出版社 : 講談社
徹は、黒縁めがねにきっちり三つ編み姿の、秀才・小泉にぞっこん惚れていた。けれども夢の中なら、おそろしく大胆に迫れるのに、いまだ「好き」とさえ告げられぬまま。そんなふたりの前に転校生が現れた。佐藤千鶴-。それは、ふたりが共有した夢の中に出てきた同級生。そのちづを救うため、竜と戦った。そして、彼女は徹が好きだったはず…。あれが予知夢なら、ふたりはどうなるの?夢と現を彷徨う、不思議な冒険譚、完結編。
ジリオラは、船乗り“海の鼠”の忘れ形見ディオラの母として、平穏な日々を送っていた。しかし、オカレスク皇家から、ジリオラの迎えがやってきた。伯母のロディラ女帝の病状が悪化したためである。もしも、伯母が崩御するようなことになれば、88代皇帝に即位するのは、ジリオラしかいない。だが、それは、傭兵としての旅を共にしてきたエフェラとの別れであり、愛娘の運命をも変えてしまうこと。いま、ジリオラに決断のときが来た。
ホシオと出会って、3年の月日。宇宙船にのって地球にやってきたホシオだけど、見た目は、ふつうの日本人。あたしのイトコってことになってる、あたしの落ちた灯林学院大1年生。あたし、百武千晶。19歳、予備校生。灯林に入れなかったら、クリスマスも、ヴァレンタインも、きっとあたしの誕生日も、この地球から消滅させてやるわ…。お願い、ホシオといつも一緒にさせて。
歌舞伎役者の芳沢吉也さんからのご招待を受けて、麻衣子たちは古都金沢へやって来た。『天守物語』の富姫を演じる吉也さんの美しさに、あたしたちは、うっとり。ところが、この劇場から美奈子が消えてしまったの。そして、翌日には、美奈子によく似た女性が遺体で発見された-“証拠写真”のキーワードでつながる二つの事件を追うあたしは、すべてがある小説に結びつくことに気づいたけれど…。事件の真相は、春がすみの中に隠されている。
健吾とは、中学時代の3年間、ずっとずっと一緒だった。あたし、健吾のこと大好き。4月からは、別々の高校にいくことになっちゃったけど、あたしたちは大丈夫、絶対に別れない、そう思ってたんだけど…。ところが、あたし、高校で同じクラスになった椎名くんに出会った瞬間、トクトクトク…鼓動が止まらなくなっちゃったの。まさか、ひとめ惚れ?ううん、そんなはずない。あたしが好きなのは健吾だけ…。
いま、私たち-ミキ、メグ、よしの-は、南の島・トトアレバ王国にきています。景色はいいし、食べ物はおいしいし、ホント、最高の気分。ところが、祈祷師のルンガ婆さまが、何者かに襲われるという、恐ろしい事件が起きてしまったの。そのうえ、私たちの友だちでもあるマーナ王が、犯人にされちゃった。真犯人を捕まえて、マーナの無実を証明するため、捜査を始めた私たちだけど…。
悲しい伝説が生きるお城からきた、勇敢できれいなオオカミ。真名子はいまでも思うのです。あれはちょっと恋だったかな…。-桜の花の咲くころに、わたしと克樹が出会ったのは、オオカミという意味の名前をもつ異国の男の子。恩人の愛した人をさがす彼と一緒に、京都へ向かったわたしたちを恐ろしい事件が待ちうけていた。これはもしかして“呪い”なの…。
睦美の指輪の行方を追い、チョコが訪れたのは、“狂花”と名乗る中国人の家であった。あやしいまでに美しく、花の咲き乱れる庭。そこで、彼が紹介してくれた娘の紅華。彼女の左手には、なんと、青く光る指輪が…。そう、あの、美鈴のクローンではないか。狂花氏とは、いったい何者なのか?そして、“魔女”の顕現が迫っているいま、チョコは指輪を手にすることができるのか…?時間はなかった。ヤマトの命と同様に…。
世界の秩序を司る天界の大秘法〈破界筆〉が、自らの意思で下界へと降りた。目的は、世界を守るべく、術を、那国の王・眠帝へ継承すること。そのための〈器〉として選ばれたのは、茶商の使用人・裕少年だった。〈破界筆〉によって術を伝授されたものの、わけのわからない裕は、沢皓月、蒼月、影月の兄弟に相談を持ちかける。沢三兄弟は様子を見るため、筆を自宅へと持ち帰るが…。沢三兄弟のファンタジック・アドベンチャー開幕。
