出版社 : 中央公論新社
パラオ沖海戦で第二艦隊が圧勝し、在比米軍は完全に孤立。脱出を図ったマッカーサーも捕虜となった。フィリピンを失った米太平洋艦隊はマリアナに対する攻勢を強め、トラックからグアムへの長距離爆撃を敢行。一方、基地航空戦では守勢となった日本軍も、マリアナ防衛線を死守すべく米輸送船団を攻撃し、護衛の駆逐艦多数に加え空母ワスプ撃沈の戦果を挙げる。熾烈な消耗戦の中、グアム奪回を目指す米機動部隊と、瑞鶴・飛竜の空母決戦が。戦局建て直しをシミュレートする戦略巨篇第四弾。
1953年12月8日、横須賀軍港に空襲警報が鳴り響いた。アーレイ・バーク中将率いる空母機動部隊が日本本土へ長駆侵攻し、奇襲を仕掛けたのだ。太平洋の覇権をめぐる戦いの火蓋は切って落とされ、短期決戦を挑む合衆国は日本の海上交通線を遮断せんと目論む。一方、未會有の国難に瀕した日本では、堀悌吉首相が断固戦い抜く決意を議会で示した。対米戦略立案の命を受け、国防軍令本部作戦部長に着任した真田忠道少将に巻き返しの秘策はあるのか。異次元戦史シミュレーション第3弾。
大華三国を隔てて聳えるタウは銀山なりータンガ王ゾラタスにもたらされたこの密告こそウォルたちが仕掛けたタンガの挙兵を誘う作戦であった。しかし鬨の声はデルフィニアの西方パラストから挙げられる。微妙な緊張を保たせてきた三国はついに動乱に突き進むのか。
港町ダィーラに流れる猟奇殺人の噂。またしても獅子王の陰謀か。悪辣な手口を察したアシュラウルはアマラン国内の内訌を阻止すべくクィラ領主邸の宴に乗りこんだ。華やかな祭りの陰で密かに進行する陰湿な企て、帝国の策略を潰さんがため精霊王アシュラウルが選んだ苦肉の策とは。
恩師の遺した謎を追って少年達は山中の静謐な湯房を訪なった。想い出の迷宮に彷徨う秋枝公彦と妖しい夜の貌をもつ執行雅、二人を狙う邪悪な牙が歴史の闇に蟠る。アラベスク渦巻くイスラムの浴室で、月光輝く露天風呂で、そして不吉な仮想空間で、せめぎ合う清らかな悪と暗い欲望。惑乱のエロスが交錯する耽美冒険浪漫。
南沙諸島に艦隊を展開した中国は、さらにフィリピン領パラワン島に空挺部隊を降下させた。対抗してASEAN諸国も海軍艦艇を派遣。睨み合う両艦隊の間に海上自衛隊が国連軍として割って入る。水上艦艇がひしめく南沙の海面下では、潜水艦が静かに互いを探り合っていた。深海を制したものが海域を支配する。海自、中国海軍潜水艦の間隙をぬって国籍不明艦が現れ、中国艦隊への攻撃を開始した。莫大な埋蔵資源とアジアの覇権を手にするのは誰か。常任理事国日本の選択シミュレーション。
争乱のニーヴァンをあとに旅に出たアシュラウル一行は、アマラン王国の末王子が領内で消息を絶ったとの噂を耳にする。不思議な力で魔道帝国の脅威から国を護るという王子ルシュエス-新たなる獅子王の陰謀か。事件の裏に謀略の臭いを嗅ぎ取ったアシュラウルは王子を救うべく怨霊巣喰う魔都へと乗りこんで行く。
急激な経済成長により、中国のエネルギー事情は逼迫。衰退していく北部都市を抱えた中国は、南沙諸島の領有に死命を賭け、海軍艦艇を展開した。南沙の共同統治を主張するASEAN諸国との高まる緊張を緩和させるため、日本政府は国連軍活動に踏み切った。先んじて派遣された潜水艦“あさしお”は中国軍の対潜作戦の標的に。地下資源と交易拠点をめぐりアジア各国の思惑と戦略は交錯する。
恋人も友もすべてを戦乱に亡くし、傷心のアシュラウルは海を渡る。争いのない世界を夢みて辿り着いた新大陸だったが、この地にも大陸制覇の野望を抱く魔道帝国カイムジェサの獅子王が居た。二度と再び剣は手にせぬ、との誓いも虚しくアシュラウルは、ニーヴァンの玉座を巡る戦いへと巻き込まれていく。
