著者 : 皆川ゆか
日本SF作家クラブ企画! あなたの心に眠る〈少女〉へ贈る、SF小説アンソロジー。 世代を超えて集結した豪華・少女小説作家たちが、少女小説とSFの可能性を解き放つ! 〈収録作品〉 新井素子「この日、あたしは」 パーソナルAIとの共生が浸透した未来。地震で母を亡くした「あたし」に生まれた願いとはーー 皆川ゆか「ぼくの好きな貌(かお)」 人面犬に殺された妹と、人面瘡に蝕まれる姉。双子の姉妹に訪れた破滅(カタストロフ)の真相が明かされるーー ひかわ玲子「わたしと「わたし」」 人がみな双子で生まれ出ずる惑星に、ひとりきりで生まれてしまった少女の運命はーー 若木未生「ロストグリーン」 天才作曲家の少年と彼を支える編曲家。ふたりの前に鎮魂歌の作曲を求める青年が現れたーー 津守時生「守護するもの」 戦禍の果てに家族を失った少年は青年となり、美貌の相棒とともに宇宙へ賞金稼ぎに繰り出すーー 榎木洋子「あなたのお家はどこ?」 開発初期の地球型惑星に暮らす少女は、家出という名の小さくて大きな冒険へと旅立ったーー 雪乃紗衣「一つ星」 目を醒ますと少女の首には奇妙な頸輪があった。氷とオーロラの世界を歩むガール・ミーツ・ボーイの行方はーー 紅玉いづき「とりかえばやのかぐや姫」 竹から生まれた美しい男と、帝の地位についた少女。私たちの知らない古代の異類婚姻譚(ファーストコンタクト)が物語られるーー 辻村七子「或る恋人達の話」 全身機械化手術が普及した革命後のフランスで、『ナポレオン法典EX』が愛し合うふたりの男を阻むーー 嵯峨景子「コラム 少女小説とSFの交点」 少女小説家たちが手がけたSFの歴史、コバルト文庫以降の少女小説とSFの交点を辿るーー
あたしは、もとの時代に戻るために、『魔法使い』なしで『女帝』とのフェーデを受けることにしたんだけど…。なんと、『魔法使い』は現在、坂崎と交戦中だという。今の坂崎の力からすれば、協力者なしの『魔法使い』は圧倒的不利なはず。だから、あたしは、フェーデの勝利の報酬として、もとの時代に戻るより、『魔法使い』を助けに行くことを選んだの。だって、あたしは『魔法使い』のことが…。
『魔法使い』は記憶を取り戻せなかった。だけど、あたしは『女帝』のことを教えたくない。あたしは『女帝』に嫉妬してる…。そんなあたしたちの前に現れたのは、会堂から脱出してきた坂崎。でも、戦いの真っ最中、『運命のタロット』最強の精霊『世界』が、坂崎を会堂へ連れ戻しにきたんだ。その引力に巻き込まれて、なんと、あたしは、13年後の世界へふっ飛ばされてしまったの。そして、そこで再会したのは…。
「お願いです。ついてこないでください。先輩を巻き込みたくないんです。」あたしの言葉は逆効果だった。こんなふうにいわれたら、片桐先輩は、なおさら、ほっとけないって思っちゃうような人…。その結果、なんと先輩まで、大精霊たちの勝負に巻き込む羽目になってしまったんだ。-『戦車』VS『太陽』の戦いの行方は…。そして、ついに、あたしたちと『月』の勝負にも決着がつく-。
今回の舞台は、コミックスクエアっていう同人誌の即売会会場。あたしは、唯と伊東さんに頼まれて、そこで売り子をするんだ。唯のカッコはJ9のアイザック。伊東さんはメイ。あたしは当然エンジエルお町。そして、そんなところへ、なんと、坂崎と《太陽》が現れたんだ。どうやら奴らは、あたしが大河(兄)と《戦車》から渡された、封印された《愚者》のカードを奪い返しにきたみたい。これはただではすみそうもないわ…。
《月》の“改変”によって殺されるのは、ジュリエット役を演じる河内美代子。あたしが中学時代にあこがれてた山根クンの恋人…。《月》のほうは着実な進み具合を見せ、“改変”へ向けて、一歩一歩近づいてる。こうなったら、“改変”のことを河内サンに直接話して、ジュリエット役を辞退させるしかない。…ところが、彼女には、あたしが山根クンとの仲を嫉妬してるものと誤解されて、完全に拒絶されてしまった…。
〈恋人たち〉との勝負に勝った。これで、片桐先輩が殺されることはない-。すべてが終わったんだ。…と思いきや、今度は〈月〉に勝負を挑まれるわ、新たなタロットの精霊に襲撃されるわ…。頼子は、片桐先輩との再会に感激している間もなく、またもや精霊たちとの戦いの渦中に巻き込まれていく-。頼子の中学時代の片想いの相手、山根も登場してきて、物語は新展開。
