制作・出演 : アンナー・ビルスマ
バッハ:無伴奏チェロ組曲バッハ:無伴奏チェロ組曲
ひとつの規範、スタイルが確立されたものに、別の規範を提示することほどむずかしい作業はないが、ビルスマはそれをバロック・チェロを使ってなしとげた。バロック時代の組曲の意味を改めてわれわれに意識させる、一つの歴史的名盤だ。
バッハ:フラウト・トラヴェルソのためのソナタ&パルティータバッハ:フラウト・トラヴェルソのためのソナタ&パルティータ
75年に録音された、ブリュッヘンとレオンハルト等によるバッハのフラウト・トラヴェルソのための作品集の復刻盤。オリジナル楽器による演奏としては、すでに定番の部類に入る録音だが、今聴いても十分に刺激的なその「響き」に圧倒される。
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全集
バロック・チェロが生彩ある響きを奏でると、フォルテ・ピアノがさらに活気のあるフレーズで歌い継ぐ。二人のオリジナル楽器の名手による緊張感にあふれたかけあいの醍醐味。難曲であることを忘れさせてくれる奔放なまでの巧みさ。いま、最高に斬新な演奏。
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲
近頃名実ともにバロック・オーケストラとして世界の第一線に躍り出たターフェル・ムジークの、従来の彼らよりハーモニクスを重視した音作りが美しく活かされたヴィヴァルディの演奏&録音。ビルスマのほのぼのとして切れ込み鋭いソロの味わいも大きな魅力。
シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番&2番シューベルト:ピアノ三重奏曲第1番&2番
意外にも、ディスクでのビルスマとインマゼールの共演はこれが初めて。そこにビルスマ夫人のヴェラ・ベスが加わった。古楽界の第一人者同士が組んだ演奏、悪かろうはずもないが、爽やかな春風が頬を撫でていくようなシューベルトはまさに逸品そのもの。
ハイドン:ピアノ三重奏曲集ハイドン:ピアノ三重奏曲集
近頃ハイドンが面白くなった。オリジナル楽器の演奏家たちの活躍が一番の要因に違いないが、その意味においてこのピアノ・トリオも面白い。余韻の短いフォルテピアノによる緩徐楽章の流れのつくり方、アレグロ楽章の躍動感、すべてが余裕さえ感じさせる。