著者 : 睦月ムンク
調停者の一族の青年・リュザールと、不遇な羊飼いの少女アユ。草原で出会いを果たした二人はそのまま結婚することになり、思いがけない新婚生活が始まった。働き者のアユは、ユルドゥスの温かい人々との遊牧暮らしのなかで生きる希望を取り戻し、リュザールとの絆も深まっていく。初夏のある日、二人は小さな隊商と行動を共にしていたところ、侵略者一族の襲撃に遭う。リュザールは自らの血によって精霊の力を揮い侵略者を撃退するものの、その代償は大きく倒れ伏してしまい…。
風の精霊の力を操る“調停者”の一族、ユルドゥス。遊牧民たちを侵略者の脅威から守る彼らは、今日も大草原を駆け抜ける…。ユルドゥスの青年・リュザールは、都からの帰路、羊飼いの少女・アユと出会う。ワケありな彼女を見かね、一族の遊牧地に連れ帰ると、なんとそのまま二人は結婚することとなり、思いがけない新婚生活がスタート。乳製品を作り、絨毯を織り、料理に洗濯…大忙しでも賑やかな遊牧生活。故郷では虐げられ生きてきたアユは、ユルドゥスの文化に戸惑いながらも、リュザールとの暮らしのなかで、次第に生きる希望を見出していくー。
不知火疾風、十五歳。ごく普通の中学生だと思っていたのに、ある日いきなり死亡。目覚めたらそこは地獄だったーっておいおい、そんなのアリか!?再会を喜ぶ相棒“牛頭の黒星”によれば、疾風はかつて仕事中に死んだ“馬頭の疾風”で、ふたりは境界を守る門神としてコンビを組んでいたらしい。が、納得いかない疾風は職場の頂点・閻魔王に会いに行くことに…。果たして前代未聞の異世界転生の結末は!?
武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。顔を出さず、本名も明かさない著者・久保竣皇の正体を探る探偵・榎木津は、久保の住まう蜘蛛の巣城に赴く。だがそこにいたのは房総の蜘蛛の巣館で死んだ織作碧と、連続殺人の犯人、故・久保竣公と同じ記憶を持つ男だった。武蔵野連続バラバラ殺人から5年。久保竣皇とは、そして魔女を名乗り久保に寄り添う織作碧とは何者か。混乱を極めた榎木津は刑事・木場、そして京極堂を担ぎ出す。久保竣公の死で幕を閉じた凄惨な事件の蓋が、再び開くー。