なんと、佐倉クンと島津は中学時代につきあっていた。ホモだったなんて…。ところが、佐倉クンは、高校に入学して片桐先輩を好きになり、島津を捨ててしまったんだ。島津が片桐先輩を殺す動機は十分にある。ってことは、〈恋人たち〉の協力者は島津。だけど、“宣告”は一回かぎり。もし、島津じゃなかったら、片桐先輩は生き返らない。〈魔法使い〉vs.〈恋人たち〉の戦いは最高潮。ついに勝負に決着がつくのか-。
“改変”が行われてしまった。片桐先輩は〈恋人たち〉の協力者に殺されてしまったんだ。先輩を生き返らせるためには、あたしと〈魔法使い〉は、〈運命の輪〉を中立の見届け人とした〈恋人たち〉との勝負に勝たなければならない-。制限時間内に〈恋人たち〉の協力者を探し出さなければならないんだ。新たなタロットの大精霊、女好きでド派手な〈愚者〉の登場。そして、驚愕の新事実も発覚し、物語は意外な方向へ。
あたしたちが、男子寮で懇親会の真っ最中、片桐先輩の寝ているはずの部屋から、叫び声と鈍い音がきこえてきた-。しかも、片桐先輩の部屋のまわりは、強力な結界に覆われていて、あたしと〈魔法使い〉は、近づくことすらできなかったんだ。〈恋人たち〉が片桐先輩になにかした。-防げないわ。〈運命の輪〉のいった不吉な言葉。まさか“改変”が行われたの。片桐先輩は、いったいどうなったの-。
〈魔法使い〉の協力者に選ばれてしまった、あたし、水元頼子は、〈虫〉には襲われるわ、『空飛ぶ覆面娘』にされてしまうわ、片桐先輩にキスしそうになって〈親衛隊〉にはにらまれるわ、もう目茶苦茶。否応なく〈魔法使い〉と〈恋人たち〉の戦いに巻き込まれてしまってたんだ。-〈運命の輪〉まで登場してきた“改変”をめぐる〈魔法使い〉VS〈恋人たち〉の戦いの行方は。そして、頼子の片桐先輩への片思いは。『運命のタロット』シリーズ第2弾。
あたし、後野まつり。超常研のメンバー。須弥山の四珠を集めるあたしたちの前に現れた最大の難関、それは、ついにアスラ王ラーフとして覚醒したランだった。パールシャの呪いのせいで、恋人と結ばれることが不可能になってしまったラーフの怒りと絶望とが、彼をアスラ軍の将として、戦いのくりひろげられる須弥山へと向かわせる。ラン、あたしたちは、もう二度と、わかりあうことができないの…。
あたし、後野まつり、超常研のメンバー。〈闇のパールシャ〉のタールが消えてしまったいま、世界の崩壊を止めるには、須弥山の四珠を集めるしか方法がなくなってしまったの。世界がいまのようであることを望んでいなかった者たちの、さまざまな妨害を越えて、あたしたちは須弥山に行けるのかしら…。そして、誰よりも大切な友達であるランの、ついに明らかになった前世の記憶とは。
あたし、後野まつり、八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。栄の超能力のため、崩壊まであと1か月となってしまった世界を救うため、あたしは、火星極冠の封印の中に入ったの…。そこに閉じこめられている、亡きガンダルヴァさんの罪の半身・「闇のパールシャ」からタールを借り受け、奏でなければ、世界は消滅してしまうんだ。封印の中であたしを待っていたものは…。
あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。封印された栄の超能力も元どおりになり、無事に(神無月恭一郎さんとの婚約という、とんでもないオマケもついたけれど…)火星から帰っきました。でも、ほっとする間もなく、今度は、あのガンダルヴァさんがとんでもない危機に陥っているらしいんだ…。
あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。入学以来、妙な事件にばかり巻きこまれてきたんだけど、封印された栄の超能力を解放するため、今回はとうとう『火星行き』なんていう、とんでもないことになってしまったの。火星に行ったら行ったで、三好さんの師匠のいるという火星高野山で、あたしたち一行を待っていたのは、あのキンナラくんだったし…。これからいったい、どうなるのかしら。
あたし、後野まつり。八幡高校1年生。超常現象研究会(超常研)のメンバー。異常にトラブルを呼びやすい体質なのか、入学当初から妙な事件に巻きこまれ続けて、ついに!封印された栄の超能力を解放するため、火星にまで行かなきゃならない羽目になってしまったの…。あたしたち超常研のメンバーは、またまた火星で、どんな事件に遭遇するんだろう。というわけで、“前編”の始まりです。