1991年発売
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。広大な砂漠を放浪するリューとエリアードは、偶然出会った隊商に助けられた。長のハルシュ老の勧めで、隊商と一緒に旅をすることにしたふたり。しかしそれが、事件につながろうとは…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚開幕。
1991年、初夏。津和野夕希、16歳。わたしは夢を見ているんだ、と夕希は思った。そして、夢の中の少女は夕希自身だった。『由起乃』-彼は少女の名を呼んだ。クラスメイトの日高達朗は、すごく真剣な目をして、夕希を見つめていった。「あんた。由起乃とは、似ても似つかねえや」“-彼が見ていたのはわたしじゃないの?わたしを通してほかの誰かを見てたの?”
恋の始まりは、いつも突然…。17歳の倉橋樹の場合も、それは唐突に訪れた。雨宿りに飛びこんだ“六本木ピットイン”。煙草の煙と、ジンの香りの向こうに、彼、織田恭平がいた。恭平の吹くアルトサックスの音色が、樹の心を捉えて放さない。初めて知る本物の恋。彼に導かれるまま、樹はジャズの世界へ…。高校最後の夏。樹のほんのりビターなラヴストーリーが始まる…。
あたし、リリアン。バドリジア王国の第二王女。父様は亡くなってしまったけど、女王である母様と、カナリー姉様、妹のクレメンティアと四人で、平和に、幸せに暮らしていたの。でも、その平和は、一瞬にして崩壊してしまった。野望に満したシタ王国によって。あたしはたったひとり、隣国のブロニジアに落ちのびたけど、何もかも失って、いったいこれからどうしたらいいのだろう…。壮大なヒロイック・ファンタジー開幕。
結実の父の荘式があった。結実は、不思議と涙が出なかった。そんなとき、昔父の会社で働いていた嶺子が久し振りにやってきた。今の結実と違って、ゆとりがあって幸せそう。でも驚いたことに、浜田が嶺子の従弟で、嶺子は浜田がオーナーの会社で働いてるだなんて…。結実は、なりふりかまわず、女優よりも知名度のあがる歌手を選んだ。それにはなにがなんでも、待子の協力が必要だった。
高校2年の夏。17歳の誕生日の花音は松浦一泉(みーくん)と再会した。でも彼にとっては、その日は恋人・祐実の一周忌だった。「皮肉だね。俺、もう、花音の誕生日を祝ってやれなくなっちゃった…。」すれちがってしまう想いに、花音の心は重い。恋人の大沢淳悦(淳くん)も含めて、ガラスのように儚くこわれやすい心たちの姿を花音は知っていく…。好評シリーズ第5作。
あたし、みんの。中学2年。実は今、とっても困ってる。だって、うちのお父さん、突然会社を辞めて「便利屋」なんてはじめちゃったんだよ。そしたら、幼なじみのハズムが依頼にきて、犬のラブリーを捜してくれって。最初はしぶしぶ手伝ってたあたしだけど、調査を重ねるうち、意外に奥が深そうな事件ってわかってきた。うーん、あたしってば、もしかしたら探偵稼業に向いてるのかも。
私(真夏)のママが再婚して、新しい家族との生活が始まった。ママが私だけのものじゃなくなるのはちょっと寂しいけど、ママの幸せのためだもの、仕方ない。でも、がまんならないのはあの女-私の継姉・美香子のこと。美香子は、私が大好きな紀之さんの恋人だったことがある。そして紀之さんを振ってしまったくせに、「もう一度よりを戻してもらおう、と思ってるの」なんて言いはじめて。
女子校に通う綾乃は、バイクとぶつかって気を失い、病院に運ばれた。そのときから綾乃の頭の中にゆうこという知らない少女が住みついてしまった。ゆうこは綾乃の担任の筒井先生を知っているらしく、さかんに綾乃をけしかけ、筒井先生に綾乃の存在をアッピールさせた。ゆうこの気持ちを思いやる綾乃は、筒井先生の家を訪ねたりして、先生の関心を自分に向けさせようと必死になったが…。
