著者 : カズアキ
寵姫として持て囃されたり、はたまた教養のない妃候補たちに舐められたり。コネと派閥だらけの後宮に辟易したライラーは気づく。有能な妃を育てれば、注目も減り、この面倒な状況も覆るのでは!?そこで後宮改革を決意。女たちを教育して導き、人材を登用していく。しかしその結果、後宮内にライラーの派閥が浸透して、意図せずさらに立場を固めることに!一方、反抗的な軍部を掌握すべく、ついに皇帝・アスィールも動き出す。ライラーは軍部との“ある賭”で、いちかばちか皇帝の味方を増やす秘策を思いつくがー?
後の世に伝説として語られる妃、ライラーは、元々和国の姫君。謀略で捕らわれダリル帝国後宮に入れられた。しかしこの後宮では子を産まず数年経てば解放される道が!彼女は希望を得て、皇帝に近づかず、年季明けを目指すと決意する。だがそっそく皇后に試されたり、高慢な妃候補に挑発されたり。ライラーはいくつもの窮地を両親に鍛えられた聡明さと生来の明るさを発揮して乗り越えていく。しだいに周囲から慕われ、賢明な統治者としての片鱗すら垣間見せ…。けれどその結果ーなんで逆に成り上がって寵姫扱いされてるの!?
恩人である少年とともに剣の腕を磨いていた千早。しかし少年はある役目のため、千早を置いて桜花京へと旅立ってしまう。17歳になった千早は剣術を修め、彼を探しに桜花京へ。親王の護衛に抜擢されたと思いきや、立場は人ではなく式神!?さらに、上司は畏怖される冥中将・清雅でー。悪霊からの文、呪われた宵壺、女房の神隠し。千早は事件と慣れない後宮のしきたりに四苦八苦するも、清雅の助言で独自の才覚を発揮して信頼を得ていく。一方で、異変は一つの疑惑へと収束し…。華と呪いの都で始まる和風綺譚!
犯罪都市・東京。この街で探偵社を営む小百合は、行き倒れていた元格闘家のローサを拾う。行くあてのない彼女から頼みこまれ、行方不明の姉を捜す代わりに、仕事を手伝ってもらうことに。馴染みの議員・松田から依頼されていた花嫁の素行調査に、ローサとともにあたる小百合だったが…。花嫁の実像に近づくほど、浮かび上がるいくつもの疑念。見えるものだけが、真実なのかー?やがて小百合達は、15年前、国家権力に葬られたある事件へと導かれていく。
貧乏男爵家の末娘であるエルナは、病気の弟を抱え、義母姉にこき使われながら、玉の輿に乗ることだけを考えて生きていた。その項社交界では「ファンクラブ」ブームが巻き起こっていて、エルナも周りから浮かないよう、王国筆頭魔術師・スレンのファンのフリをしていた。そんなある日、国中の未婚の男女が参加する舞踏会で、エルナはスレンから突如求婚される。意味が分からないけど、弟のためにもスレンとの婚約を決意するエルナ。一方スレンは、エルナが自分のことを好いていないことを最初から知っていて!?書き下ろし番外編2編も収録。
(このまま、死にたくない!!)戦地で働く医師アイシャは、銃弾に倒れー目が覚めたら、四百年前の王太子妃パドマになっていた!初の女性医師として活躍し、戦乱の最中に処刑されたパドマ。その転落の契機は「王太子エドワードの突然すぎる病死」。アイシャは彼を死なせないよう決意するが、エドワードはなぜか、“パドマ”を警戒していて…?「わたしには、今のお前が必要なんだ」時を越え運命に抗うラブストーリー!!
二十年間の王位争いで国が荒れたリカー王国。やっと決まった王は急逝し、後を継いだのは弱冠十八歳の一人娘マーガレット。元修道女の跳ねっ返り娘だった。明確な味方は成り上がりの騎士エドマンドだけ。正統な王の血を引く男ライオネルには見下され、魑魅魍魎の跋扈する王宮でもまれ、マーガレットは少しずつ「女王」として成長していく。けれど度重なる反乱に加え、ついには戴冠式に必要な宝剣も紛失し…!?「リカーの王は、この私よ」無力だった少女が、国を、民を、自分を救う、光あふれるヒストリカル・ロマン!「カクヨム」書籍化作品。
「ワトスン」として生きることを信条とする岩藤すずは、医学部の合格発表に出向いていた。自己採点ではバッチリ合格圏内と自信満々だったが…いざ掲示板を見ると、自分の番号がない。納得がいかないすずは答案用紙の保管部屋に忍び込む。しかしそこで見たのは血まみれの巨大な犬の足跡と副学長の死体だったー。「君は助手というよりお邪魔虫だ」「ひどっ!ワトスンにむかって!」事件を探るすずの前に現れた優雅なホームレスが、抜群の推理力を発揮!?21世紀のホームズは低コストで華麗に事件を解決す!
