レプリカだって、恋をする。2
「ねぇ。しばらく私の代わりに学校行ってくれない?」
不気味なくらいに優しい素直の言葉が、私を惑わせる。オリジナルがやりたくないことを押し付ける身代わり、〈レプリカ〉には、手に入るはずもなかったもの。“ふつう”の学校生活を送る日々が訪れた。
文芸部の廃部の危機を救うため、奔走して。アキくんとの距離も、縮まって。そしてーー。
「ナオちゃん。わたしを見つけてくれて、ありがとう」
秋。私の好きな人と同じ名前をした季節に、忘れられない出会いをした。
第29回電撃小説大賞《大賞》を受賞した、純度100%の青春ラブストーリー。切なく胸を打つ第2巻。
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具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日…。学校に行くのが億劫な日に呼び出される分身体、それが私。自由に出歩くこともできない、オリジナルの身代わりとして働くのが使命の人生。だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。学校をサボって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。名前も、身体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけど、この恋心は、私だけのもの。第29回電撃小説大賞の頂点に輝いた、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な青春ラブストーリー。 2023/02/10 発売
オリジナルがやりたくないことを押しつける身代わり、〈レプリカ〉だった私だけど、その役割を失って。 「素直が何を考えてるか分からなくて、怖い」 そんな思いを抱えながら、季節は冬に向かっていく。 素直が修学旅行に行っている間、私はアキくんと一緒に、リョウ先輩の故郷・富士宮へ行くことになった。それぞれ別々の場所で、はじめての旅を楽しみつつ、レプリカの仕組みの謎を紐解くピースを拾いーー。 そして私は、素直が秘めた思いと、知らなかった真実と、向き合うことになる。 ーーナオと素直。それぞれの視点から描かれる、転機の第3巻。 2023/12/08 発売