制作・出演 : マリインスキー劇場管弦楽団
第二次大戦中の1943年に作曲され、第7交響曲とともに“戦争交響曲”と呼ばれているが、戦争そのものを題材にしているわけではない。内省的ともいえる作品を、ゲルギエフがじっくりと練り上げている。
「悲愴」は、2種あるゲルギエフの録音のうち最初に録られたもの。「悲愴」というタイトルに表された文学的表現を追求したかのような、濃密なロマンティシズムに彩られた熱演で話題になった。「ロメオ」も同様に濃密さが際立った演奏だ。
二つのオーケストラによる合同演奏ということで大きな話題を呼んだ録音だ。ゲルギエフの主張する“戦争交響曲”の中核をなす作品で、質・量ともにスケールの大きな、燃焼度の高い演奏が展開する。
ストラヴィンスキーの出世作、めくるめくような音色とリズムが革新的だった「火の鳥」と、やはり独得の音色感に貫かれたスクリャービンの「プロメテウス」の組み合わせ。ゲルギエフの本領発揮の快演が満喫できる。
「くるみ割り人形」が初演された、文字どおり“本場”の演奏だ。ゲルギエフがダイナミズムと抒情性、さらに次々と繰り出される美しいメロディをチャーミングに描き分けていて、この曲の魅力をたっぷりと伝えている。
レーピンがゲルギエフと初めて共演した演奏会のライヴ録音。ミヤスコフスキーは20世紀前半に活躍したソ連の作曲家で、この作品は完全に後期ロマン派の作風だ。どちらもレーピンの上手さが光っている。
ドイツ・グラモフォンでの3枚目のアルバムで、2枚目となるラフマニノフの協奏曲。表面的なテクニックを聴かすのでなく、ラフマニノフの持つ抒情性とロマンティシズムを丁寧に紡いでいる。
世界中のオーケストラや歌劇場から引っぱりだこの指揮者、ゲルギエフ初の「白鳥の湖」。本作でチャイコフスキーの3大バレエが揃った。オーケストラも指揮者も熟知したチャイコフスキーで、21世紀の決定盤といえる。
制作・出演
アンナ・ネトレプコ / イリヤ・バンニク / ウラジーミル・モローズ / ズラータ・ブルイチェワ / チャイコフスキー / ドミトリー・ヴォロパーエフ / マリインスキー劇場合唱団 / マリインスキー劇場管弦楽団 / ワレリー・ゲルギエフネトレプコが恩人ゲルギエフとともに録音したロシア音楽。彼女の少しウェットな歌声はロシア語とよく合う。珍しい曲も興味深いが、やはり彼女の世界進出のきっかけとなった「戦争と平和」や長大な「エフゲニー・オネーギン」の手紙の場が聴きもの。