制作・出演 : 井上道義
OAKライヴ録音シリーズ7期目の完結編となる本作は、室内オケ編成でありながら、優秀な管楽セクションも有することのデモの趣。名門ギャルドの第9代楽長を務めたブトリーによるオケの委嘱作品を、須川が野太いサウンドで初演した演奏会の貴重なライヴを中心に、小粋な選曲のディスクだ。
古楽器的な響きを取り入れているのは従来と同じ。だが、今回はそれがだいぶ板についてきて、音楽がより生き生きと鳴っている。モーツァルトはちょっと不自然な表情が感じられる部分があるが、悪くはない。いっそう覇気があって井上らしいのはハイドンの方。
発売元
日本伝統文化振興財団2台のプリペアド・ピアノのための「3つのダンス」を、なんと4面の“プリペアド箏”で演奏した、画期的なアルバム。さまざまな工夫を凝らし箏の可能性を追求した現代邦楽界の第一人者、沢井の真骨頂と呼べる一枚だ。
親子で一緒に聴いて楽しめるクラシックの楽曲を厳選した“聴かせてあげたい とびきりのクラシック”シリーズのヴァイオリン編。つややかで美しい音色が魅力のヴァイオリンの名演の中から、選りすぐった親しみやすい小品を多数収録している。
「イカの哲学」はOEKの委嘱作で、早逝の哲学者・波多野一郎の唯一の著作『烏賊の哲学』を基にした語り付きの協奏曲(台本:中沢新一)。ベートーヴェンは、すっきりとしたオーソドックスな佳演だが、ミッチーらしいサービス精神や、意表を突くアイディアを求めたい気も……。
OEKの今を象徴する一枚。堀内貴晃(77年、金沢生まれ)の曲は日本民謡の要素を取り入れた小品。アウエルバッハ(73年、ロシア生まれ)の作品はシリアス。ベートーヴェンは快速テンポの演奏。アンサンブルも良い。現代のスタンダードともいえる好演。
2007年1月からオーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督を務める井上道義の就任記念アルバム。交響曲第39番第1楽章の序奏の猛烈なスピードに驚かされる。速めのテンポやノン・ヴィブラートなどの古楽的なアプローチを積極的に取り入れた新鮮な演奏だ。
モーツァルトの協奏曲とソナタをカップリングさせる企画の第2弾。デビュー盤ともなった第1弾は大好評だったが、こちらも上々の仕上がり。ストレートでピュアなアプローチと透明な音色の中に、モーツァルトのさまざまな表情が浮かび上がってくる。シリーズ化を望む。
発売元
日本コロムビア株式会社カントロフ、スーク、チー・ユンなどの名ヴァイオリニストの演奏で、ヴァイオリンの魅力を満喫できる。デンオンやスプラフォンなどの名盤を集めた《ザ・クラシック1000》の1枚。