制作・出演 : ミラノ・スカラ座管弦楽団
カラス絶頂期の録音。カラスによって発掘され、その真価、あるいは真価以上の輝きを得た4つのオペラからの名唱集。ドラマの構築力で彼女の右に出るものはないことが証明された一枚だ。伴奏陣もまた万全。
藤原歌劇団の創設者、藤原義江(1898〜1976)の、名テノールとしての足跡が見事な復刻で蘇った。オペラの普及期ゆえに、すべての曲は日本語で歌われているが、海外のオペラ・ハウスで鍛えられた美声は、21世紀の耳で聴いてもさすがに別格。カレーラスを彷彿とさせる色気あふれる歌い口は、絶品と言ってもいいものだ。“洋楽篇”と“日本歌曲編”の2セットに分売されているが、内容は実質4枚組。前者は昭和8〜15年、後者が大正15〜昭和7年発売と、音源の時期が異なるため、経歴に沿った声や歌い口の変化も興味深い。
ムーティ2度目の録音で、ソリストの豪華さも注目を集めた名盤として定評のあるもの。ムーティの、オーケストラと合唱のコントロールが見事で、ドラマティックな中に敬虔な祈りが溶け込んでいる。
デル・モナコ盤と双璧と言われている録音。カニオのベルゴンツィは、デル・モナコに一歩譲るが、歌手、合唱団のバランス、最後まで緊張感が持続した演奏など、全体の出来はこちらが上か。録音史上に残る名盤だ。
20世紀最高のソプラノ、マリア・カラスの歌を100曲収録した究極のマリア・ベスト・コンピレーション。没後30年企画で登場したカラスのオリジナル録音で、たっぷりとオペラが楽しめる。
椿姫はカラスの当たり役のひとつで、スカラ座ではカラスの素晴らしい舞台の記憶が残っている間は上演できなかったくらいだ。ライヴだけに、カラスの迫真の演技が伝わってくる貴重な録音。
ドラマティックな声が要求されるトゥーランドット役のカラスは、ほかの歌手との差が気になるほどに圧倒的な存在感を放っている。セラフィンの指揮も申し分のない出来栄えだ。
カラス2度目の録音で、ともにセラフィン、スカラ座。コレッリ、ルートヴィヒらの共演者と録音面から、この1960年盤が群を抜いている。このカラス盤を聴かずして、「ノルマ」を語るなかれとまで言われる一枚だ。