楽園殺し(3)
獣人事件の収束から1年。砂塵渦巻くこの街で、ふたたび騒乱が起ころうとしていた。謎に包まれた連続食人事件の勃発。時を同じくして延期開催される偉大都市の150周年記念式典。熱気に包まれる舞台を見下ろすは、市民、粛清官、円卓の盟主たち。そして、たったひとりの星の夜。祝宴の終幕を飾るは、この街の“歌姫”ノエル・シュテルンのステージ。その背後に蠢くは、宗教徒たちの黒い影。「-楽園殺し。ああそれも、貴女の望みであるならば…」熱狂と陰謀が交錯する今宵、偉大都市史上最大の祭(フェス)が幕を開ける。
関連ラノベ
人に異能を授ける砂塵が舞う偉大都市。荒廃した世界で楽園とさえ呼ばれるここには、砂塵を取り込み、様々な能力を発現する人々が集う。そして、その能力を犯罪に使う者たちを取り締まる精鋭部隊“粛清官”が、その秩序を守っていた。粛清官ー射撃の名手シルヴィ。そして寡黙な黒剣士シン。とある事件を通じてコンビを組んだ二人は、人を獣に変貌させるドラッグの捜査を任させていた。だが、そのドラッグの流通には、粛清官たちの作った悪しき過去が潜んでいた。吹き荒れる砂塵のなか、マスクをまとう能力者たちの物語が幕を開ける。 2021/06/18 発売
「ひさしぶりだな、バレト候補生」「狼士会首領、ルーガルー…粛清するわ」ついに砂塵兵器を稼働させたルーガルー。その計画の完遂を防ぐため、シルヴィは決死の粛清戦に臨む。かつて近接戦最強と謳われた強敵を前に、シルヴィの立てた戦略はー。「さようなら、チューミー」「あのとき、本当はなんて言うつもりだったの?」-交錯する白と黒。2人の少女、1つの運命。獣人麻薬を巡る至高の復讐劇は、思いも寄らぬ最終局面へ。「嘘をつくとき、そっと目を伏せる。あなたの仕草が、大好きだったの」その日。渇いた夜空を割るような、最後の銃声が響いた。 2021/09/17 発売