出版社 : 星海社
「ありがとう、みんな……。頑張るね……。精一杯、頑張ってみるからね……」 ついにアメリカ大使館に足を踏み入れた日毬と颯斗。二人を待ち受けていたのはアメリカ諜報機関の要人たちだった。国策について熟考する日毬に対しCIA、国防総省(ペンタゴン)、自友党、民政党、公安警察がそれぞれ共闘を申し出る。日米同盟、日中関係、核武装化……国際社会の企ての渦中で、日毬が選び取る未来とはーー!? 目的は政治の頂点、手段はアイドルーー。至道流星の“政治・経済・芸能”エンタテインメント、千客万来の第6巻!!
悲しさを泉から掬うように、ぼくはあるとき、七年間を失った。 奇妙にからみあう運命のなかで、ぼくにもたらされた約束はただひとつ、初恋の「きみを守ること」。でも大人になるその途中で、ぼくは神話のように「妹」を手にとった。摘みとってしまった花はその香りでぼくを離さない。その花はポーフィロジーン。両手をひろげてぼくを求めている。「妹」を裏切るかのようにぼくは初恋のきみと、陶酔のオートエロティックに溺れる……。静かに雪の降るなかでぼくを待っていた「妹」は、汚されていた。天使達は天国にいてもぼくたちほど幸福でなかったから、ぼくたちをうらやんだのかもしれない。運命は壊れやすく、脆く、切ない。ぼくが目指すべき未来はどこにあるのだろう? ぼくが救うべきひとは誰なんだろう? ぼくの道は続いていく。
俺たちは、俺と春鷹は、正義の味方じゃない。 自分の欲求のためだけにやっているならず者だ。 敵討ちでもなく、義憤でもなく、ましてや正義の味方というわけでもなく、「ただの憂さ晴らし」のためだけに、壮絶ないじめ事件の首謀者である凌麻をとことんまで追い込む “ならずもの(バンディッツ)”二人組、弦と春鷹。拉致、傷害、監禁、尋問……あらゆる手段を問わずに暴れ回る弦の生き様に惹きつけられていくかつての仇敵、倫子。どこまでも無軌道な青春を貫く彼らの行く手に現れる黒人の“魔術師”スカンクの謎めいた言葉ーー「魔術師を怒らせると何をすると思う?」--の果てに描き出される、明るい破滅の姿とはーー!? 解説:犬村小六
真理はここに。神の野心を打ち砕く礎にして、一条の希望なり アメリカ・スタンフォード大学で研究員として働く桜井海斗は、学生相手に社会心理学の教鞭を執り、充実した日々を送っていた。だがその安寧は、世界最大の資本家・ブランフォート家による独裁支配計画書「世界統一政府プラン」を知ったことにより、暗転してしまう。口封じとして父を暗殺され、怒りと悲しみに暮れていた海斗は、遺伝子操作によって創り出された天才少女・リザと出会い、共にブランフォート家を打ち倒すため日本で活動を開始する……。 圧倒的なスケールとリアリティで描かれた「覇道」の世界征服、ここに開幕!
2999年、人間は機械と化し、あらゆる部位が交換可能な身体で暮らしていた。人生の選択はすべて「塔」にある中央コンピューターが管理し、街で暮らす誰もが過不足なく、完璧な幸福を実現できるようになっている。幸せの永久機関が存在するこの街は、人類の理想そのもののはずだった……。はるか未来で繰り広げられる、人であって人でないものたちの、闇と光の物語。渡辺浩弐の伝説的傑作、ここに復刻。
伝説はついに裏切りの夜を越えた……。<混成調査隊>から劇的な離脱を果たした婁震戒の凶行によって一触即発となった事態の打開を図るため、各国はニル・カムイの首都・シュカにおける親善会議に先駆けて「夜会」を開くーーが、その会場に突如として迫る<赤の竜>の影! 革命軍、黄爛軍、ドナティア軍が三つ巴となる激戦のさなか、忌ブキに次第に芽生えていく“王”としての意志は、この島を救うのか、それとも滅ぼすのか。激動と狂瀾の果てに英雄たちを待つ驚愕の賽子の目(運命)とは!?
