2015年3月13日発売
仕事をしないことに定評のあるホラー作家・宇佐見右京は怯えていた。相手は忍び寄る悪霊…ではなく、担当編集の青鬼修輔。「原稿さえ書けるならあなたに手足なんていらないんですよ」「や〜め〜て〜!」と、青鬼が相変わらず全く原稿の進まない右京を罵倒しつつ頭を抱えていた、その頃。右京の先輩作家・楢崎が不可思議な遺体として発見され、さらに右京と交流のあるホラー作家・立野が爆破事件に巻き込まれてしまう。やがて事件の陰は、右京自身にも少しずつ近づいていて…!?
東京・谷中にある月影寺の奥に居を構え、居候・宇多蒼一郎と二匹の猫とともに暮らす白藤晴。骨董に才がありつつも、過去の経緯から今は小間物作りで細々と生計を立てる晴だったが、作品を扱ってくれる雑貨屋の女性店員・真澄から、避けていた骨董品鑑定にまつわる相談事を持ちかけられてしまう。彼の作品に惚れ込んでくれる真澄の頼みを断ることができず、晴は渋々引き受けることになる。だが、骨董鑑定に訪ねた真澄の実家で、彼は身元不明の死体を発見してしまい…!?
タナトスが再び姿を見せてから数ヶ月。受験シーズンに入ったためか、近隣の中学では校内暴力事件が多発。また、繁華街でも通り魔事件が発生していた。街が不穏な空気に包まれる中、更紗自身も通り魔の人質となってしまう。海斗たちの機転によって事なきを得たが、この事件を契機に、更紗の闇は少しずつ浸食されていき…。これもタナトスの計画の一端なのか?海斗は大切な人を守れるのか?そして、兎の男・タナトスとアキ姉が、ついに海斗の前に姿を見せるー。
両親の死をきっかけに、賑やかなつくも神たちと一緒に田舎の一軒家で暮らすことになった大地。弱ったつくも神に力を与えることができるという彼の力を頼って、今日も今日とて、海波家には様々なつくも神がやってきていた。ひとりは自分の本体が何なのかすらわからないという、記憶喪失のつくも神「フウ」。そしてもうひとり(?)は、化けることが苦手なカワウソのつくも神「瀞」。彼らの力になるべく大地とリリィは奔走するが、その姿を「物の怪が見える」という大地の同級生・冴華に見られてしまいー!?
ロザが、殺人を犯したー。調律師・朝倉冬治は、永峰あきらの義父・殿村秀臣の殺人と機巧体管理法違反の容疑で逮捕収監され、世間にはアリスに対する批判の嵐が吹き荒れる。資産家・喜田、探偵・三ツ橋らの尽力で幸いにも釈放される冬治だったが、世間から身を隠すことを余儀なくされ、依然としてロザの行方は知れないままだった。そんな中、ある女性が冬治への接触を試みる。その女性とは、アリスの開発者・千早響子博士。ロザの行方を知るという彼女の口から語られるのは、アリスの誕生にまつわる、哀しき物語だった…。幾多の断片は互いに絡み合い、ロザへと収斂する。果たして冬治は、“あきらの心”を救うことができるのか?頼もしき仲間たちの助けを得て、物語は終幕へとひた走るー。伊吹契×大槍葦人のタッグが贈る“未来の童話”、ここに完結ー。
銃火が止み、子供たちは惑う──。 銃を置き、日本の高校に進学したサキ。様々なギャップとアラタへの複雑な感情に悩む彼女に訪れた、三者面談の日を綴った「私のトリさん」。 元娼婦であり、アラタの語学の教師であり、現在は難しい立場でアラタに接するホリー。そんな彼女は、アラタの心を縛ることができるのか? 知られざる女の戦いが描かれた「新しい首輪」。 停戦後、変わりゆく生活に適応できず、懊悩するイブン。ただ純粋に父を規範とする少年に、自らの狭い世界を打ち破る日は訪れるのか?(「若きイヌワシの悩み」) そして、2014年秋の徳島マチ★アソビで行われたアナログゲーム「マージナル・オペレーション[R]」とつながる、もう一つの日本篇「子供使いの失踪」。 全てが本篇以降の時間軸に位置する、書き下ろし4篇を収録。待望の短編集第2弾!