著者 : 戸部淑
転移魔法により妖精たちが隠れ住む島へやって来てしまったカエデたち。そこに住む「白い妖精」シロネリは、妖精をさらう目的で島に侵入した男を捕らえたが、妖精の一人が姿を消したことで、カエデとカルデノは侵入者の仲間だと疑われる。そんな中カスミまでもがいなくなってしまうが、島の妖精たちと共に捜索を開始し、侵入者と戦ってカスミたちを助け出すことに成功する。戦いにより、仲間を失うなど小さくない被害を受けた妖精の島だったが、なんとか島の平和を取り戻すことができた。疑いの晴れたカエデたちは侵入者が使った舟に乗り、妖精たちに見送られて島を後にした。
衛兵隊の新人の育成や収穫祭が過ぎてシュリィイーレの町にも冬が来た。そして、それから5回目の冬が終わろうとしていた。ようやくタクトもあと半年で成人になる。 アラサーから異世界転移してなぜか19歳になったのはいいけど、成人して認められるまでが長すぎだよ……。それにこの世界には、まだまだ知らないことが盛り沢山あってーー? タクトはようやく立派な文字魔法師【カリグラファー】になれそうだが、医療用器具の開発やサツマイモの料理や、知らないおっさんの腕輪を直したり音楽を奏でる魔道具を作ったりと……色々なことが起こって……というかタクトが様々なことを引き起こしてーー。 あいかわらず美味しいものを作ったり魔道具を創ったりで、忙しくも楽しい生活を送るシュリィイーレ街角物語、第二幕開幕!
目的は、盗まれた異世界間転移魔法の設計書を取り戻すことと、後藤の仮の体として使うために等身大の人形を手に入れること。急いでメナエベットへと飛んだカエデたちだが、人形の街と呼ばれるベイスクイットで目当ての人形を見つけるも盗まれてしまい、人形を追ってトタリティへと移動する。トタリティは、盗まれた設計書が持ち去られた場所としてリタチスタが目星をつけていた街であった。しかしリタチスタは設計書が隠匿解除のために別の街へも回されていることを知って危機感を覚え、別行動をしているバロウたちにもそれを知らせるようにカエデに頼んだのだがーー。
ある日、何の説明も手助けもなく異世界に放り出された俺、鈴谷拓斗。 こうなったらとにかく自分にできることを頑張って見つけ出し、この世界で生き抜くしかない! そうして気がついた、カリグラフィーを使った【文字魔法】と、以前の世界で集めた数々の『コレクション』を駆使して、平穏無事(?)な生活を続けていくぞ! たまに……やり過ぎちゃってる気がするけど……誤解とか勘違いとかされてる気がするけど……多分、そんなにおかしいことはしてない! はず。 美味しいものを楽しみつつ、日常生活を満喫だ! 普通に暮らしてるつもりだけど、全然普通じゃない異世界街角生活物語、第1弾開幕!!
ドラゴンが突如出現して騒然とする王都。討伐のため、ドラゴンハンターの一員としてカエデに与えられた仕事は倉庫でのハイポーションの生成だった。しかし、カエデは安全な王都ではなく、カルデノと共に魔物が徘徊する王都の外の補給所へ向かうことになった。防御は万全と思えた補給所であったが、巨大なトカゲが侵入して、立ち向かったカルデノは片腕をトカゲに噛みちぎられてしまう。カエデは、彼女を助けるために『妖精の水』と『天龍草』を手に入れ、マキシマムポーションを作って失った腕を再生させることに成功する。それを見たアスルは同じように手足を失う大怪我をしたアイスのために立ち上がるのだが…。
カエデは元の世界に戻るために必要な黒鉱に似た性質を持つ代替品が見つからずに行き詰まっていた。そんな中、リタチスタが「心当たりのある魔族の角で合成石を作れば望みがあるのではないか」と提案する。魔族領に行くことにバロウは反対するがなんとか説得し、皆で魔族領に向かう。魔族の少女が住む屋敷に足を踏み入れると、そこで手に入れた魔族の角がリタチスタの物であり、リタチスタが実は魔族であったこと、そして屋敷の少女は妹をかたどったゴーレムであることなど、衝撃の真実が明らかになる。なぜ魔族領を出たのか、なぜアルベルムの弟子になることを決めたのか、過去を明かすのだがー。
皇都エルサムで始まった戦争の中、カズキは人質解放の条件として一人でディナストに追いかけ回されていた。宮殿内を走り回って逃げていると、異世界にやってきていたある人物と出会う。その出会いがきっかけとなり、大きな決意をするカズキ。そして、城で待つディナストの元にルーナがようやくたどり着き、長かった戦争はついに決着する。戦乱の時代を駆け抜けた少女カズキと騎士ルーナの運命は?ハンカチ必須の感動のクライマックス!