「私はいつでも私であって、他の誰のものでもない」左翼アイドル・槙野栞が加わり千歳と凪紗もアイドル活動を本格化させ、ますます活気づくひまりプロダクション。芸能事業が順調に推移するなか、日毬たち日本大志会は政権奪取に必須であるメディア対策のため、記者たちの“インナーサークル”設立に動き出す。一方、さらなる事業拡大を目指す颯斗は、国民的天才アイドル・片桐杏奈の移籍をめぐり、芸能プロの筆頭・西プロダクション相手に争奪戦を開始する!! 目的は政治の頂点、手段はアイドルーー。至道流星の“政治・経済・芸能”エンタテインメント、知略縦横の第5巻!!
「人は、悪意の塊(かたまり)なの」 かつて皇鳴学園中に「読めば死ぬ」忌み語をまき散らし、学園から消失した彼岸と対峙する少女、篁亜矢名。彼女の存在に魅入られた五年前の日々を回想するオカルトサイト管理人・クリシュナさんが語る亜矢名に、美鶴木夜石の闇色の目は妖しく輝く。それが、夜石の失踪事件の始まりだったーー! 一 肇 ×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説フェノメノ 参 収縮ファフロツキーズ、〈ファフロツキーズ〉編、ついに完結!
「世界征服。私、世界を統べる王になるの!」“人類史上最高の知能指数”を持つ絶世の美女・水ノ瀬凛。零細企業の青年社長・朝倉陣の会社に加わった凛は革命的なビジネスプランを立案し、会社を前代未聞の速度で成長させていく。だがそれは凛の“目的”を達するためのほんの序章に過ぎなかった……。 「世界征服をたった一冊にまとめることは可能か?」というテーマに挑戦した至道流星の衝撃デビュー作・『雷撃☆SSガール』が改題の上、待望の文庫化。
空が青い。なんて青いんだろう──。 正体不明の敵・ファタルに蹂躙され、滅びに向かう黄昏の世界。人類に残された僅かな街の一つ、朧市では、少年少女までもが前線で命をかけて戦う。 記憶を失った主人公・大海八尋もまた、刀を手に、絶望的な戦いに身を投じてゆく。全てが不確かであやふやで、失われてしまうものであるとしても──それでも、世界は美しい。 異才・十文字青が同人誌『BLACK PAST』に発表し、話題をさらった長編を加筆訂正し、解説を加えて星海社FICTIONS化。解説・坂上秋成
この街は、「幸せの約束された完全都市」のはずだった。超未来の闇と光の群像劇、開幕! “ヒト”が創造主と化したはるか未来。「塔」があらゆるものを管理し、完璧な幸福が実現しているはずの“街”に、“彼ら”は暮らしていた。髪、顎、鼻、唇、目、記憶、そして子供……。あらゆるものが取替え可能な閉鎖都市。嫌な記憶は消せばいい。めんどうな子供はスイッチを切ればいい。みんなそうしてる。だれも疑わない。誰にとってもいちばん大切なもの、それは“自分”だから……。はるか未来で繰り広げられる、人であって人でないものたちの、闇と光の物語。渡辺浩弐の伝説的傑作、ここに復刻。
この学校をコロンバイン高校にしてやろう。そう、決めていた。 悪徳資産家として名を馳(は)せた父親の逮捕をきっかけにスクールカーストの頂点から最底辺へと転げ落ち、ガスガンの的にされ、左目を潰(つぶ)された雪路。 「誰も信用するな。損得だけで考えろ」 体に染みついた父の教えに則って復讐という名の取引を開始した雪路とその恋人・真波の前に現れた謎の黒人ドラッグディーラー、 “魔術師”スカンクは妖しく囁くーー「俺の薬物は、魔法だ」 熾烈(しれつ)ないじめを迎え撃つ十七歳の凶弾の行方(ゆくえ)はーー!? 江波光則が圧倒的な筆力で咲かす悪と暴力の華。著者初のシリーズが満を持して開幕。解説・虚淵玄。
そして、仲間たちの血は流れる──。 新宿を恐慌に陥れた戦いの後、アラタたち一行は日本を出国し、タイへと降り立った。その地でアラタを待っていたのは、“子供使い”の悪しき影響で横行する少年兵を使ったビジネスと、“あの男”との思わぬ形での再会だった。再び、ファンタジーで現実を壊すべく、戦いに身を投じるアラタだったが、わずかな油断が、子供たち──そして、彼を愛した女の命を窮地に陥れてしまう……。熱帯の戦場に血飛沫が舞う、緊迫の第3巻!
