制作・出演 : シューマン
テルデックやエラートの名演が廉価で楽しめる《ワーナークラシック2CD名盤選》。フランスを代表するクァルテット、ヴィア・ノヴァ四重奏団によるシューマンの弦楽四重奏曲全集。
ソナタ第1番の序奏を豊かな共感をもって奏であげたキーシンは、主部に入っても熱い思いに満ちた演奏を繰り広げている。壮大な気宇と詩的な味わいが共存しているあたりもすばらしい。一方の「謝肉祭」は、飛ぶように速い部分がとにかく爽快! 名演だ。★
シューマン夫妻の歌曲を収めた1枚。ロベルトだけでなく、妻クララもロマンティックで美しい歌曲を作曲していたのだ。オーストリア出身の名バリトン、ホルツマイアーのあたたかで素朴な味わいの歌唱が、愛に満ちたこれらの歌曲にふさわしい。
制作・出演
シューマン / ジュリー・カウフマン / トーマス・モーザー / バイエルン放送交響楽団 / ビルギット・カルム / ヘレン・ドナート / マリヤーナ・リポヴシェク / ヤン=ヘンドリク・ローテリング / ヴォルフガング・サヴァリッシュ最近までほとんど聴かれることのなかったシューマンの「レクイエム」だが、こうした曲に光を当てるあたりは、さすがにサヴァリッシュの見識と言えそうだ。40歳を超えたころに作曲された美しい曲。合唱の各声部を巧みにコントロールし、声の色合いを微妙に変えながら、うねりのように展開する。ふと現れる深い淵のような静かな響き。名演。
ベテラン園田高弘の2001年の録音。ゆったりとした味わいの深いシューマン。でも音楽が弛緩しないで、ここというところがかっちりしているのは、さすが。若い頃にしっかりと堅固にドイツ音楽をたたき込んだからこそできる演奏なのだろう。
15年程前の録音。その当時に書かれたライナーノーツにもあるが、40歳を過ぎて、それまでは繊細すぎたペライアが洗練と厚み、スケールの大きさを備え、広く“巨匠”として認知され始めた時期。瑞々しい歌、繊細で表情のあるタッチ、構成の大きさ。名演だ。
デンオンからルックス重視でデビューしたグリモーが、心機一転、エラートから本格再デビューの第1弾となった録音がこれ。当然力の入った演奏だが、力んでいるのは聴き手の方で、演奏は軽快にして才気あふれる。「ブルレスケ」ではジンマンの絡みも聴きものだ。