自分を異世界に呼び寄せたバロウを見つけることができたカエデ。無事に元の世界に帰れるようにバロウと約束を取り付ける。転移の魔法には大量の晶石が必要というバロウの言葉に従い、カエデ達が旅先で買い付けて帰ってくると、今度は紙が欲しいと言われてまたも旅に出ることになった。バロウが自分を遠ざけようとしているのではないかと疑いつつも、魔法の完成のために従うしかないカエデ達は、リアルールという大きな街へと向かう。そこで偶然にもリタチスタと再会し、一緒にバロウのもとへ戻るのだが、二人にはなにやら因縁があるようでー。
巡礼の滝から落とされたカズキとルーナは洞窟で目を覚ます。どうにか一命をとりとめた二人は、迎えに来た住人に案内されてとある場所に辿り着いた。そこは、驚くほどのどかで、大人も子供もいる小さな村だった。どうやら巡礼の滝から落とされて生き延びた人たちが集まって、村を築いたらしい。ルーナと兄妹という設定にしてしばらくそこで暮らすことになったカズキは、一緒に料理をしたり、同じベッドで眠ったりと穏やかで幸せな時間を過ごす。一生この平穏な時間を過ごしたいと願いつつ、再会を約束したアリス達の元へ戻らなければいけないと、二人は帰る手段を探すのだが、住人たちは、村からは決して出られないと言いー。
ルーナの記憶は戻らず、ユアンも子供に返ったままだったが、カズキ達はガリザザ行きの船上でそれなりに平穏に過ごしていた。しかし突然の嵐によって船は難破。次に目を覚ましたときには、何故かガリザザの兵士とともに囚われていた。皇子ディナストは、罠に人間を嵌めて上から見学する遊戯にハマっているとのこと。とんでもなく悪趣味な事態に巻き込まれたものの、アリスとルーナの持ち前の運動神経により、一同は何とか試練をクリアしていく。しかし、同じ闘技場に囚われた仲間だと思っていた男たちに、突如として剣を突きつけられてしまいー。
反乱軍を迎え討つため、かつての敵のウルタ砦で過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。
ゼフェカの企みにより、十年の蟠りが噴出したグラース国とブルドゥス国。軍士の大規模な離反が現実となってしまった中、カズキは偽黒スヤマの侍女としてお茶会に付き添っていた。ゼフェカがそばを離れたこの好機に、少しでもスヤマから情報を得ようと、イヴァルとヒューハと共におしゃべりに花を咲かせてスヤマの動揺を誘う。そんな中、会場内に一人の男が現れ、カズキに同行を願い出る。知らない男に警戒するカズキだが、男の正体を知って一気に警戒を解く。男は問う。「異世界人の目から見て、この国はどう見える」と。カズキは、その質問にこう答えたー。
十年ぶりに降り立った異世界で無事にルーナと再会できたカズキ。だが、黒曜という肩書の為に命を狙われてしまう。身の安全を守る為、アリスローク・アードルゲの家にかくまわれ、彼の女家族達と楽しい時間を過ごすことに。だが、娼館を襲ったものと同じ集団がアードルゲを襲う。戦争によって大切な人を失い続けてきたアードルゲ家にある、故人を偲ぶ唯一の絵を燃やさせるわけにはいかないと、カズキは自ら囮となって屋敷を飛び出した。捕らわれた先で地下室に閉じ込められたカズキは、謎の青年セフェカに出会う。彼はカズキの「いつまでここにいればいいのか?」という質問に「時代が終わるまで」と答えるのだったー。
