出版社 : 講談社
あたしによく似た、新人のアイドルがいる-って言われても、似てるのが“後ろ姿”じゃね。ちょっと、ピンとこない。ありがちな、他愛のないおしゃべり。まさかこれが、高2の夏最大の事件の、はじまりだったなんて…。あたし、百武千晶。BFがエイリアンってことを除けば、ごくフツーの女の子。なのに、後ろ姿が似てたばかりに、アイドルと間違えられて、誘拐されちゃった。
その日。6月最初の月曜日は、1週間くらい降り続いた雨がようやくやんだ日で。授業が終わると、あたしとサキは一目散に教室を駆けだしたものだった。あたし、工藤由香。高3。そのときには、久しぶりの寄り道の楽しさに、今日、お見舞いにいく中野和美ちゃんのことも、すっかり忘れていたほど。もちろん、あたしたちは、それを、ただのお見舞いと思っていたけれど、あたしたちの場合、それじゃすまなかったりするの…。
聖夜、あなたが欲しいのは、なあに?麻衣子の弟・孝夫は、日下百合子さんに銀のブローチをプレゼントしようと、一所懸命バイトをしていました。ところが、サンタクロースがナイフを振りかざし、少女に飛びかかるのを目撃してしまったのです。孝夫は、この事件がきっかけで、遺産相続をめぐるトラブルに巻きこまれ、百合子さんにも危険が。イヴまで、あと2日しかないのに。メリークリスマスは迎えられるの?孝夫、冒険編。
あたし、原田詩織。今日で中学校を卒業した15歳。で、彼の名前は、中島翔太。あたしたち、クラス公認のカップルだったんだ。それなのに、翔太ってば、大切な制服の第2ボタン、ポイなんて、簡単に下級生の女の子にあげちゃったのよ。ひどいと思わない。だから、あたし、翔太のこと大好きなのに、「翔太なんか、大キライ!」って言っちゃったの。だけど、そうしたら、あたしたち、ホントにダメになっちゃったんだ…。
ねえ、予知夢って信じる?未来の出来事が夢の中に現れるっていう、いわゆる予知能力の一種なんだけど-。あたし、志摩なつき。高校1年。水無瀬徹と圭は、あたしの幼なじみの双子の兄妹。今回の事件は、同じクラスの神辺郁子が、夢の中に現れる自分の恋人は誰なのか、探しだしてほしいというものだったの。しかも、もしかすると、その人物は、あたしが片思いしてる、徹かもしれないんだ。
あたし、伊藤実花。高2。この胸がドキドキしているのは、初めて口にしたカクテルのせいじゃない。修二さん、あなたにときめいているからなの。ねぇ、あなたがあたしに優しいのは“妹”みたいに思っているからなの?そんなのはイヤ!あなたの“彼女”になりたいの…。でも、あなたの左手の薬指には、ステディ・リングが光っていて-。ちょっぴり大人の恋、せつない物語。
「ぼくときみは、めぐり逢う運命だった」耳もとでそう囁いて、菜々美の掌に水晶のペンダントをのせた美少年は、森の中の屋敷へ消えていった。-もう一度、会いたい-。その屋敷に潜入したあたしが、そこで見たものは、彼を囲んで、花のように歌いながら踊る妖精たち。胸には水晶のペンダントが!あたしが好きになった彼は、何者なの?女の子のハートをときめかす水晶と恋の物語。
「90日だけ、ネコの姿で、この世にとどまることを許しましょう」綾が悲しみから立ち直るまで、どんなことをしてでも見守ってやりたいっていう、オレの必死の願いに、神様も根負けしたらしい。-というわけで、ホントなら、とっくに天国へ行ってるはずのオレ、良は、ネコのリョーとして、綾のそばにいる。ただし期限は90日。たったこれだけの時間で、オレにできることは、なんだろう…?
栄光と豪奢の都・香港。繁栄を続けるこの地に、ふってわいたような“幽霊船”事件。人々は恐怖におののくが、これはまだ、次に始まる惨劇の、序章にすぎなかった…。涼・雨宮。ネオ・ナリタの妖魔“アルディーン”という、もう一つの顔をもつ彼は、ヒョンなことから、香港の“幽霊船”事件にかかわるハメとなる。もちまえの正義感と好奇心から、事件解決にのりだす涼だが…。『元宵節』を舞台に、香港3部作スタート。
「花梨、ラブレターの代筆、頼みたいんだ」光司は、幼なじみのあたしが、今まで見たことのない真剣な目で、そう言った。コウジが好きになったのは、お嬢様学校に通う由美。ロングヘアを風になびかせ、大きな瞳とかわいい口もと。どれをとっても、あたしはかないっこない-たった一つ、由美に勝てるのは、コウジを好きな気持ち。でも、いまコウジの目には、由美しか映らない。せつない心、届けたいのに。