制作・出演 : ケント・ナガノ
カントルーブ:オーヴェルニュの歌カントルーブ:オーヴェルニュの歌
まるでおとぎ話を聞いているような暖かくほのぼのとした雰囲気に満ちた“オーヴェルニュの歌”。アップショウの歌は表情豊かでヴィヴィット。明るく軽やかに広がるオケの伴奏を背景に、夢のような音の絵画を描いていく。爽やかな緑の草原が目に浮かぶ。
ボレロボレロ
15分28秒の「ボレロ」1発で1,000円ってか。そうか、こういうのアリか。まあサンプラーだもんな。ところでこの演奏、実に几帳面な枠組と細部までクリアな響きの上に、自主性溢れるソロを乗せたもので、熱狂陶酔型のボレロとは一味違うようだ。
ヴァイル:7つの大罪/交響曲第2番ヴァイル:7つの大罪/交響曲第2番
ストラータスのヴァイルは“お奇麗”すぎていつも物足りなかったが、全体としてクオリティが高く聴かせる作りになっているのは、さすがケント・ナガノ。しかしこの盤で聴くべきは交響曲の方。妖しい金管、ボレロの高揚。ヴァイルの魅力がまた一つ増えた。★
アダムズ:エル・ドラドアダムズ:エル・ドラド
現代曲をおいしい切り口で紹介するノンサッチ、今回はケント・ナガノの指揮する「エル・ドラド」。けっこう50年代ハリウッド大作のサントラのノリでいける。破壊と再創造というテーマもそれらしく、ナガノ&ハレ管の充実ぶりを知る意味でも面白く聴いた。
ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」ドビュッシー:歌劇「ロドリーグとシメーヌ」
ドビュッシーが破棄したピアノ草稿にオーケストレーションを施した楽譜を使用。リヨン歌劇場の舞台をもとに制作された世界初録音盤である。この響きが作者の真意をどの程度反映しているかは別として、ナガノの生み出す濃厚な抒情はなかなか味わい深い。