自死を遂げたはずの芥川龍之介は、羅生門の下で目覚めた。そこで見せられたのは、未来の大日本帝国首都で起こる地獄絵の如き事件と、ある女性の死。これが自身の願った世界だと突きつけられた龍之介はー「…違う。こんなことは願っていない!名誉毀損だ!」「羅生門現象」と呼ばれる事件を食い止め名誉を回復するため、そして一人の女性を救うため、龍之介は現代の東京に蘇った。現代機器に滅法弱い、時代錯誤な「茶川龍之介」としてー。文豪探偵、慣れない21世紀で推理する!!
天才錠前師のトマス・ウルスに育てられたマージは、鍵や機械が大好きな、いっぷう変わった女の子。トマス亡きあと、錠前店をひとりで切り盛りしていたマージの元にある日、鉄道王としても成功しているアンブローズ伯爵家の若き当主・アレックスが訪れる。「ある金庫を開けてほしいから、身ひとつで伯爵家に来てくれ」という依頼を断ろうとしたマージに、アレックスは破格の報酬を約束し…!?
深海楓は架能風香に恋文を渡し、それは見事に振られた。「あなたの手紙には誤字が四十二、脱字が十四、文法的誤りが三十六、語の選択の誤りが七十八もあるわ」彼女は大変な読書家だった。食い下がる楓に、風香は一言。「ならーカフカにおなりなさい」彼女の敬愛するフランツ・カフカを目指し小説を書き始めた楓のもとに、級友から持ち込まれる不可解な謎。「彼女が突然消えてしまった」「姉が芋虫になった」そんな馬鹿な。しかし風香は冷静に鋭い観察眼でヒントをくれる。ヒントは常に、カフカにありー?
自らの願いをもとに、強大な力を持つ魔導書と契約する11カ国の王。しかし、リースルイン国の王女シルヴィアは、すべての魔導書を無効化できる“大いなる鍵と虚の書”を所有するも、絶対に契約などしないと決めていた。だが…。「-君のような王を、千年待った」突如現れたのは、美しい人型の眷属。君の願いが欲しいと嘯く彼に、頑ななシルヴィアの心は乱され!?
憂鬱な毎日を送るアンナのもとに、10年ぶりの手紙が届いた。差出人は、アンナの腹心の侍女だったリリヤ。「今こそ、あの事件の真相についてお話しできるのではないかと思い、筆をとりました」-10年前、名家の子息・キリルに見初められ、誰もが羨む結婚を間近に控えながら、キリルの弟との密会を重ねていたアンナ。その先に起きた、不可解な事件…。リリヤの手紙が明かす、衝撃の真相とは…!?
「君が好きだ。コクラン。…愛しているんだ」悠久の時を彷徨い続けた悪魔と、孤独の運命を受け入れ続けた王女。奇跡によって逃れられぬ虚無から解き放たれたレクスとコクランは、あらためて出逢った。しかしレクスは捕らえられ、コクランの知らぬ間に後宮から追放されてしまう。離ればなれになっても、三度出逢おうとする二人。それを阻むのは、どこまでも深い後宮の闇と、初めて知る後宮の外の世界だったー。「めでたし、めでたし」のその先に、真の恋物語は始まる。
「さあ、願いを言うがいい」「なら言うわ。とっとと帰って」王女コクランのもとに現れた、なんでもひとつだけ願いを叶えてくれるという伝説のランプの悪魔。しかしコクランは、願うことなど何もないと、にべもなく悪魔を追い払おうとする。なんとか願いを聞き出そうと付きまとう悪魔。しかし、“すべてを与えられた者”と謳われるコクランを取り巻く王族と後宮の現実を知ることになり…。物語を一人演じ続ける王女と、悠久の時を彷徨う悪魔の、真実の願いを求める恋物語。
超内気な少女ロザベラは、天涯孤独の身。思いがけず、名家「デ・コスタ家」に引き取られた彼女は、従兄を名乗る3兄弟、腹黒インテリ系長男エミリオ、無愛想な毒舌家次男ノア、やんちゃな問題児三男ダリオと出会う。なんと彼らの正体は、裏社会を牛耳る一大ファミリー!とまどうロザベラは、一族を存続させるため、3人のうち誰かと結婚して子を産むよう告げられて…!?美しくも危険な獣たちとのラブゲーム、スタート。
江戸の遊郭ー吉原。外道菩薩と呼ばれる美貌の青年・弥太郎には、“死んだ人間が見える”という噂があった。ある日、奇妙な来客を受けた弥太郎は、一人の元遊女の不審な死について調べ始める。その矢先、彼が廓内で唯一気にかける少女に異変が起きて!?胸に秘めた恋心、愛憎入り混じる肉親への情。吉原に生きる者達が抱える、心の闇に「鬼」が憑くー。死者を映す瞳が暴く、鬼の正体とは?美しき吉原幻想鬼譚。