制作・出演 : ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
第2楽章のフォルテッシモの一撃が有名な《驚愕》。第2楽章で多数の打楽器が用いられ、コーダでは信号ラッパが鳴り渡る《軍隊》。第2楽章で時計の振り子を思わせるリズムが刻まれる《時計》。ハイドン円熟期の《ロンドン・セット》のなかから特に広く親しまれている標題付きの3曲を収録したアルバムです。カラヤンの流麗で精妙な表現と、ベルリン・フィルハーモニーの明快な響きによる格調の高い演奏をお楽しみください。
この第4番はマーラーにしては比較的小編成のオーケストラを用いた、珍しく明るい雰囲気を湛えた親しみやすい交響曲で、人間の平穏な心情やメルヒェンティックな世界を清らかで牧歌的に描いています。カラヤンは自ら磨き上げたベルリン・フィルハーモニーの緻密なアンサンブルを駆使して、作品に内在するロマン的情感をあますところなく再現しており、終楽章ではマティスが天国での生活の楽しさを清澄な声で歌い上げています。
中国の詩をテキストにした管弦楽伴奏の6曲の歌曲からなる交響曲《大地の歌》。死を予感し始めたマーラーの晩年の心境を示す東洋的な美と厭世観が漂う作品で、作曲家が最後に到達した簡潔で透明な筆致の冴えは「素晴らしい」の一言に尽きます。作曲家の豊饒さや完全なる調和の世界をカラヤンとベルリン・フィルハーモニーが圧倒的な説得力をもって描き出しており、ルートヴィヒとコロの名唱も特筆に値するものといえるでしょう。
南国イタリアで受けた印象をもとにした、眩いまでに?剌とした晴朗で快活な《イタリア》。ルターのコラールや宗教的な素材が数多く採り入れられた、宗教改革300年祭で演奏するために21歳のときに作曲された《宗教改革》。メンデルスゾーンの2曲の交響曲をカップリングした一枚です。デビュー当初から鬼才として旺盛な指揮活動を展開したマゼールがベルリン・フィルハーモニーを指揮した、明快で輝かしい響きに満ちた演奏でお聴きください。
標題が示すとおり古典的で簡潔明快な様式美を示す、新古典主義の先駆的な作品である第1番。第二次大戦中に作曲されたものの自由と気高さを表出し、民族的感覚に根ざす豊かな楽想に彩られた第5番。プロコフィエフの交響曲2曲を収録したアルバムです。カラヤンはベルリン・フィルハーモニーの精緻なアンサンブルを駆使して鮮烈な響きや豊かなニュアンスを鮮やかに再現し、20世紀の最も重要な交響曲の真価を明らかにしています。
スターリンの死の翌年に作曲され、芸術の自由化を象徴することになったショスタコーヴィチの第10番。新古典主義時代の作品のなかでも、最も古典的な書法による作品として知られるストラヴィンスキーの交響曲ハ調。20世紀中葉にロシアで生まれた2曲の傑作交響曲を、カラヤンがベルリン・フィルハーモニーを指揮した演奏で聴くアルバムです。彫琢された輝かしい音色と洗練の極致ともいうべき響きによる演奏が魅力のディスクといえるでしょう。
チャイコフスキーが不幸な結婚に悩んでいた時期に作曲された第4番は、彼の交響曲のなかでは最も変化に富んだ情熱的な作品として知られています。壮年期のカラヤンと手兵ベルリン・フィルハーモニーによる起伏の烈しいダイナミックなこの演奏は、現在でも眩いまでの輝かしさをまったく失っていません。バレエ音楽の第1作で最も有名な作品として多くの人々に親しまれている《白鳥の湖》の組曲をカップリングしたアルバムです。?
冒頭に現れる「運命の主題」が全楽章にわたって様々な形で再現し、この主題が全曲を統一する役目を担うチャイコフスキーの第5交響曲。50歳代の後半を迎えた壮年期のカラヤンと彼の手兵ベルリン・フィルハーモニーの覇気溢れる瑞々しい演奏で収録したアルバムです。魔女の呪いによって100年間の眠りに就いた王女オーロラが王子の接吻によって目覚める、ロシア・バレエの《眠りの森の美女》組曲をカップリングしています。
死の直前に完成したチャイコフスキーの辞世の句ともいうべき《悲愴》は、標題が示すとおり人間の抱く内面の苦悩、絶望や悲嘆といった感情を強烈なまでに表出した傑作交響曲です。50歳代の後半を迎えた壮年期のカラヤンと彼の手兵であったベルリン・フィルハーモニーの覇気溢れる瑞々しい演奏で収録した一枚で、ロマンティックな幻想や華やかさを見事に描いた作曲家最後のバレエ《くるみ割り人形》の組曲をカップリングしています。
独奏フルートが華やかに活躍する組曲第2番、有名な《G線上のアリア》の原曲であるアリアを含む第3番。ヨーロッパ各地に起源を持つ様々な舞曲を組み合わせたバッハの管弦楽組曲2曲と、バロックの協奏曲を総決算し次に続く古典派を予告するような独創性をも備えているブランデンブルク協奏曲第5番をカップリングしたディスクです。巨匠カラヤンとベルリン・フィルハーモニーの名コンビによる定評のある演奏で収録しています。
ブラームスが4手のピアノ連弾用として作曲し、ドヴォルザークや自らのオーケストラ編曲版によってより広く親しまれるようになった《ハンガリー舞曲集》。この作品に触発されてドヴォルザークがやはり連弾用として作曲し、後に自ら管弦楽用に編曲した《スラヴ舞曲集》。カラヤンがドイツ・グラモフォンにステレオ録音を開始した最初期の録音で、ベルリン・フィルハーモニーを見事にドライヴした熱気溢れる演奏を繰り広げています。?
