制作・出演 : アルトゥーロ・トスカニーニ
速いテンポの音楽でNBC響の弦楽器セクションが鬼のようなアンサンブルを聴かせてくれる。特に第94番。ほとんどマジカルと言っていい。トスカニーニも内面を燃焼させることよりも、アクロバティックなオケの妙技を楽しんでいるような感じがする。
激しく力強い怒涛のモーツァルト。余分なロマンティックな表現を避け、曲のもつ内面の激しさを表現しようとしているところは、現在の古楽演奏の先駆といえるが、モダン・オーケストラの威力を誇示するところは、古楽と正反対の存在ともいえそう。
トスカニーニ最晩年の録音。第7番がすばらしい。鮮明なリズムから生み出される、あふれんばかりの躍動感(第1,3、4楽章)は圧巻。サラリとしてはいるが歌心に満ちた第2楽章も絶品。“前へ前へ”と叱咤激励し活力を与えてくれるような演奏である。
制作・出演
NBC交響楽団 / アイリーン・ファーレル / アルトゥーロ・トスカニーニ / ジャン・ピアース / ナン・メリマン / ノーマン・スコット / ベートーヴェン / ロバート・ショウ / ロバート・ショウ合唱団制作・出演
NBC交響楽団 / アルトゥーロ・トスカニーニ / ジェローム・ハインズ / ナン・メリマン / ベートーヴェン / ユージン・コンリー / ロイス・マーシャル / ロバート・ショウ / ロバート・ショウ合唱団峻厳にして人間的なあたたかさを感じさせるトスカニーニの「ミサ・ソレムニス」。宗教曲というよりは人間の精神の躍動を感じさせる。表現もきっぱりとしている。トスカニーニはやはり声楽の入る曲がいい。1枚に収められ1500円というのもうれしい。
チャイコフスキーが面白い。音質は申し分なく悪いが、音楽が真っ向ストレート。陳腐な泣き節やバカ騒ぎに目もくれず、折り目正しく格調高い交響曲に仕上げている。作品との違和感がむしろ快適。ムソルグスキーもその路線だが、ちょっと素っ気ないかも。
《アルトゥーロ・トスカニーニ・ベスト・セレクション》の1枚。トスカニーニ自身の歌声まで録音されてしまったくらい激しく感情移入しながら、凛とした厳格さを失わない希有な名演。
《アルトゥーロ・トスカニーニ・ベスト・セレクション》の1枚。この歌劇を初演し、曲の細部まで知りつくしたトスカニーニによる歴史的名盤。不要な感傷を避けながら登場人物は活き活きと歌う。