にたてこもり、誰も寄せつけない。蔵では、噂どおり、武者の幽霊が出たァ!妖しく光る赤いガラス窓を見上げて、あたし、ミキは誓った。“武者の呪い”の謎を解いて、よしのを呪縛から救い出してみせるって。
天高く昇ったスバルがその輝きを増す季節。青葉が丘の昴たちは、新たな目標・憧れの春高バレーをめざして練習を続けていた。ところがそんなバレー部を、クラス委員・高岡真樹子は冷ややかに見ていた。授業中は寝てばかりの昴。掃除をサボるお調子者の中山。まじめな彼女には許せない連中なのだ。春高のかかった大事な試合の前日、中山はケガをする。知っているのは真樹子だけ。絶不調でも必死で闘う中山たちに、真樹子は。
香港-おもちゃ箱をひっくり返したようなこの街に、聖マリアのミキたちはやってきた。「おいしい中華でお腹いっぱい」を夢みるメグやよしのとは違って、ここはミキには特別な街。そう、大好きなゆーさんの故郷なんだ。“必殺仕事人”になった秘密もわかるはず。彼の案内で、うきうきと香港めぐりをはじめたら、さっそく美女が現われて彼に言うの。「私はあなたの姉。両親の仇を討ってちょうだい」ですって。ゆーさん、人殺しはやめて。
昂たちの青葉が丘バレー部は、みごと予選を突破してインターハイに出場した。初めての大舞台で注目を集め、仲間は大はりきり!だが昂には、会場で出会った醍醐監督の弟・峻の言葉が引っかかっていた。「兄はバレーを憎んでいる」。ピンチにも作戦ひとつ出さない醍醐を、昂も疑いはじめる。おまけに、幼なじみのみどりは選手生命もあぶないケガをするし、再婚した母には子供ができたらしい…。全国の厚い壁を前に、昂はもう、爆発寸前。
「ゆーさんのラーメン、残したりするんじゃなかった…」。ここは船底、オリの中。白黒まだらの腕でつかんだ笹の葉を、後悔の涙がぬらしてる。あわれ、ミキは空腹のパンダの姿に。南の島のマーナ王から、聖マリアに招待状が来た。香港への船旅を楽しめるのは、院長先生が選んだ10人だけ。めだたないミキは、ぬいぐるみを着て忍びこむしかなかったのです。ところが、重大な秘密を“パンダ”は聞いた。船長たちはニセモノ、凶悪な乗っ取り犯なの!
俺、水瀬昴。最高の仲間がそろって、やっと青葉が丘高校バレー部もスタートした。初出場のインターハイ予選。さっそくすごい敵のお出ましだ。長谷川京太郎。見上げるような巨体と番長もやってる迫力で打つアタックの地響きに、さすがの俺も、まっ青だぜ!だがそれより気にかかるのは、チームの山下が、昔の不良仲間から「過去をバラす」と脅されてること。俺たちは、ギリギリの6人。一人でも欠けたら、おしまいなんだ-。
ミナトのラーメン屋、ゆーさんのもう一つの顔は、闇の仕置人。無敵のカンフーで、悪い奴らを一網打尽にしてしまうカッコよさは、あたし、ミキも、よーく知ってる。ところが、神戸にいるゆーさんのお師匠さんの命があぶなくなった。助けに行こうとするゆーさんは、“敵”に視力を奪われてしまう。このままじゃ闘えない。あたしも神戸へ。だけど、お師匠さんを救う薬は見つからないし、どの駅にも“敵”がいる!どうしよう。
オーバーパスが好きだ。いちばんボールと仲よしになれるから-インターハイ優勝を夢みて、昴は青葉が丘に入学した。ところがそこには、肝心のバレー部がないのだ。仲間と出逢うために、昴はふたたび駆けだす-。
真っ青な空と白く広がる砂浜。真珠を育てる入江に海ぞいのホテル。大好きなゆーさんも来てくれた-ミキにとっとは、大満足の夏休みだろう。冗談じゃない!おんボロホテルじゃ、真珠づくりに夢中のよしのの分まで働かされるし、浮気なんて絶対しないタイプのゆーさんまでが、どういうわけか、年増の潮乃さんと2人きりになりたがる。この暑さで、みんなどうかしちゃったの?ゆーさん、私、もう信じられないからね。
信じられない!帰ってきて、ゆーさん!ミナトに突如あらわれた『人形の城』。あらゆる国の衣装をまとった人形たちが、私たちを迎えてかれる。かわいい、だけど、こわい。生きてるみたいだもの-。太鼓をたたく南の国の少女。そのヘンな人形を見つめながら、私、ミキは悪い予感にとらわれていた。大好きなゆーさんの突然のサヨナラも、しっかり者のよしのの家出事件も-みんなこの不思議な人形が知ってるんじゃないかって。
今日はバレンタイン・デー。しかも楽しいスキー合宿。とっておきのチョコで、彼と想い出づくり-のはずだったのに、聖マリアのキミたち3人組は、荒れ狂う猛吹雪の中、決死の行動を続けていた。呪われた山小屋から脱出して。雪女にさらわれたかのように、人が消えてしまったのだ。だけどこのままじゃ、イイ男も、雪の女王コンテストも、彼との素敵なひとときも、みーんな吹き飛びされたまんま!私たちの2・14をとりもどさなきゃ!
おいしい恋にはスプーン1杯の勇気を。目にしみる紅葉の下で、ご存じ聖マリアのミキたち3人組はつらい決断を迫られていた。「メグを金剛寺学園に潜入させるしかない。」ムチャよ、それは。いくら美しく男装したって、メグの中身はノーテンキお嬢さま。ド硬派の怖い男子校なのよ。危険すぎるわ。とはいつても、早くここの校長腹黒一派の正体をあばかなきゃ、私たちが聖マリアを退学させられるし、大好きなゆーさんのラーメン屋までツブされる。やるっきゃないの!?