著者 : 柴乃櫂人
帆を張れ、碇を上げよ、針路は未知の最果て 万能の源・エルにより圧倒的な文明と栄華を誇っていた世界があった。 しかし突如にしてエルが消失し、同時に陸地のほとんどが水没。かつての技術も失われ、全ての権力は唯一の陸地リエスを治める聖王家が握った。 リエスから追われた人々は寄り集まり、『船団国家』を形成し、海で生活を送るようになる。親王派のアレム、中立派のファシェン、急進派のザレグの3国家が海上権を巡り航行していた。 そんな中、リエスで突如政変が。聖王の弟が反旗を翻し、王位を簒奪。策略によって故郷を追われた聖王家の末姫・サリューは、父王から謎の海図を託され命からがら逃げのびる。 その先で彼女が出会ったのは、海に生き自由と未知を求める船乗り・カーシュ。『不沈』の異名を持つ彼に、サリューはある取引を持ちかける。 「わたしを、この海図が示す場所に連れていって」 航海へ出た二人は様々な思惑を乗り越え、人々がまだ見ぬ『新天地』への手がかりを掴むことになる。 『騙王』の秋目人がガガガ文庫に参戦!イラストは『ベン・トー』や『神殺しの英雄と七つの誓約』の柴乃櫂人! 海を漂い、最果てに想いを馳せる海洋戦記ファンタジー、出航!
『神殺しの英雄』山田蓮司は、深い因縁を持つ魔王・シェルファを激昂させ、生まれたての神・ソルネアと、蓮司の相棒であり神を殺す武器でもあるエルメンヒルデを奪われてしまう。彼女達を取り戻すため、蓮司は十二人の英雄達、そして旅の仲間達に、長く隠していたエルの死を告白し、助けを求めるが…。一方、蓮司を待つシェルファは、ソルネアとエルメンヒルデを吸収した新たなる『神殺し』の巨大なドラゴンを造り、蓮司との再戦を渇望していた。かつてない難敵を前に、はたして蓮司は二人を救うことができるのかー?「俺は、エルメンヒルデと一緒に生きる」「英雄ではない」と言い張り続ける男の紡ぐ英雄譚、堂々の最終章!書き下ろし番外編「十三人と仲間達の平穏」を収録。
「なんだかミーのところ最近仕事を取られることが増えてきちゃって〜」 【踊る宝石】ことテリー・スタンザがそうぼやいた。 「天下のスタンザ商会を凌いでるってのはどこのどいつなんだよ」 「とらいあんふ? とかいう聞いたことない連中だよ、新興地上げ屋みたい」--【完全な勝利者】。 それは数年前に突如現れ、旗揚げ時より連戦無敗という超有名傭兵団だ。なぜ彼らが地上げ屋家業を!? 新興チームにお株を奪われた形のデボネア達だったが、お伽噺と思われていた“原初の鎮守精霊”の話を聞き及び、俄然攻略すべく立ち上がるのだが、果たしてーー。最強地上げ屋チーム、得物ゲットなるか!?
最新のVR技術が暴走し、使用者の脳内世界がダンジョンに! そのダンジョン攻略を行う『冒険者ギルド』に、高給&様々な特典が目当てで、軽い気持ちで入隊した赤峰光。しかし、入隊後すぐに突入したダンジョンでは右も左も分からず、武器の具現化にも苦労して遅れを取るハメに。 パーティーを組むのは、長剣と氷を操る蒼倉、精霊を杖で使役する桜白、スナイパーライフルを使いこなす緑の三人。リーダーに指名され、何か深刻な事情を抱えているメンバーたちと攻略に挑む赤峰は、仲間と協力してダンジョンの秘密を解き明かす!
「欠けた神をー魔神を、導きなさい」女神アストラエラより告げられた願いを叶えるため。そして…再び世界を救うため。かつて魔神殺しを遂げた『神殺しの英雄』山田蓮司は、何の因果か、今度は“魔神復活の旅”を始めることに。十三人の英雄の一人『復讐者』江野宮雄一郎、『道具使い』工藤燐。かつての仲間たちとの出会いを経て、獣人や亜人の住むエルフレイム大陸へと向かう蓮司たち。しかしその渡航中、美しき魔王シェルファに襲撃され!?「だから貴様は、何も守れぬというのだ!」蓮司の制約を解放し、本気を出させるため。たったそれだけのために、魔王は殺戮の舞台を築き上げー。「英雄ではない」と言い張り続ける男の紡ぐ英雄譚、第五章。蓮司とエルの過去を描く書き下ろし番外編「そうして、君の名前を呼んだ」収録。