制作・出演 : ベートーヴェン
ベートーヴェン:交響曲第1、4番ベートーヴェン:交響曲第1、4番
この新盤は音質がずいぶんと生々しくなり、それは評価にも大きく影響する。この2曲はブルックナーの交響曲のような巨大な解釈で、特に第1の方は通常の演奏は大きく異なったものだ。朝比奈が長い時間をかけて到達した世界だけに、その味わいは格別だ。★
ベートーヴェン:交響曲第2、5番ベートーヴェン:交響曲第2、5番
85年のライヴ録音だが、12年前にして朝比奈は既にここまでスケールの大きな音楽を創っていたのだと改めて感服した。音楽は常に悠々と流れ、すべての音符は暖かく息づいている。今、「運命」の2楽章をこれほど豊かに響かせる指揮者は恐らく皆無だろう。
ベートーヴェン:交響曲第7番第8番ベートーヴェン:交響曲第7番第8番
最初に出たCDは、もっと柔らかい音だったと思うが、この新盤ではずいぶんと生々しくなった。第7は例によって繰り返しをすべて敢行し、巨大な構成の中に素朴な情熱が渦巻く演奏。技巧的な第8は朝比奈流の解釈と多少相性は悪いが、それでも平均以上だ。