音楽むすび | 制作・出演 : フィルハーモニア管弦楽団

初出時は豪華なカートンボックスに入り、24頁の写真集(撮影は篠山紀信)のようなジャケットを付した豪華盤だった。内容も決して負けていない。曲の並べ方も抜群。全てにおいてピークを迎えた彼女が、このような形でアルバムを残すのはとても良いことだ。

リストといえばシフラの名がすぐに出るほど、一世を風靡したリスト弾きが、まだバリバリの頃の録音。豪快なタッチのスリルもすごいが、旋律を想い入れタップリに歌わせる、その独特の節回しが彼らしい。時代がかってはいるけれど、やっぱり魅力だ。

ミケランジェリの音楽はピアノの音の追求でもあった。ラベルの協奏曲やガスパールは、彼の色彩表現が最高に発揮された希有の名演。ガルッピやスカルラッティの洗練された音の彩り。ドビュッシーで聴かせるデリケートなトーン。彼にしか出せない音だ。