制作・出演 : ファジル・サイ
50歳を迎えるファジル・サイが2017年から足掛け2年の歳月、合計18日を費やして、ザルツブルグのモーツァルテウムを会場に録音に取り組んだ、サイの集大成ともいえる全32曲録音ボックスからのベスト選曲。 サイ自身が、「50年から100年を先取りする作曲をした革命的作曲家」と捉えるベートーヴェンの「聖なるテキスト」のハイライト。 「作品はあたかも作曲されたばかりの新作と向き合うような新鮮さで解釈されるべきだ」と語るサイの、ベートーヴェン・イヤーに捧げる意欲溢れる新録音。
ファジル・サイが6か月以上の作曲期間を費やした新作、《トロイ・ソナタ》は10のセクションからなり演奏時間が40分を超える超大作。 サイが放つ超絶技巧と現代のピアノが持つ楽器の特性を最大限に活かし、トロイの伝説のドラマティックな要素を表現した。 この他、トルコの創設者ともいえるアタテュルクにまつわる4つの逸話を題材とした、《動く邸宅》、 トルコ、アルメニア、アゼルバイジャンおよびイランでよく知られている民謡を基にした《金髪の少女》、 トルコ古典音楽の旋法のひとつ「ヒジャーズ・マカーム」を用いてオールド・イスタンブールの 多文化で懐かしい世界を描写した、《イスタンブールの冬の朝》を収録。
聴く者の心をわしづかみにして激しくゆざぶる、前代未聞の深い深いノクターン! ピアニストの定番レパートリーであるショパンですが、ファジル・サイは今まで日本ではほとんど演奏することもなく、録音は皆無でした。 その沈黙を破って登場したオール・ショパンのノクターン集。それは「きれいにまとめた演奏」とは次元をことにする、胸を焼かれるような憧れと、 深い深い沈潜と、激しい情熱がほとばしり出るようなロマンティックでダイナミックな、ファジル・サイにしかなし得ないハイパー・ロマンティックなショパンとなりました。
ファジル・サイの最新録音&来日記念盤は、驚愕のモーツァルト:ソナタ全集! 入念な解釈と演奏によってすべてが新鮮に響く。 まさに「天才は天才を知る! 」「トルコ行進曲ジャズ」で一躍ブレイクした天才ピアニスト=ファジル・サイ、2年ぶりのソロ・アルバムは、 なんとモーツァルトのピアノ・ソナタ全集6枚組! 番号順に収録するのではなく、曲の性格(色合い)毎にディスクに分け、3年をかけてモーツァルトの故郷ザルツブルクで念入りに収録しました。 各ディスクにはファジル・サイが作曲家=演奏家の視点から名付けたタイトルが付けられています。モーツァルトのピアノ・ソナタは、 時にピアノ学習者の教材扱いされることもあり、ベートーヴェンのソナタに比べて深みが足りないとも言われますが、ファジル・サイならではの 独創的かつ入念に練り上げられた演奏からは、思いがけない深みとドラマが浮かび上がって来ます。モーツァルトのピアノ・ソナタ演奏史において、 まったく違ったアプローチながら、グレン・グールドに録音に匹敵する歴史的事件と言えましょう。
日本を代表するサクソフォン・プレイヤー須川展也の最新作! 長年に渡って数々の楽曲を気鋭の作曲家たちに委嘱してきた須川展也。 それらの中からは、吉松隆「ファジィバード・ソナタ」・「サイバーバード協奏曲」、E.グレグソン「サクソフォン協奏曲」、 M.エレビー「シナモン・コンチェルト」等、今や国際的スタンダード曲として知られる作品の数々が誕生しています。 未来の新しいサクソフォンのレパートリー開拓になることを祈って、須川が熟考の末に近年委嘱をしたのは、 ジャズの巨匠"チック・コリア"、クラシック界の鬼才 "ファジル・サイ"。ジャズ界のみならず、音楽好きなら誰もが知る巨匠 チック・コリアへの委嘱作は、全て「書き譜」というクラシカルなスタイルで記されており、即興のジャズとは一味違うチック・コリアが 楽しめる楽曲です。随所にチック・コリア独特のコードの響きと匂いを感じながら、須川展也の独特で味のあるサクソフォンが楽しめる、 まさに「贅沢」と呼べる内容です。トルコ出身の鬼才作曲家・ピアニスト ファジル・サイによる作品は、全6楽章の組曲。ファジル・サイ初のサックス楽曲で、作曲にあたっては須川と共にスタジオに入り、 特殊奏法など確認をしたそうです。その為、須川展也の魅力を余すこと無く楽しめる楽曲となりました。