「--間違いない。これからヤバいことが起きる」 「もう、美鶴木夜石(みつるぎよいし)とは関わらないこと」 知る人ぞ知る本物のオカルトサイト、『異界ヶ淵』管理人のクリシュナさんの忠告もつかの間、再び俺の前に現れた闇色の瞳の美少女・夜石は呟く。 「なぜ、あの時計はいつも遅れるのかしら」 血の雨が降る皇鳴(こうめい)学園の時計塔、転生する猫、読めば死ぬ呪いの書……。あり得ない場所に、あり得ないものが突如落下してくる武蔵野怪雨現象(ファフロツキーズ)の最中、皇鳴学園の歪みの果てに「もういるはずのない少女」の影が立ち上がる……! 一肇×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説!!
ネットにアップされた、黒戸サツキの超常の身体能力を捉えた動画が上代雪介ら“オカルト部”を新たなる大事件に巻き込んでゆくー。-ある夜、雪介の前に忽然と現れたロシア人美女。彼女はホルマリン漬けにされている自分の子供を雪介の異能で生き返らせるよう命令する。人の意志を操る能力を駆使し、黒戸の力をすら退け、雪介たちを思うがままに翻弄してゆく“彼女”。その非情な決意の裏には、歴史が生み出した哀しみが宿されていたー。星海社FICTIONS新人賞から飛び出した俊英・野中美里、満を持しての受賞後第一作。
「か、神楽日毬(かぐらひまり)なのである。正しい右翼は、日本に私ひとりなのである!」 マスコミ、公安、機動隊から監視されるなか、代々木競技場で開催された日本大志会・第一回党大会。憲法改正、国防戦略、社会政策……高らかに演説する日毬は党大会の最中、一人の男の才覚を見出だし、大志会隊員として抜擢する。 芸能活動では日毬がプロデュースするブランドビジネスを、由佳里が主導する蒼通がメディアの力でブームを造り出す。全てが順調に進むと思われたなか、日毬の身に異変が……。 目的は政治の頂点、手段はアイドルーー。 ますます加速する、至道流星(しどうりゅうせい)の“政治・経済・芸能”エンタテインメント!!
俊英・一肇(にのまえ・はじめ)による、“ありとあらゆる怪異を詰め込んだ青春怪談小説(ホラー)”『フェノメノ』(星海社FICTIONS刊)より、第一章にあたる『願いの叶う家』を朗読バージョンで完全リライト。栗山千明が“暗闇の恐怖”を演じ、朗読したピクチャーレーベルCDと、安倍吉俊+なまにくATKのタッグがおくるフルカラーハードカバーブックレットをパッケージ化した星海社朗読館シリーズ第六弾。
「私、守銭奴なんです。お金が好きなんです!」 アステッドプロとの騒動を経て日本中の注目を集める存在となった日毬は、芸能界に復帰し、飛ぶ鳥を落とす勢いでトップスターへの階段を登り詰めていく。一方、颯斗はプロダクション拡大の次なる一手として、新人アイドルオーディションを開催する。普通のアイドルなんていらないーー! そんなコンセプトのもとに殺到した多数のアイドル志願者の中、たった一人、異彩を放つ少女が現れるのだがーー!?目的は政治の頂点、手段はアイドルーー。至道流星の本気が迸る、“政治・経済・芸能”エンタテインメント、第2弾!!