著者 : 森晶麿
帝旺大学人文学部文化人類学科の最強頭脳集団・桐村研が現地調査に赴いたのは、国家に隠匿された地図にない島ー鳥喰島。江戸時代に囚人の流刑地とされたその孤島には、身体を切断する成人儀礼を始めとする奇習を存続させた“鷲族”と“鴉族”が存在していた。“欠落を美と見做す”彼らの閉鎖世界で発生する連続殺人…これは無計画の連鎖か、計画された虐殺か?惨劇を追認する推理の果て、異形の真実が剥き出しにされるー!
「ワトスン」として生きることを信条とする岩藤すずは、医学部の合格発表に出向いていた。自己採点ではバッチリ合格圏内と自信満々だったが…いざ掲示板を見ると、自分の番号がない。納得がいかないすずは答案用紙の保管部屋に忍び込む。しかしそこで見たのは血まみれの巨大な犬の足跡と副学長の死体だったー。「君は助手というよりお邪魔虫だ」「ひどっ!ワトスンにむかって!」事件を探るすずの前に現れた優雅なホームレスが、抜群の推理力を発揮!?21世紀のホームズは低コストで華麗に事件を解決す!
自死を遂げたはずの芥川龍之介は、羅生門の下で目覚めた。そこで見せられたのは、未来の大日本帝国首都で起こる地獄絵の如き事件と、ある女性の死。これが自身の願った世界だと突きつけられた龍之介はー「…違う。こんなことは願っていない!名誉毀損だ!」「羅生門現象」と呼ばれる事件を食い止め名誉を回復するため、そして一人の女性を救うため、龍之介は現代の東京に蘇った。現代機器に滅法弱い、時代錯誤な「茶川龍之介」としてー。文豪探偵、慣れない21世紀で推理する!!
深海楓は架能風香に恋文を渡し、それは見事に振られた。「あなたの手紙には誤字が四十二、脱字が十四、文法的誤りが三十六、語の選択の誤りが七十八もあるわ」彼女は大変な読書家だった。食い下がる楓に、風香は一言。「ならーカフカにおなりなさい」彼女の敬愛するフランツ・カフカを目指し小説を書き始めた楓のもとに、級友から持ち込まれる不可解な謎。「彼女が突然消えてしまった」「姉が芋虫になった」そんな馬鹿な。しかし風香は冷静に鋭い観察眼でヒントをくれる。ヒントは常に、カフカにありー?
名コピーライターだった亡き父と同じ道を目指す私は、父の母校戸山大学に入学した。意気揚々と広告概論を受講するも、中身は期待外れ、広告研究サークルは言わずもがな…。そんなとき、目に飛び込んできた学生だけの広告代理店“アド・カレッジ”の求人看板。訪れた私に、バードと名乗る代表取締役はいきなり採用試験を言い渡した。「豆腐屋のキャッチコピーを提案すること、期限は三日」豆腐屋では強面の店主が待ち構えていて…?広告業界希望者必見の青春物語