冒頭から広がるファジル・サイ独特の 美しい旋律。テーマとなるメロディは、シンプルであるからこそ心に響きます。トルコ独特のリズムで奏でるアップテンポ曲から、 重くダークでディープな第5楽章を経て、聴くものの心を一瞬にして奪う第6楽章「フィナーレ」へ。 哀愁あふれるピアノの旋律で始まる世界感は、まさにファジル・サイ・ワールドを表現しています。 「サイバーバード協奏曲」は、日本を代表する作曲家の吉松隆が、1993-94年に須川展也の委嘱を受けて作曲した原曲 (オーケストラとサックス版)のピアノ・リダクション版。作曲者本人の手によって曲の魅力が余すこと無く見事に引き出され、 デュオならではの洗練された音楽として新たに楽しむ事が出来る作品となっています。 3人の巨匠たちによって新たに書かれた、まさに須川展也の“マスターピース”集とも言える本作。 クラシック、ジャズ、現代音楽といったジャンルを超越し、あらゆる音楽好きにとって必聴の1枚です! <収録内容> <全3曲> [58:00] 01. アルト・サクソフォンとピアノのためのソナタ “Florida to Tokyo” [13:34] 作曲:チック・コリア(Chick Corea)*須川展也 委嘱作品 / 2016年作曲 組曲〜アルト・サクソフォンとピアノのための Op.55 [22:17] 作曲:ファジル・サイ(Fazil Say)*須川展也 委嘱作品 / 2014年作曲 02. 第1楽章:アレグロ [03:58] 03. 第2楽章:アンダンテ [04:46] 04. 第3楽章:プレスト [03:20] 05. 第4楽章:"Ironic"(皮肉な) [02:30] 06. 第5楽章:アンダンティーノ、子守歌のように [04:49] 07. 第6楽章:フィナーレ、プレスト [02:54] *2014年10/16 東京オペラシティ コンサートホールにて、ファジル・サイと須川展也により世界初演。 サイバーバード協奏曲 Op.59 ピアノ・リダクション版 [21:54] 作曲:吉松 隆(Takashi Yoshimatsu) 08. 第1楽章:彩の鳥 [08:15] 09. 第2楽章:悲の鳥 [07:47] 10. 第3楽章:風の鳥 [05:52] *作曲者自身による2015年編曲版 *原曲のSax & オーケストラ版は須川展也による委嘱作品として1993〜94年に作曲された。 演奏:須川展也(サクソフォン)、小柳美奈子(ピアノ)
制作・出演
アイクット・キョセレーリ / カロリーナ・アイク / ギュレル・アイカル / チャータイ・アクヨル / ビュレント・エヴジル / ファジル・サイ / ボルサン・インスタンブール・フィルハーモニー管弦楽団制作・出演
AlejandroRutkauskas / MarcinGortel / MariettaKratz / NadineBlumenstein / SorinIonescu / ジャナンドレア・ノセダ / ファジル・サイ / フランクフルト放送交響楽団 / ベートーヴェン最高の音で楽しむために!
最高の音で楽しむために!
数多くのジャズ・フェスに出演経験を持つクラシック・ピアノ界の異端児、ファジル・サイ。本作でも、クラシック、ジャズ、自らのルーツであるトルコ音楽を縦横無尽に動き回るオリジナリティは唯一無二。圧巻はモーツァルトの斬新な解釈とも取れる2曲目。
コパチンスカヤの手にかかると、ヴァイオリンは鋭い刃で空気を切り裂くような危険をはらんだ武器に変貌する。聴き手に一瞬の隙も与えない。聴き慣れたはずの「クロイツェル」も初めて聴くような緊迫感。そしてバルトーク。鋭い音でひと突きにされてしまう。
トルコ出身のファジル・サイは、もっとも活きのいいピアニスト。ハイドンが、古いしきたりの世界から解き放たれ、喜々として飛翔しているかのような演奏だ。録音がまた面白い。間接音をタップリと採り入れ、華麗な響きと豊かな臨場感を作り出している。
ものすごい剣幕で爆走するアレグロ、暴力的な強打も辞さないフォルテシモーーサイは古典的美意識をかなぐり捨て、作品の途轍もないエネルギーを露にすることに全精力を傾ける。刺激に鈍感になりきった現代人に楽聖の熾烈さを体感させる超過激な怪演。★