王子が敵の手に落ち、意気消沈するタンガの陣に国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル。両国の王を将とした大軍が国境の砦をはさんで対峙するパラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入するのか。デルフィニア王妃リィの存在がすべての『鍵』を握っている。
昭和19年6月、14隻もの空母に新鋭機を満載し近接信管とレーダー管制による鉄壁の防御を誇る米艦隊がマリアナに迫っていた。日本海軍も残された国力を振り絞って準備した最後の決戦兵力で迎え撃つ。史上最大の機動部隊対決の火蓋は切られた。力押しで攻める米攻撃隊は大量の新鋭戦闘機紫電改に邀撃され被害が続出。一方の小沢艦隊は一向に攻撃隊を出さず、奇妙な行動を繰り返す。これが樋端中佐の遺した詭計なのか。決定打を欠く両軍を呑み込むように南洋の暴風雨が迫っていた。
英語のスラングで愉悦の声を上げ、エクスタシーに達すると乳房に黒子が浮かびあがる女を探せ。-それが、鹿成建設・戦略情報室の日高竜介に下された特命だ。その女こそ「スイス・メトロ・プラン」におけるアルプストンネル工事受注の機密書類を強奪した犯人なのだ。総務部の美人OL、キャンペーンガール、スチュワーデス…日高は“女”を突き止めるために、次々と美しき獲物をベッドへ誘い、秘技の限りを尽くす。そして、ついに真相が。興奮指数100の書下ろし官能サスペンス。
大国「征」の中原制覇を阻むため、「衛」と「容」が結ぶ盟約交渉の席で、二人は再会を果たした。「衛」王耿無影と無冠の謀士耿淑夜。かつて兄と慕い、やがて仇と憎んだ無影が明かす思いもかけぬ真実に堅くしこった淑夜の心は溶けていく。だが恩讐の歳月はもはや後戻りできぬほど二人を隔て、戦場へと風が漢(おとこ)たちを駆り立てる。
神聖連合王国の北方軍が遂にシヴァート奪還へと乗りだした。南北両面からの攻撃にいよいよ窮地に追いこまれた帝国軍。しかし獅子王は不気味な沈黙を守っていた。順風満帆に見える戦いの裏で秘かに暗躍する反逆者たち。野望や思惑が交錯する中、アシュラウルが採った策とは。
バウィラノス軍の侵攻を食い止めた新将軍アシュラウルは不敗の防衛体制を築くことで聖戦という名の殺戮の終結を目指すだが、久々の勝利に酔いしれる王達は更なる勝利を要求するのだった暗澹たる思いを抱いて敵情視察に出たアシュラウルの前に現れたのはいまやバウィラノスの執政となった最愛の妻モアラの姿だった。
オイル・ロード防衛の任を帯びペルシャ湾に派遣された日本艦隊。そこに、暴発した一部イラン軍がシルクワーム・ミサイル多数を撃ち込んだ。突然の飽和攻撃で、旗艦「しらね」を失い、空母「信濃」も深手を負ってしまう。あまりの犠牲に、艦隊の帰投を命ずる日本政府。しかしこの間、東アジア情勢に深刻な緊張が生じていた。南沙諸島の権益をめぐり米中が衡突、米機動部隊艦載機が中国空軍機を撃墜してしまったのだ。母国をめざす「信濃」の行く手には、続々集結を開始する米中空母の艦影が。
カイムジェサ帝国との決戦に向けて戦備を整える神皇帝アシュラウル。その足元をすくうかのようにニーヴァン王エルダーンが叛旗を翻した。人間の野心とはかくも激しく、愚かしいものなのか。苦い想いを胸に、アシュラウルは単身陰謀渦巻く王都へ飛ぶ。だがそれは、さらなる騒乱の序章にすぎなかった。