楽園殺し(4)
かくして林檎は奪われたー。惨劇に終わった式典を明けて、中央連盟の面々を襲ったのは、第二の衝撃。シュテルン家当主脅迫事件を受けて、ロロ・リングボルド率いる第一指揮が大規模掃討戦に向けて動き出す。その裏で独自に行動を開始するのは、第七指揮の粛清官たちだった。一堂に会するは、完璧を目指す者。贖罪する者。弾劾される者。義を貫く者。過去に眠る者。復讐者と、殉教者。そして夢に堕ちた星を掬い上げる、当代の夜。たったいちどだけ許された後夜祭に、最後の炎が灯されるー砂塵教襲撃編、後編。
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人に異能を授ける砂塵が舞う偉大都市。荒廃した世界で楽園とさえ呼ばれるここには、砂塵を取り込み、様々な能力を発現する人々が集う。そして、その能力を犯罪に使う者たちを取り締まる精鋭部隊“粛清官”が、その秩序を守っていた。粛清官ー射撃の名手シルヴィ。そして寡黙な黒剣士シン。とある事件を通じてコンビを組んだ二人は、人を獣に変貌させるドラッグの捜査を任させていた。だが、そのドラッグの流通には、粛清官たちの作った悪しき過去が潜んでいた。吹き荒れる砂塵のなか、マスクをまとう能力者たちの物語が幕を開ける。 2021/06/18 発売
「ひさしぶりだな、バレト候補生」「狼士会首領、ルーガルー…粛清するわ」ついに砂塵兵器を稼働させたルーガルー。その計画の完遂を防ぐため、シルヴィは決死の粛清戦に臨む。かつて近接戦最強と謳われた強敵を前に、シルヴィの立てた戦略はー。「さようなら、チューミー」「あのとき、本当はなんて言うつもりだったの?」-交錯する白と黒。2人の少女、1つの運命。獣人麻薬を巡る至高の復讐劇は、思いも寄らぬ最終局面へ。「嘘をつくとき、そっと目を伏せる。あなたの仕草が、大好きだったの」その日。渇いた夜空を割るような、最後の銃声が響いた。 2021/09/17 発売