制作・出演 : ボリス・コズロフ
これまでモンク集やモーツァルト集を出しているトリオ。7作目となる本作ではおなじみのビートルズ・ナンバー13曲に独自のアレンジを施し、繊細かつ優雅に演奏している。マルティーノはトリスターノ系だけあって、グループ名どおりのロマンティックかつクールな演奏。
ヘイクは超一流のスタジオ・ミュージシャン、これを聴けば明快だろう。しかし、この作品が初リーダー作という。バックはロマンティック・ジャズ・トリオ。サンタナの大ヒット、冒頭のタイトル曲から並とは一味違う実力を惜しげもなく発揮。楽器を操る確かな技術を堪能した。
制作・出演
KennyRampton / ザ・チャールズ・ミンガス・オーケストラ / ダニー・マカスリン / テリオン・ガリー / ボリス・コズロフ / マーク・ホイットフィールド / ロニー・キューバ / 西村協発売元
SSJスティーヴィー・ワンダーの作品を中心に歌った2007年、NY録音作。チャールズ・ミンガス・オーケストラのメンバーによるパワフルな演奏に乗せてダイナミックにスウィングする1、4曲目が好トラック。「レイトリー」は起伏に富んだヴォーカルとともに若宮功三の色彩感あふれる編曲もいい。
ロリンズばりの太いトーンが特徴のベテラン・テナー、ボブ・キンドレッドがラテン・ボレロに挑む。だが、内容は真のジャズ・バラード集であり極めてブルージィな仕上がりとなっている。全編で澄んだよく通るテナーが印象的。むせび泣くような音色も良い。
まさに大胆なアレンジ、そして迫力のサウンド。全曲が美しく、自然なジャズに十分楽しめた。お馴染みの楽曲がジャズっぽい気怠さに満ち、ブルージィ。少々骨太な処理は他のモーツァルト作品とは明らかに違う。偉大な作品に少しもおもねることのない気概を感じた。
『オペラ座』『シカゴ』『美女と野獣』など、ミュージカルに疎い人間でもなんとなく耳にしたことのあるようなナンバーばかりで、マルティーノのラテン風味のプレイとも相性がいい。考えてみれば、昔はミュージカルからジャズのスタンダードが生まれてたんだっけ。