制作・出演 : マキシム・ヴェンゲーロフ
プロコフィエフ&ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番プロコフィエフ&ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
気分爽快になるアルバム。ヴェンゲーロフの腕前に改めて感心するとともに、素直な音楽に心洗われる思い。深みには遠いかもしれないけれど、この溌剌としたのびやかさは気持ちいい。特にショスタコーヴィチの方で、そんな魅力が花開いている。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5
これは名演。この人は実にニュアンスが多彩である。テンポや音量の増減や左右の手のバランスなどを自在に変化させているが、過度にロマン的に聴こえないところが凄い。伴奏も非常に新鮮な響きがする。つくづくこの人は過少評価だと思う。
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番《クロイツェル》&ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番《クロイツェル》&ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番
1974年生まれ、ユダヤ系ロシア人、ヴェンゲーロフの新録音。音の切れ味の鋭さや張り詰めた感じは、ベートーヴェンで非常に効果をあげている。一方、ブラームスでは、もう少し音色に潤いがほしいし、もっと歌い込んでほしい。レパートリーの難しさ。
プロコフィエフ&ショスタコーヴィチ.ヴァイオリン協奏曲プロコフィエフ&ショスタコーヴィチ.ヴァイオリン協奏曲
現在もっとも安定して完成度の高いヴァイオリニストの1人。今回は高い評価を得た1番の協奏曲に続くもので、強靭で緊張感のある演奏が聴ける。ともに乾いた抒情性と諧謔性のある作品だが、見事な構築をみせている。指揮もタイトでスマートだ。★
シベリウス&ニールセン:ヴァイオリン協奏シベリウス&ニールセン:ヴァイオリン協奏
今、若手でイチオシのヴァイオリニストはこのヴェンゲーロフだろう。シベリア出身、今年22歳の青年。すでに著名な指揮者の大半と共演しており、本盤は最新(1月)の録音である。北欧物2曲だが、切り口の鋭さと豊かな歌心、雄大なスケールが圧巻。