制作・出演 : アニマ・エテルナ
古楽的視点が、後期ロマン主義的な拡大主義と過剰な美を洗い流し、曲の持つ純粋美を抽出させるインマゼールの手法が、ロマン派の典型的作品とも言えるリムスキー=コルサコフの作品を一変させた。
アニマ・エテルナと共に、常に刺激的な演奏を繰り広げているインマゼールによるハイドン。ハイドンには比較的珍しい短調の交響曲と、自身が独奏を受け持ったピアノ協奏曲という興味深いカップリング。
もうとっくに演奏しつくされ聴かれつくされたかのような両曲なのに、インマゼールの演奏で聴くと、どこか今までの聴体験をリセットしてくれるような新鮮な面白さと驚きがある。そしてこうした演奏を受け入れて、なおも生き続ける曲のエネルギーも再認識。
指揮者インマゼールがベートーヴェンの交響曲に初挑戦! 使用楽譜はすっかり定着した感のある新ベーレンライター版。ホール・エコーを多く取り入れた響きが壮麗さと透明感を両立させ、第九の巨大な世界観もしっかり表現されている。歌は総じてあっさり。
最新のベーレンライター・クリティカル・エディションに拠って、ベルギーの古楽演奏の最先端を聴かせてくれる充実のシリーズもこれで完結。シューベルトの交響曲の一つひとつが独自の輝きを放つ充実の内容で、“優しさ”がふわりと加わっている。★
速い速い。ノリントン盤も快速調だったが、インマゼールが採った第1楽章冒頭テンポはほとんどモデラート。シューベルトの前衛性を前面に出した解釈だけに耳慣れないフレージングも頻出し、とても“天国的”になんて聴いちゃいられない。繰り返し励行。
インマゼール率いるオリジナル楽器オケ、アニマ・エテルナによる交響曲全集の第1弾。ベーレンライター社から刊行中の新全集版スコアを使い、ピッチをA=440とモダン楽器並みに設定(これは新鮮!)。従来の「未完成」のイメージを大きく変える演奏である。