著者 : 霧友正規
触れた相手の“運命の赤い糸”が見えてしまう高校生・肇。その秘密を抱えて過ごす日々のなか、彼が運命的に出会ったのが、一つ年下の少女・朱莉だった。思いがけない巡り合わせから、実は彼女も同じ糸を見られると打ち明けられた肇。しだいに二人は、“糸”の秘密をめぐる共犯者として惹かれ合うのだが…。互いに告げられない過去に向き合いながら、思いを自覚したその時、運命が見えてしまう二人に、哀しい事実が突きつけられる。-これは、運命ではない恋を巡る、二人の物語。
油野池鈴子、31歳。ちなみに処女。現在3クール目に突入した人気特撮シリーズ「ワンワン戦隊犬ファイブ」にどハマリ中。しかし、お気に入りのレッドに似た職場の同僚・岡島のことが気になるようになってー?(「犬っぽくなかったです」宮木あや子)気心の知れた幼馴染み、隣の席のクラスメイト、職場の上司、マンネリ気味の恋人、長年連れ添った夫婦ー。いろんな「恋」を集めました。人気作家の書き下ろしも収録した、頁をめくるごとに「好き」が溢れる20人の恋物語。
少年には幼馴染みの少女がいた。彼女は物語を読むのが大好きで、少年はそんな少女に読ませる小説を書くようになった。中学、高校と共に成長していく二人ー博孝と歌帆。だが歌帆は、やがて“言葉”を失う症状に見舞われる。それは彼女から博孝の物語を奪うことを意味していた。次第に会話もままならなくなり、弱っていく歌帆。博孝は、彼女が言葉を取り戻すと信じて、物語を書き続けるがー。言葉が消えたその先で、想いを伝える本当の物語が始まる。心震える、感動のラブストーリー。
医学部へ入学する僕は、桜が美しい春の日に彼女と出会った。明るく振る舞う彼女に、冷たく浮かぶ“300”という数字。それは“人生の残り時間が見える”僕が知ってしまった、彼女とのさよならまでの日数でーー
悠馬たちの所属する“かみさま新聞”編集部に珍客が訪れた。その少女・あかりは、神様の力で行方不明の父親を探して欲しいという。神様に、猫に、そして少女にまで振り回される、悠馬の記者ライフはどうなる……!?
新人記者の悠馬が配属されたのは、いかつい先輩の恭平と、デスクに猫がいるだけの、のんびりした新聞編集局ーーと思いきや、その御役目は、悩める人々を救う神様の活躍を記事にした“かみさま新聞”の発行だった!?
死してなおこの世に留まる幽霊を、誰もが生者と同様に接し暮らすことが当たり前となった社会。けれど小鳥遊昴には、体質的に幽霊が見えなかった。だが…『私を成仏させてくださいっ!』よりによって昴のもとに、幽霊の少女・詩織が頼み事をしに現れた。記憶をなくした彼女にとって、手がかりはかつて昴が撮った一枚の写真だけ。唐突に訪れた“見えない”詩織を最初は疎ましく思う昴だったが、彼女の記憶を探す日常がやがてふたりの関係を少しずつ変えていくー。不思議で切ない、青春オカルトストーリー。第25回ファンタジア大賞ラノベ文芸賞受賞作。