2022年8月18日発売
競馬学校、騎手課程。入学倍率10〜20倍、学科試験のみならず身体・運動機能検査など資質が問われる狭き門である。アイドルグループで人気を博した少年は、自分の心からの夢と初めて出会いー、島育ちの少年は馬とともに駆けることに憧れー。英国出身の少年は親によって決定づけられた己の道に迷いながら、それでも自分の夢に向き合ってー。これは、それぞれに騎手を夢見て競馬学校の門をくぐり、3年間を過ごす彼らの、その青春の軌跡の物語。
中田忍の苦悩。物語は謎の限界へと向かう。 謎のメッセージとともにもたらされた“異世界エルフ”アリエルの身分を公的に証明する書類の数々。 多くの問題を解決し、忍の目指す異世界エルフの社会的自立を大きく助けてくれるはずのそれは、同時に『公的機関のデータベースを自在に操り、インターネット通信を常時監視しているかの如き、超越的な謎の監視者』の存在を示唆するものでもあった。 浮き彫りとなった異常を前に、家族を守るべく戦線を離脱する徹平、遠ざけられた由奈、空回りする環、じっと見守る義光。 そして、アリエルを送り出すべき現代社会もまた、中田忍を苦しめる。 いち現代人として、いち地方公務員として、目を逸らすことのできない人類の闇が、アリエルの自立を目指す忍の前に横たわる。 そして、ある真夜中。 完全体異世界エルフの装いとなり、己の前に立つアリエルを前に、忍はぽつりと呟く。 「さよならのためか」 「ハイ」 敵は現実。 逃れ得ぬ現実。 夕闇迫る江の島シーキャンドルの頂上で忍を襲う、前代未聞の「悪徳」とは。 打ち寄せる新たな波紋は、忍から何を奪い、何を与えるのか。 異世界エルフ×地方公務員×群像劇、開花の第四幕!!
色のない九月。色めく私たちの望み。 「1年5組の望紅葉です。よろしくお願いします」 夏休みが明けて、九月。 藤志高祭に向けた準備が始まった。校外祭、体育祭、文化祭が連なる、高校生活でもとびきり華やかなイベントだ。 俺たちは青組の応援団に立候補し、グループパフォーマンスを披露する。 縦割りチームで3年代表として明日姉が、そして1年からは陸上部の紅葉が参加することになった。 夏でも秋でもない、あわいの季節。 俺たちは時間と追いかけっこしながら、おだやかな青に染まっていくーー。
世界の時間が止まるとき、二人の旅が始まる 麦野カヤトは、高校の修学旅行で北海道の函館を訪れていた。 内気で友達のいない彼にとって、クラスメイトたちとの旅行は苦痛でしかない。 それでも周りに合わせてグループ行動を続けていた、そのとき。 世界の時が止まった。 まるで神様が停止ボタンを押したみたいに、通行人も、車も、鳥も、自分以外のあらゆるものが静止した。 喧騒が消え、静寂だけが支配する街のなか、 動ける人間は麦野カヤトただ一人……かと思いきや、もう一人いた。 地元の不良少女・井熊あきら。 「あんま舐めたこと言ってたらぶっ殺すかんな」 口調も性格もキツい彼女は、麦野とは正反対のタイプ。 とはいえ、この状況では自分たち以外に動ける者がいない。やがて二人は行動を共にする。 「琥珀の世界」--数日前に死んだ麦野の叔父が、そう呟いていたことを麦野は思い出す。 叔父の言葉は、世界の時が止まったことに関係しているかもしれない。 そう思い立った二人は、時を動かす手がかりを求めて、叔父の家がある東京を目指す。 時が止まった世界のなか、二人きりの旅が始まった。 【編集担当からのおすすめ情報】 『夏へのトンネル、さよならの出口』『きのうの春で、君を待つ』に続く、 八目迷×くっかのコンビで贈る<時と四季シリーズ>第三弾。
「マウンティング!」それは、古代より伝わる最強の格付け方法である。上流階級の子息が集まる私立鷺ノ宮学園には、絶対のルールが存在する。それは、マウントを取って勝ち上がること!ザ・一般人の佐藤零は、このままでは最下位クラス確定。お金持ちに虐げられる3年間を送ることに。生き残るにはSクラスに上がるしかない。愕然とする彼の前に、突然現れた見知らぬ美少女。月並千里は、いきなりキスして言う。「幸せマウントを取るため、私と恋人になって!」「なんで!?」最強にウザい彼女と手を組んで、学園の頂点を目指せ!第16回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞!
誰かに見られている気がするー少女が感じた悪寒は日増しに強くなり、とうとう巨大な眼球の化物となって彼女に襲い掛かってきた。精神に寄生し恐怖症を引き起こす概念生命体フォビアを殺すため、叶音は少女の心の中へと侵入する。そこに現れたのは、恐怖の語り部を名乗る男だった。恐怖は伝播し、歪に増長する。『見られる』恐怖は、やがて全く別の禍々しい絶望を呼び起こす。「それは君が、何を賭しても忘れたいと願った事なんだよ」怪物を生み出しているのは誰なのかー闇に沈んで恐怖を滅すサイコ・アクション!第16回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。