パロウの正体を探るため、旅に出ることにしたカエデ達は、途中、カルデノの故郷に立ち寄ることになった。そこでカエデは、かつてカルデノが奴隷として売られた理由を知る。亡くなってしまった育ての親との思い出や、自分を売った相手と向き合ったカルデノは過去と決別し、本来の目的であったバロウ探しに戻ることになる。そこで、カルデノの知り合いだというガジルの案内もあり、ついにバロウが住むという家にたどり着くのだがー。
戦時中のグラース国に転移した須山一樹は、年下の少年、ルーナ・ホーネルトと恋に落ちた。しかし、長かった戦争が終わった夜、気がつくと日本に帰っていた。それから十か月後、何の因果か、カズキは再び異世界にいた。だがそこは、敵対関係にあったブルドゥス国の王都。しかも、自分が消えた夜から十年が経過していた。行き場のないカズキは、偶然出会った少女リリィが経営する娼館で下働きとして過ごすことになる。二度目の異世界生活に慣れてきたある日、カズキはこの十年で名が知れ渡った「黒曜」という存在を知る。それは、終戦の夜に消えた異世界人の自分が、終戦の女神だと担ぎ上げられたものだったー。
ダンジョンで謎の地震が続くため、地震学専門家が調査に入ることになった。異世界ダンジョンに繋がるジョナサン地下1階店は、彼らのために宅配サービスを始めることに。危険なダンジョンだが、渉は地震の原因を追究してくれる調査隊のために各種メニューを届ける。揺れは日々増し、このままではダンジョンの閉鎖もあるのではと囁かれはじめ…そうなったらジョナサンの営業にも響くのでは!?渉はそんな不安を抱くも、調査隊のためにせっせと働いていると、巨大な魔法を放出する紅白の魔女レイスに出くわす。彼女も見たことのないタイプのゾンビ達と戦っていると、異変を訴える。相次ぐダンジョンの奇怪、いったいどうなる!?そしてどうする!!?
反乱軍を迎え討つため、かつての敵の砦ウルタで過ごすカズキ。双子の弟であるユアンからは相変わらず嫌われていたが、兄のユリンから、ユアンの女嫌いの理由と二人の過去を聞く。自分達を売った母親を自分はもう捨てたが、ユアンはずっと母親から受けた傷を抱え続けている。そんなユアンの傷を癒してほしいと願うユリンに、カズキは自分にできることは必ずすると約束する。一方、ウルタ砦に姿を現した反乱軍が用意していた兵器に、皆は見慣れぬせいか怪訝な表情をするばかり。だが、カズキは悲鳴を上げてしまう。それは爆弾、そして大砲だったのだ。
ジョナサン異世界ダンジョン地下1階店。ここは日本と異世界をつなぐ地下迷宮、冒険者や異世界の住人たちの憩いのファミリーレストラン。今日も主人公の渉くんは、ひとクセもふたクセもある文字通りモンスター客たちの注文とりに、おおわらわ。そんなある日、白い制服に身を包んだ魔法使いの少女・レイスがこのジョナサンを訪れる。すっかり彼女に気に入られた渉くんだったが、彼にはある“呪い”がかけられており、その鍵を探してこのジョナサンでアルバイトをしていたのだ。レイスは喜んで呪いを解く鍵を探してくれると言うが、レイスにやられたリザードマンがお店に乱入して…。異世界ファミレス1号店は、今日もモンスターたちで大繁盛!!
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は“妖精さん”のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の“調停官”であるわたしのお仕事。そう、妖精さんは実在もするし確認されている生き物。では、未確認生物とはいったい…?トロール、未来人、ゾンビ、マンドラゴラ…飽くなき探究心こそ、人類の進化のエネルギー。目撃者、わたしが見たその正体とは!ちょっと怖くて、ちょっと世知辛い!?すべて書き下ろし、珠玉の“スペシャル”な短編集。