制作・出演 : ライ・クーダー
アメリカン・ミュージックのルーツに迫る、ライ・クーダーのソロ・デビュー・アルバム。アメリカの伝承曲や、ロックンロール、R&Bを研究し巧みに再構築。スライド・ギターを効果的に使用したダイナミックなサウンドが活きている。
放浪する猫のバディと、旅仲間のネズミと蛙の視線から20〜50年代の米国の物語が描かれ、フォークやカントリー、テックス・メックス、沖縄風など得意の音楽に乗って歌い紡がれていく。ライの本領が発揮された大傑作。歌詞を読みつつ聴くと興趣倍増。★
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』あたりの活動から、どこかご隠居の道楽感を滲ませていたライ・クーダーだが、どっこい、まだ枯れてなかった。40年代にLAから消された街の物語を、盟友たちと綴る一大音楽絵巻。曲ごとに景色が変わる。
ブエナ・ビスタの時より若返った艶っぽい歌声にビックリ! サウンド的には同時期に録音されたライ・クーダーの新譜に近く、ジム・ケルトナー、フラーコ・ヒメネス、さらにはジョン・ハッセルなんて意外な“友人”たちの参加がいよいよ豊かな音を演出。★
スライド・ギターの鬼才、ライ・クーダーの20年以上におよぶキャリアを集大成した、初のベスト・アルバム。「リヴァー・カム・ダウン」「パリ、テキサス」は必聴でしょう。
こういう人の傑作を改めてCDできけるなんて至福の喜びだ。『パラダイス……』は'74年、『ジャズ』は'78年の作品。前者ではR&Bやフォークをメキシコ風味やカリビアン・タッチで、後者では古いジャズを、それぞれ独自の解釈で披露する。味わい深い。
数あるライのアルバムの中でも、ナンバー・ワンに数えられる名作。スラック・キィー・ギターの名人ギャビィ・パヒヌイらの豪華ゲストに囲まれて、ハワイアンからテックス・メックスまで、このうえなく豊潤な音世界が繰り広げられている。76年発表。