制作・出演 : フェア・ウォーニング
メタルとAOR的なしなやかさがバランスよく織り込まれた充実の最新作。ドイツ出身でありながら、彼らはモダンなハード・ロックのスタイルを追及、その音はとっても無国籍だ。ジャンルよりも楽曲にこだわるリスナーには洗練されたセンスが分かるはず。
叙情的なメロディを奏でるハード・ロック・バンド。[1]は昨年渋谷公会堂での模様を収録。歓声と手拍子が演奏を盛り上げ、ライヴならではの臨場感がよく表出する。[2]は新曲を収録、変化はなく、彼ららしいメロディアスな姿を堪能できる。
新作も好調なセールスを上げているが、これは彼らの古巣wea時代のコンピレーション。デビュー当時から前作までのバンドの足跡を辿った内容で、注目すべき音源は入っていないが、ドイツのバンドらしからぬ新鮮なハード・ポップ・サウンドが魅力的だ。
この間の来日公演も大成功に終った彼らの日本独自企画盤。今年6月にドイツで行なわれた“アンプラグド”ライヴの実況盤で、(7)と(8)はここでしか聴けない貴重なヴァージョンで収録。完璧なファン向けの1枚だが、彼らの“アンプラグド”は聴きものだ。
7月には待望の再来日も決定した彼らの2作目。すでに日本でも大ヒットしている、話題のアルバムだが、それもうなずけるような内容で、美しいメロディと爽やかな力をみなぎらせたサウンドが耳を引きつける、ドラマチックなハード・ロックを聴かせる。
『レインメーカー』から(1)をフィーチャーしたミニ・アルバム。全4曲収録だが、いずれもハード・ポップな感性に満ちたナンバーばかりで、まさに日本人好みといったところ。アルバム未収録(3)、日本公演のライヴ(4)がマニアには嬉しいトラックだろう。
日本でも人気上昇中の彼らが昨年の4月に実現させた初来日公演の実況盤。ドイツのメタル・バンドにしては珍しくスマートな演奏を聴かせてくれる5人組だが、その印象はこのライヴを聴いても変わらない。坂本九のヒット曲のカヴァー(12)も聴きものだろう。
ドイツのバンドの中でも異色の存在である彼らはあくまでオーソドックスなハード・ロックを売りとする連中だ。本ミニ・アルバムではそうした彼らの姿勢が顕著に現れている。E.プレスリーの(1)、その他もメロディの充実した親しみやすい楽曲が並ぶ。