制作・出演 : エン・マイナー
あのフィリップ・H・アンセルモ率いるエン・マイナーがアルバム・デビュー! クリーンなギター・サウンド+低音で 雰囲気いっぱいに歌い上げるヴォーカルというスタイルは、フィリップが過去に聴かせたいかなるものとも違う新たな闇の世界。 ヘヴィメタル・ファンでフィリップ・アンセルモの名を知らぬものはいないだろう。 彼が関わってきたバンド、プロジェクトは数多い。 パンテラについては言うまでもないが、他にもダウン、スーパージョイント、ネクロフェイジア、スコア、クライスト・インヴァージョンなどなど、その活躍のフィールドはデス・メタルやブラック・メタルまでと広範囲に及ぶ。 今回アルバム・デビューを果たすエン・マイナーは、ヘヴィなギターが出てこないという一見異色にも思えるバンド。 だが、ニューオーリンズという音楽文化の豊かな地域で生まれ育ったフィリップに、スタイルの制限など存在するはずもない。 実際彼は、80年代終わりからボディ・アンド・ブラッドというアコースティック・プロジェクトをやってきた。 その発展型がエン・マイナーなのである。 ドラムはダウン、クロウバー、アイヘイトゴッド等のジミー・バウアー。 ギターはフィリップ・H・アンセルモ&ジ・イリーガルズのスティーヴン・テイラー。 だが、エン・マイナーのスタイルは、それらのバンドとは一線を画すもの。 あくまで主体となるのはクリーンなギターやアコギ、そしてチェロ。 「アンチ・ポップ」、あるいは「キル・ザ・パーティ・ミュージック」。 フィリップはエン・マイナーのスタイルをそう呼ぶ。 音楽とは人々を楽しませ、明るい気分にするもののはず。 だが、エン・マイナーがプレイするのは、そんなステレオタイプなイメージの対極にある音楽だ。 ニック・ケイヴ、スワンズ、スミス、モリッシーといったアーティストからの影響を感じさせる、ひたすら暗い、ダークすぎる音楽。 やはり一番の聞きどころはフィリップのヴォーカルであろう。 雰囲気いっぱいの歌い上げは、彼が過去に聞かせたいかなるスタイルとも異なるもの。 まさに「低音の魅力」という表現がピッタリだ。 また1つ新しい扉を開いたフィリップ・H・アンセルモ。 彼のファンならば、エン・マイナーを聞き逃す手はない。 日本盤には19年にリリースされた『オン・ザ・フロア』7inchEPを収録。 【日本語解説書封入】