著者 : 顎木あくみ
高校生の坂木夜花(よはな)の住む町は、魔を退治する神祇官(かむつかさ)の一族である社城(やしろ)家が絶大な権力を持つ。 両親を亡くし祖母と住む夜花は、夏のある日に遠縁だからと社城家の宴会にかり出される。けれど手伝いの最中、事故で池に落ちてしまう。 騒ぎを聞きつけ現れたのは美貌の社城家の当主候補。彼は「僕の、つがい」と夜花に歩み寄りーー後ろにいた同級生の少女を抱き上げた。 夜花は誰にも顧みられず、濡れ鼠の惨めな姿のまま池の中で呆然とする。 けれど不思議な美しさの少年・千歳が夜花を助け、社城家にある自分の家に匿ってくれた。さらに千歳は夜花が神がかりの力を持つ《まれびと》であると見抜く。 夜花は社城家に保護され千歳を護り手に、術師の仕事の手伝いをすることに……? 「わたしの幸せな結婚」の顎木あくみが贈る、神と人と運命の恋物語。 プロローグ 異境と人境のあわいにて 一章 「宴会なんて、二度とごめんだわ」 二章 「トンネルの怪異ってベタだよね」 三章 「乙女心を弄ばれた。呪い、許すまじ」 四章 「みんな、世話焼くの好きね」 五章 「あんたの行動、この頃からいちいち冷や冷やするんだよ」 六章 「家族でもわかりあえないことはあるよ」 七章 「私たちはきっと同じものを求めてた」 八章 「千歳くんは隠しごとばっかりだから」 エピローグ 終わりの始まりを眺める時 あとがき
五道佳斗の父に対異特務小隊に誘われていた学生時代の清霞。夢と任務の狭間で起きた事件とは……軍人として生きる清霞の原点と「土蜘蛛」との因縁が明らかに。さらに美世と清霞の新婚生活をえがいた短編を収録。
「俺の后になってくれ」 『わたしの幸せな結婚』の著者が贈る、中華ファンタジー浪漫譚! 繋がる絆と深まる謎……超待望の第4弾。 お互いの思いを知り、まじない師・珠華を后にすると決めた皇帝・劉白焔。 しかし権力を持つ貴族の四王家に「庶民を皇后にはできない」と反対される。 一方で珠華は宮廷巫女の試用期間を終えようとしていた。宮廷書庫に入ることを許された珠華は、いよいよ始皇帝の霊・天淵の記憶を取り戻すための手段を考え始める ある日、見習いの最終試験として、珠華は大役を任された。それは白焔の母であり皇太后陛下である翠琳の護衛だったーー! 指環伝説の謎、貴族たちの陰謀、妃嬪たちの愛憎、すべてが絡みあい、物語は加速していく……!
様々な困難を乗り越えて、ついに迎えた祝言の日。 美世は朝から気が気ではなかった。 前日に緊急の呼び出しがあり仕事に向かった清霞が、婚礼のはじまる時刻が近づいても帰ってこないのだ。 花嫁衣装に身を包み、 「誰よりも私が、明日を心待ちにしている」 という清霞の言葉を信じて待つ美世。 けれどその裏では、五道と深い因縁のある強力な異形の影が動いていた。 少女があいされて幸せになるまでの物語は、婚礼を迎え、幸せな「家族」の物語へーー。
皇帝である白〓の力になるべく、ついに宮廷巫女になる決心をした、市井のまじない師・珠華。王宮の神秘を司る部署である祠部に採用試験を受けに行くが、なぜか幼馴染の子軌も占師見習いとして共に来ることに…。ふたりは研修として生真面目な神宮・宝和に付き、貴族の男から依頼された怪異事件を担当することになる。夜ごと近づいてくる妖怪の正体とはー?そして、珠華と白〓、身分ちがいの恋に急展開!?伝説と秘密が徐々に紐解かれていく…!中華ファンタジー・ラブロマン、大好評の第三弾。
身に覚えのない罪で投獄された清霞。 彼と離ればなれになった美世は、清霞を助けるために一人で軍本部へと向かう。 しかし目的地に着いたその時、彼女の袖を引く者がいた。 振り返った美世が見たのは、清霞そっくりの美少年。彼は清霞の式だという。 式に強引に連れ帰られた美世は、薄刃の家で態勢を調えて出直すことを決める。 すべては清霞と再会するため、美世は自力で道を切り開いていく。 そして迎えた甘水との決戦はーー。 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
白髪に赤瞳、幼い頃より鬼子とおそれられた市井のまじない師・珠華のもとに、絶世の美男子である若き皇帝・白〓が新たな依頼にやって来た。国の一大行事「星の大祭」を前に、幽霊の噂が人々を騒がせているという。真偽を確かめるべく、二人は祭りの開催地である栄安市へと出かけることに。そこで思いもよらぬ相手と出会うーはたして無事に「星の大祭」を開催できるのか?そして、身分違いながらも惹かれ合う二人の関係は…?切なくも愛しい、中華ファンタジー浪漫譚!
清霞への想いに気がついた美世。帝都では異能心教の侵出が進み、美世たちは皇太子、堯人の提案で宮城に身を寄せる。過去の記憶から変化を怖れ、想いが告げられない美世は、ある夜、清霞から思わぬ本心を告げられる。
清霞の両親の暮らす別邸に赴いた帰り、待ち伏せていた敵方の首魁、甘水に“我が娘”と呼ばれ、迎えにいくと告げられた美世。甘水から身を守るため、美世は清霞の職場である屯所内で日中を過ごすことになる。そこで護衛として紹介された女性軍人、薫子は清霞の元婚約者候補だった。清霞と薫子の仲の良い様子に少しモヤモヤする美世だけれど、次第に薫子と友人同士の関係になっていく。だが、その裏では美世を狙う影が確実に彼女へと迫っていたー。これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。
呪いを解くために、偽りの妃として後宮へーー。 『わたしの幸せな結婚』著者がおくる、切なくも愛おしい宮廷怪異譚。 白髪に赤い瞳の容姿から鬼子と言われ、親に捨てられた過去を持つ李珠華は、まじない師・燕雲に拾われ、街のまじない屋で見習いとして働いている。 ある日、今をときめく皇帝・劉白焔がおしのびで店にやってきた。 珠華の腕を見込んだ白焔は、後宮で起こっている怪異事件の解決と自身にかけられた呪いを解くこと、そのために後宮に入ってほしいと彼女に依頼する。 最高の待遇と報酬を約束された珠華は、偽の妃として後宮入りを果たす。 さっそく式神のサンとロウを使い調査にかかるが、他の妃たちの嫉妬と嫌悪の視線が珠華に突き刺さり……。 まじない師が愛憎渦巻く後宮の闇に迫る、中華ファンタジー!
清霞を信じると決めて、少しだけ強くなった美世。清霞の父から誘われて彼の両親が暮らす別荘を訪ねる。けれど義母となる芙由は、激しく美世を拒絶する。心配する清霞に、美世は一人で頑張りたいと伝えるけれどーー?
清霞の婚約者として勉強もはじめ、穏やかな日常が訪れたかと思った。けれど美世は夜ごと悪夢に襲われ、だんだん衰弱していく。それがきっかけで、美世と清霞はすれ違い、美世は家を出ることにーー。
この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運かーー 名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。 斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていくーー。 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。