レプリカだって、恋をする。4
「ナオが決めて、いいんだよ。ナオとして生きていくか。それとも…私の中に戻ってくるか」素直に与えられた猶予は、一か月とすこし。オリジナルのために働く“レプリカ”である私の心は、もう決まっていて。そして、やって来たクリスマスの日。観覧車の中で、私はアキくんにお別れを告げた。なんにも後悔はない、そのはずだったんだけどー。冬はいつの間にか終わり、春がもういちど、私のもとに訪れる。レプリカと、オリジナル。二人がひとつの答えに辿り着く、第4巻。
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具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日…。学校に行くのが億劫な日に呼び出される分身体、それが私。自由に出歩くこともできない、オリジナルの身代わりとして働くのが使命の人生。だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。学校をサボって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。名前も、身体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけど、この恋心は、私だけのもの。第29回電撃小説大賞の頂点に輝いた、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な青春ラブストーリー。 2023/02/10 発売
「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押しつける身代わり、“レプリカ”には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そしてー。「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。第29回電撃小説大賞“大賞”受賞作、切なく胸を打つ第2巻。 2023/07/07 発売