制作・出演 : ピンカス・ズーカーマン
ブルッフ&ラロ:ヴァイオリン協奏曲集ブルッフ&ラロ:ヴァイオリン協奏曲集
ズーカーマンの若き日の演奏が集められている。一番大胆なのはラロで、ここで彼は思い切りタメを作り、自在に歌いまくっている。ブルッフはもう少しなだらかさに重点が置かれているが、最も切れ味の鋭さをうかがわせるのは最後のヴュータンである。
モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジークモーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
3曲とも演奏団体が異なるが、総じて明るく、弦楽器の光沢のある豊かな響きが典雅な雰囲気を醸し出している。モーツァルト2曲はやや旧タイプの正統的な演奏だが、「四季」には時々「ンッ!?」と思う瞬間があり、結構侮れない(特にチェンバロ)。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
甘めの艶やかな美音と豊かなスケール感を武器とするズーカーマンにとって、この2つの超有名な協奏曲はぴったりと資質に適った作品だ。ダイナミックな箇所に耳を奪われがちだが、音色やフレーズなどの細部での神経の使い方が凡庸な奏者とまるで違う。