イプセンの劇への付随音楽《ペール・ギュント》からの組曲、祖国の自然に対する讃美と圧政に苦しむ国民の反抗が表現された愛国的名作《フィンランディア》、トゥオネラ河に浮かぶ美しい白鳥を描いた《トゥオネラの白鳥》。北欧の作曲家グリーグとシベリウスの管弦楽曲集です。独墺系の作品と並んで北欧音楽の指揮にも力を注いだカラヤンは、スケールの大きな緊迫感溢れる圧倒的な演奏を繰り広げ、聴く人を抒情と感動の世界に誘(いざな)います。?
テムズ河での舟遊びのために作曲されたと伝えられる、ヘンデルの管弦楽曲の代表作《水上の音楽》。戦争の終結を祝う戦勝祝賀会の花火大会のための音楽で大規模な軍楽隊によって初演された《王宮の花火の音楽》は初演時には管楽合奏版でしたが、後に管楽器を減らし弦楽合奏を加えた版が新たに出版されました。誠実味溢れる指揮で世界中の音楽ファンを魅了し続けたクーベリックとベルリン・フィルハーモニーによる定評のある演奏です。
交響詩の創始者として標題音楽の発展に重要な足跡を残した作曲家、リストの管弦楽作品集です。詩人ラマルティーヌの「人生を死への一連の前奏曲とみなす」という序文が付された《前奏曲》、ハンガリーの民族舞曲に基づく《ハンガリー狂詩曲》の管弦楽編曲版3曲と《メフィスト・ワルツ》を収録。広く親しまれた名曲を最高の演奏でレコード化することに情熱を傾け続けたカラヤンの姿勢は、このアルバムにも端的に示されています。
清冽な活気と優美な楽想を湛えた、弦楽四重奏曲を思わせるような簡潔な書法による珠玉の名作《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》。2群のアンサンブルを合奏協奏曲ふうに効果的に用いた、室内楽的な《セレナータ・ノットゥルナ》。初期に書かれた弦楽合奏のための3曲のディヴェルティメント。モーツァルトのオーケストラ曲を、カラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニーによる磨き抜かれたアンサンブルによる演奏で収録した一枚です。
ムソルグスキーのピアノ曲をラヴェルが卓越した管弦楽技法を駆使して色彩豊かに編曲した《展覧会の絵》は、現在では原曲以上にポピュラーになっています。また従来の音楽語法を覆して原始的なサウンドにより異教徒の祭祀を描いたストラヴィンスキーの《春の祭典》は、20世紀のオーケストラ曲として幅広い支持を受けています。カラヤンが1960年代中葉にベルリン・フィルハーモニーを率いて録音した、緊張感に満ちた演奏を収録しています。?
スペイン舞曲のリズムによる旋律のみを楽器を代えて繰り返し、漸強しつつ圧倒的なクライマックスに至る《ボレロ》。ギリシャ神話の牧歌的な物語による、夢想的に描かれたバレエ《ダフニスとクロエ》。夜明けから刻々と変わる海の一日を描写した《海》。マラルメの象徴詩をもとに作曲された《牧神の午後への前奏曲》。ラヴェルとドビュッシーの名管弦楽曲を、カラヤンとベルリン・フィルハーモニーによる色彩感溢れる演奏でご堪能ください。?
R.シュトラウスにとって最後の交響詩となった《英雄の生涯》は自己の業績を振り返る自伝的色彩の濃い曲で、既作品が次々に引用されて登場します。また《ティル・オイレンシュピーゲル》は14世紀の北ドイツに生きた伝説の人物ティルの様々ないたずらを素材にした作品です。前者はカラヤンがドイツ・グラモフォンにステレオ録音を開始した最初期の演奏で、ドイツ・ロマン派最後の巨匠の豊饒で表現的な音楽を完璧に再現しています。
高貴でありながら雄大な作風を示し、このジャンルの最高傑作とされるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は、独創性も存分に発揮された傑作として広く親しまれています。モーツァルトが青年期に書いた名作のひとつとして知られる、洗練度と深みを増したスケールの大きな第5番は、終楽章のリズムから《トルコ風》の愛称で親しまれています。ウィーンのヴァイオリニスト、シュナイダーハンの格調高い気品溢れる演奏でお楽しみください。