制作・出演 : ルドヴィート・カンタ
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! 邦人演奏家・オーケストラを主体とした“ベスト100”シリーズ。本作は、ルドヴィート・カンタ(チェロ)、 上田晴子(ピアノ)の演奏によるチェロ名曲集(2005年11月録音)。 <収録内容> 01. 夢のあとに 02. 白鳥 03. アダージョとアレグロ Adagio 04. アダージョとアレグロ Allegro 05. 夜想曲第20番 06. 鳥の歌 07. アヴェ・マリア 08. 森の静けさ 09. ロンド 10. 吟遊詩人の歌 11. エレジー 12. 夜想曲 13. 泉のほとり 14. 歌の翼に 15. ハンガリアン・ラプソディ
OAKライヴ録音シリーズ7期目の完結編となる本作は、室内オケ編成でありながら、優秀な管楽セクションも有することのデモの趣。名門ギャルドの第9代楽長を務めたブトリーによるオケの委嘱作品を、須川が野太いサウンドで初演した演奏会の貴重なライヴを中心に、小粋な選曲のディスクだ。
安永徹がコンマス席からオーケストラ・アンサンブル金沢をリードした演奏会のライヴ。ショスタコーヴィチでは市野あゆみの軽快なピアノが聴ける。ハイドンでは安永もソロを披露し、メンバーとアンサンブルを楽しむ。そして丁寧に作られたシューベルト。
イギリスにまつわってとりどりな選曲が耳を楽しませる。パーセルやディーリアスのサラと透明に色が漂う響きの感触、ハイドン、モーツァルトのあざとさを避けたあくまでもの明快さ、そしてブリテンの響きの仕掛けに呼応する鋭敏な動き。質実確か。障りがない。
OEKの今を象徴する一枚。堀内貴晃(77年、金沢生まれ)の曲は日本民謡の要素を取り入れた小品。アウエルバッハ(73年、ロシア生まれ)の作品はシリアス。ベートーヴェンは快速テンポの演奏。アンサンブルも良い。現代のスタンダードともいえる好演。
初めての宗教曲集。相変わらずのこの世への祈りを込めてのアルバムだそうだ。そういう真摯な気持ちがストレートに出ている。非常に丁寧にうたっている。ヴィブラートも控えめで、装飾音も華美にならず、端正で清楚。単なる癒し以上のアルバムで、感動を誘う。
2002年、コダーイの無伴奏を圧倒的な迫力で録音したカンタが、今回は名曲アルバムを収録。会場は同じ根上総合文化会館だ。ぜひSA-CDマルチで聴いてほしい。彼の音色が、いかに豊かで深々としているかがわかる。チェロ・ファンなら絶対に聴き逃せない。
ショスタコはお約束のマッシヴな賑々しさ。いわば納得の音の姿だが、チャイコフスキーは一転驚くほど落ち着いた佇まい。響きにも語り口にもほとんど扇情的なものを感じさせない。「ロココ風」など独奏が団員のゆえか室内楽的とも言える趣。意外な面白さだ。