五月祭のイヴ、その日は妖精の国への扉が開く日。その扉は、ショウのママのイギリスのクレイトン家の領地のどこかにあるらしい。あたし(モリカ)は今年こそ妖精王であるパパに会おうと、ショウと2人でイギリスへ行くことに決めてる。ところが、同じ高校のロック部のウィングが、プロデビューのレコーディングをロンドンのスタジオですることになった。そこで、皆で一緒にイギリスへ…。
あーん、体がなまっちゃう。お母さまには内緒だけど、道場に行っちゃお!一見、お嬢さま、しかしその実体は、柔道、空手の有段者。それがあたし、瀬月なつ美なの。学校に行く途中、ヤクザに囲まれたオカマのおばさんを助けた時から、命を狙われ始めたのよ。いくらあたしが、オテンバでケンカに強くたって、どうにもならない!軟弱な男ばかりで、BFを作らなかったあたしだけど、しっかり守ってくれる騎士がほしい。
「弟を不良の道に誘いこむなんて許せない!ビリヤードなんて不良のやることよ。あたしが、悪い男とのつきあいをやめさせちゃう!」固く決意するあたし伊藤舞子は高校一年生。弟を不良にさせる悪い男だとばかり思っていたあいつだったけど、真剣なまなざしが気になっちゃって…。だめ、だめ、弟のためにも、あたしががんばらなくちゃ!弟からひき離すため、しょうがなく始めちゃったビリヤードだけど、絶対、絶対、負けられないの。
運転手つきのリムジンでお出迎えの女子大生・香織と、ボロアパートで浪人中の達平。まるで違う二人が出会ったのは、彼の愛犬・アルビスを彼女の車がはねてしまったから。美人でも心優しい香織に抱かれて、お調子者のアルビスは昇天するけど、それはちょっと早とちり。さまよう魂は、達平のオンボロ車に乗りうつる。ところが、香織たちは悪い奴らに誘拐されてしまった。大ピンチの二人を救えるのは…。HELP!アルビス!
バーン!扉がたたきつけられるように開いて、「結婚するな、しちゃいけない!」。声が礼拝堂にひびきわたる。いとこの結婚式に乱入した人-。これが、あたし小寺早野香とヒデヨシさんの出会いだった。そのときの彼、素敵なの。生き生きとしたあの顔、声…。ああ、いま、彼に会いたい!彼、小さな劇団に入ってるの。で、あたし、母の猛反対をおしきって、幼なじみのシンくんの協力で劇団に入ったら、彼には強力なライバルが。
あたし、佐伯若葉。15歳。東京の千代田区の19世紀末ヨーロッパ風邸宅で、望おじいちゃんとふたり暮らし。今日は高校の入学式。朝食を食べながらも、あたしはもう胸がどきどきしてるの。どんなクラスメイトがいるんだろ…。そう、それに。学校にいけば“あの人”に会えるかもしれない…。-今回の作品は、吸血鬼の側から見た“バンパイア”シリーズです。よろしくネっ。
わたし、こんな気持ち、ずっと、ずっと、気づかないほうが、よかった…。わたし、美緒子。高校1年生。杳一クンと珪吾クンとは、俗に言う、幼馴染みってヤツ。小学校のときから、ずっと、いつでも、何をするんでも一緒の、仲よしなの。わたしにとって、杳一クンも珪吾クンも、どっちも大事。わたしたち3人は、ひとりでも欠けたら、不完全なんだもん。どっちが好きとか、そんなんじゃないはずなんだから…。
大好評の短編集第2弾。春にちなんだ恋の物語を5つ収録しました。せつない片想いから、爆笑青春ストーリー、そして、ちょっぴりHなラブ・コメまで、ぜんぶ1冊に。さあ。あなたの恋はどれですか?
金と銀のふたつの月が交わる地を、金と銀に輝くふたりの若者が、軽やかに旅する。かつてこの地には、第三の月があったという-。亡きハルシュ老の最期の願いを果たすべく、セレウコワへの道を急ぐリューとエリアード。その途中、グリフォンと名乗る男が、強引に彼らの仲間に加わった。銅仮面ことグリフォン。彼に秘められし過去とは…。あやうく、あやしい絆で結ばれる、金と銀のふたりの冒険譚第二幕。
「早く帰りたい」-真菜はなんとなく憂鬱だった。テニス部の冬合宿は、まだ始まったばかり。大好きな沢田君も一諸だし、素敵な先輩もいるのに、いやな予感がするのはなぜ?やがて、降りしきる雪の中、惨劇は始まった。ひとり、またひとりと、部員が消えていく。恐怖におびえる真菜。いったい誰が、なんの目的で?11年前に起こった事件とは。期待の新鋭が贈る、モダン・ホラーの傑作。