著者 : 漂月
南の国クウォールからの要請で海を渡ることになったヴァイトたち。大樹海にドラゴンが現れたときと同様に魔力の変動で山に異変が起きているのだと聞き有志を募って山を越えた先の荒野の調査を開始するが調査団の一班が独断専行し、会敵の末に謎の力で皆殺しにされてしまう。事態を知り“戦神”の出現を悟ったヴァイトは残りの調査団を撤退させるべく自らが時間稼ぎの囮となることに。しかし、かつての“勇者殺し”ヴァイトであっても一人で戦神を相手取ることは難しかった。それを察したフリーデは調査団を送り届けたあと急いで戦地へと戻るが、残されていたのは崖下まで続くヴァイトの血痕だけ。一方、調査団との接触によって人間が山の先で国を築いていると知った戦神たちは人間たちを力で支配し栄華を取り戻そうと動き出すが…。生きる伝説ヴァイトが大怪我をしたまま行方不明に。圧倒的不利な状況のなかで対峙する戦神はーまさかの二人!?
「キオニス連邦王国との戦争をいたしましょう」唐突に旅団長室に現れたリトレイユ公は、にこやかに微笑みながら言った。初の実戦を無事終えた第六特務旅団だったが、すぐに次の戦場へと向かうことになる。そして交易都市ジャラクード近郊の平原で行われた会戦では、ジヒトベルグ公が戦死するという歴史的敗北を喫した。そして、リトレイユ公の陰謀が徐々に明らかになる。
前世であっけなく死んだ俺が転生したのは、戦列歩兵が撃ち合う近世風の戦争世界だった。平民少尉の俺は部下の戦死が多いため「死神のクロムベルツ」と疎まれていた。そんな中、女性しかいない第六特務旅団に参謀として配属される。何か企んでいる旅団長もお気楽な下士官も女性、歩兵は素人同然の女の子ばかりだ。この世界では戦わないと殺される。ならばこの俺がどうにかしないと…だがどうやって!?
ワの国で偽アソンを倒したフリーデは成人を迎え学業の傍ら魔王軍で父の手伝いをする忙しい日々を送っていた。そんななか、南国のクウォールから留学生としてシュマル王子がミラルディアにやってくることになった。在学生代表として彼を歓迎することとなったフリーデは父・ヴァイト譲りの人柄の良さで急速に親睦を深めていく。一方、開拓が進む樹海ではここ最近で不思議な現象が多発していた。調査の結果、樹海にドラゴンが出現したと判明。魔力を求めるドラゴンは移動を繰り返しておりこのまま膨大な魔力を吸収し続ければいずれは戦神となってミラルディアだけではなく世界を巻き込んだ未曽有の大災害となる。かつてない危機感を抱いたヴァイトは使者を派遣し、各国に応援を呼びかけるが…。
異世界転移したクロツハルトは、マリシェ姫の宮廷教師として成果を出していた。勉強しないことで有名だった彼女は真剣に帝王学に取り組み、その才能はめきめきと伸び、周囲からも称賛され始めていた。そんな中、有力貴族によるマリシェ姫暗殺計画が実行されたが、マリシェ自身とハルトの知識と機転によって、危機は回避される。その恩賞にハルトはロイツェン大公から爵位を授かった。やがて彼の教育のお陰で立派になったマリシェの成人の儀が行われ国内がお祭りムードに包まれる中、隣国たちの陰謀が交錯する。グライフ帝国が戦争を起こし、ロイツェン公国の隣国パルネア国王にまで攻め込んできた。王国を手中に収めた帝国が次に狙うのは当然、マリシェやハルトがいるロイツェン公国で…。「姫、本当の名将は戦争になる前に相手を敗北させます」帝国との戦争でマリシェを活躍させる為にハルトは軍師として目覚ましい働きを見せる!
終電で帰宅途中にうっかり異世界転移してしまった黒津遥都(クロツハルト)。彼は転移先で話のわかる(そして珍しいもの好きな)ロイツェン大公という小国の王様に拾われて、そのまま宮廷で雑用係として働かせてもらうことになる。ハルトはロイツェン語をすぐにマスターし、高い勤労意欲と抜群の能力を発揮して、次第に新生活になじんでいく。そして、周囲からの信頼を得た彼は大公の一人娘マリシェ姫の宮廷教師に抜擢される。だが、マリシェは政治も外交も勉強しないわがまま姫様だった。塾講師で培ったハルトの現代的な教育方法と「生徒第一」の信念、さらにその人柄で徐々に姫は変わり始めて、クイーンの勉強に真剣に取り組んでいくのだが…。これは異色の宮廷教師とわがまま姫様の師弟コンビが、異世界で大活躍する物語。