レプリカだって、恋をする。(1)
ーー応募総数4,128作品の頂点ーー
第29回電撃小説大賞《大賞》受賞作
具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日……。彼女が学校に行くのが億劫な日に、私は呼び出される。
愛川素直という少女の分身体、便利な身代わり、それが私。姿形は全く同じでも、性格はちょっと違うんだけど。
自由に出歩くことはできない、明日の予定だって立てられない、オリジナルのために働くのが使命のレプリカ。
だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。
好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。
学校をサボって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。
名前も、体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけどーーこの恋心は、私だけのもの。
海沿いの街で巻き起こる、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な“はじめて”の青春ラブストーリー。
第1話 レプリカは、夢を見ない。
第2話 レプリカは、サボる。
閑話 彼女のいない、夏休み。
第3話 レプリカは、泣いている。
第4話 レプリカは、落ちていく。
第5話 レプリカは、夢を見る。
最終話 レプリカは、恋をしている。
関連ラノベ
「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」 不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。 文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そしてーー。 「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」 秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。 第29回電撃小説大賞《大賞》を受賞した、純度100%の青春ラブストーリー。切なく胸を打つ第2巻。 2023/07/07 発売
オリジナルがやりたくないことを押しつける身代わり、〈レプリカ〉だった私だけど、その役割を失って。 「素直が何を考えてるか分からなくて、怖い」 そんな思いを抱えながら、季節は冬に向かっていく。 素直が修学旅行に行っている間、私はアキくんと一緒に、リョウ先輩の故郷・富士宮へ行くことになった。それぞれ別々の場所で、はじめての旅を楽しみつつ、レプリカの仕組みの謎を紐解くピースを拾いーー。 そして私は、素直が秘めた思いと、知らなかった真実と、向き合うことになる。 ーーナオと素直。それぞれの視点から描かれる、転機の第3巻。 2023/12/08 発売