制作・出演 : スティーヴィー・サラス
実力派ギタリストによる、ジャム・セッションの楽しさを体現した、『エレクトリック・パウワウ』(93年)の続編といえるカヴァー・アルバム。AC/DCの「女たちのリズム」などのロックはもちろん、チャカ・カーンの「テル・ミー・サムシング・グッド」やEW&Fの「ゲッタウェイ」などファンキー・チューンへの愛着もうかがえる。
デジ・ロックなどを使いグルーヴィに料理し直した曲もあり、ベスト盤というよりはリミックス集というないよう。おなじみのドライヴ感あふれる曲のほか、メロウな曲を集めてマイルド・サイドとしたあたり、必ずしもノリ一発だけでない最近の動向が表れるよう。
ジャンル
世界で一番“濃ゆい”ベーシストによるファンキーかつヘヴィでテクニカルな“ファンク・メタル”作品。しかしあくまで歌モノな仕上がりが嬉しい。かつて自らがレコーディングにも参加したhideの「ブルー・スカイ・コンプレックス」のカヴァーも見事。
たとえばゴムのような弾力性を持つと同時に骨太のリフをセンスよく曲に絡ませてくるのがサラスの魅力だ。今作もそんな彼の醍醐味を十分発揮しつつ、デジタル・ファンが駆け巡る。アシッド感覚タップリの官能的サウンドは、いよいよ円熟味を増した。
傑作アルバム『オルタ・ネイティヴ』にリマスターを施し、別ヴァージョンやリミックス、さらには未発表曲やライヴ音源をも加えた究極のスペシャルCD。悪かろうはずがない。サラス自身による曲解説や、カヴァー曲の選び方などにも興味が尽きない。お買い得。
新メンバーによる新作『オルタネイティヴ』に続くミニ・アルバムからのリミックス・ヴァージョン、未収録曲、新録曲で構成された、まあ熱心なファンに向けた内容だが、それにしてもギター主体のファンキーな剛球にはいつもひきつけられる。
現存するロック系のギター/ヴォーカリストとしてはトップ・クラスの実力者、サラスのカラーコードとしての3作目。本作でも生まれながらのファンク/ソウル・テイストは不変で、粘っこく懐の深いサウンドと捻りの効いたタイトルに彼の意気込みが窺える。