ヒンドゥー民族共同体で偶然に遭遇した少年エドウィン。彼のおかげで、あたし、岸野絵梨亜は、やっと柾樹と再会することができたの。でも、クシュカの街で再びセレンの襲撃にあい、柾樹は倒れてしまった。あたしには、彼の生死さえわからなくて…。セレン。あたしはあなたを絶対に許さない。愛する柾樹と引き離すあなたを許さないわ。見えない絆で堅く結ばれた、絵梨亜と柾樹のSFファンタジー最終幕。
おひさしぶり、ユナです。またまたアナトゥールを訪れたあたしは、草原の国シルハーンへ、“月光王”に会うための旅にでることになったの。平和への“戦い”の、カギを握る人物。ユージン・シルハーン-。“月光王”は敵か味方か。今回の冒険も、ドキドキと危険がいっぱい。とんでもない“事件”もいっぱい。王子とふたりで、がんばります。
エレベーターの扉が開いたら、なかからは胸にナイフを突き立てられた死体が。混んだデパートでの殺人事件は、動機もわからないし手がかりもゼロで、もう警察はお手上げなの。被害者の姪が、あたし、加奈の友だちだったから、直也と事件の解決に乗りだしたけど…。思ってもみなかった人が怪しくて。証拠を捜すあたしたちの身に、危険が襲いかかる。
新聞部でコンビを組んでいるソータのこと、気づいたときには、好きになっていた。でもね、いつも一緒に行動していたから、知らなくていいことまで、知ってしまったの。ソータには、ほかに好きな人がいる。彼の目が、わたし以外の人を見ていることを…。完璧に“片想い”ってわかったのに、彼を諦めることなんて、できない。そんなある日、わたしの目の前で、ソータと、彼が想いを寄せている彼女が…。
「じゃあな、かな子」。東京の大学へ行く先輩を見送った3月。そして4月。あたしたち-、あたしとみゆきと翔也は、高校3年生になった。3人が同じ場所にいられるのは、あと1年たらず。もう一度、春が来たら、それぞれの進む道へ、別れていってしまう。お互いが大切で、傷つけたくなくて、本当の気持ちを心の底にしまってきたあたしたちだけど、想いはもう隠せなくて…。
すごく好きな人がいるの。だけど、自分から告白する勇気はないし…。一度でいいから、好きな人に、告白されてみたい。『好きな人からの告白』、それは、すべての女のコにとっての憧れの瞬間だけど。あたしには、かないっこない遠すぎる夢…。『告白』をテーマにした3つの恋の物語(『さよならの向こう側』『もう一度会いたい』『朝日のなかで微笑んで』)を収録。梓沙、瑞穂、結の3人の女のコの長い長い片思いの結末は…?
上高地での駆け落ちから四か月。悦子さんと広也くんは、親の反対で引き裂かれたまま。そして、悦子さんは、スキー場でお見合いをさせられることになってしまったの。麻衣子たちは、それをぶちこわすため、北海道へ。バレンタインデーの熱い告白を胸に、ゲレンデはカップルでいっぱい。ところが、たいせつな記念日に、チョコレートに殺意をこめた、恐ろしい事件が待ちうけていた。雪も溶けそうな恋を、悲しみで凍らせないで。
あたし、うちの高校のセンパイ、匠くんが大好きなの。完全な片思いだけど…。そんなあたしが、なんと、東京に引っ越すことになっちゃったんだ…。このまま転校したら、匠くんと会うことすらできなくなる。だから、あたし、ありったけの勇気ふりしぼって、匠くんに告白したんだけど…、結果は、あっさりふられちゃった…失恋…。あたし、匠くんのことは、もう、きっぱり忘れるって決めた…。ところが-。
バレンタインには、告白しようって思ってたのに。大好きなサッカー部エース・祐くんは、目の前で事故…死。天国のミスで、幼なじみの日向の身代わりで死んでしまった祐。でも、日向の命を守るため、自分の命をさしだして、過酷な運命と闘う祐。今度の県大会決勝で、わがサッカー部が優勝しないと、日向の生命も。「愛する人のためなら、死んでもいい!」悲しく、せつないほんとうの純愛の物語。
「俺が、ユース日本代表選手の候補に!」思いがけない知らせに、昴の心は大きく弾む。国際大会出場-、世界へ羽ばたくための、第一歩が始まろうとしているんだ。この調子で、宿敵のSKGを、次の春高で打ち負かしてやるぞ。はりきる昴だったが、やはりSKGの誇る鉄壁のブロックは厚かった。超高校級の選手たちを相手に、青葉が丘のメンバーは全力を尽くし…。